家の小さな見所

住宅構造パネル組み立て時に見える高断熱住宅の見所を。

本日、当社隣接地では一日フレーミング。
フレーミング現場に触れる機会の少ないココログたちには、
作業風景を見るのが楽しい様子で、本来の作業の手を休めては、

  大工さんて・・すごいよね!

と感心しきり。

よく、

家選びは現場を見ずには決められない。

と言われますが、今日はそんなポイントをぺっこ紹介させていただきます^^

先張りシート

1)先張りシート

 外断熱ではあるが、充填断熱も併用の住宅なので、
 本来、充填断熱の後工程となる気密(シート)層工事の連続性を保つ上で、
 この構造組み立て時にしかできない作業。
 大した作業ではないが、この工程を大事にしている会社は
 10年前なら、ツーバイ業者なら当社以外ゼロだったと思う。
 現在では稀に見かけるようになったがまだまだ希少な状況は変わらない。

通気

2)屋根の通気加工


 棟換気の先行加工に軒裏換気の通気加工。
 棟換気については今や一般化しつつあるので解説は省略。
 軒裏換気を当初、単純部材でスペースを開けたこともあったが、
 それでは暴風雨時に巻き上げしやすくなるというリスクがあることから、
 多少加工作業はかかるが、通気が取れて暴風雨対策となる
 小さな欠きこみとしたのが写真左に見える欠きこみ部分。

4*8合板

3)4×8合板

 ①1一般2×4工法なら、床・屋根なら3×6(910㎜×1820㎜)合板。
  構造(柱・根太・垂木)間隔は@455㎜。

 ②もし、メーターモジュールなら1000×2000㎜合板。
  そして、構造間隔は@500㎜と間延びする

 ③そして、当社で採用する4×8(1220㎜×2440㎜)合板。
  構造間隔を間延びせず逆に密にし、@406㎜としている。

 このことで何が変わるかというと、
 構造材間隔から分かる通り、構造材は①より1割多く②より2割多い。
 当社の方が多くなっているのはもちろんなのだが、
 何よりのポイントは床・屋根構造(根太・垂木)に
 ①と②だと合板が(1,820÷455=)5本にしか載らない。
 当社の③だと、合板が(2440÷406=)7本に載ることで
 構造の面強度がより強くなる。

 このようなことから、耐力壁区画1.5倍が認められている。
 もっと身近な言い方をすると、
 通常の間取りなら、補強無しでグランドピアノが置けるほど。
 と言うほうが解りよいかもしれません。

 この4×8合板の採用を巡っては、現場の大工さんたちからは
 大ブーイングだったことを思い出します。
 作業者からすれば、サイズが大きすぎて扱い難いというもの。
 私からすれば、作業は確かにちょっと大変でも、
 それによって家の強度が増すことは施主側のメリット。
 施主のためにつくるのか、作業者のための家なのか、どっちよ。
 当時、そんなことを強調しつつ強行採用したっけ。。

 それも今、「慣れてしまえば大したことはない」と彼らは言う。
 なんのために、誰に向き合い、慣れるのか。
 先日の話の「慣れてしまえば」何とかなるものも
 施主に向かず作業者に向いている施工法や資材って
 日本の住宅現場には多いと思う。

 そして構造設計上、もう一つ大きなポイントがある。
 これまた、移行するのに半年以上かかってしまった経緯があるのですが・・・
 それはここで説明するのはとてもムリ。
 なので省略させていただきます。。
 

ダメだし雨じまい

それに加え、構造の話とはぺっこ違うけど・・

4)一日フレーミング

 構造を雨に濡らさないために、一日で屋根まで施工する。
 このことは、このブログで以前に触れているので省略。

5)社員施工

 主たる構造に関する加工から施工全てを自社の社員が必ず施工する。

 よく「住宅販売」と言われるが、私は何故かこの言葉が好きになれない。
 私は大きく捉えるなら「家づくりは手作りな製造業」だと思っている。
 技術開発・小さな配慮など、そこに凝縮させようと思ったら、
 社員施工は当社にとって外せないものの一つ。

 余談ですが、先日の家づくり教室。施主さんのお話で、
 当初大手メーカーさんの場合、
 社員が来て建ててくれるものだと思っていたそうです。
 そしたら、家づくりに関わるのは全て地元の会社・人だと知りショックだった
 のだとか。私がこのような話を施主さんから聞いたのは2回目。
 私は業界側の人間ですから、そんなことは当たり前のことと思っていたので、
 それこそ初めて聞いたときは私の方もショック。
 こんな双方のギャップって以外と多いのかもしれません。
 

以上が、今日の現場に凝縮されている当社のポイントです。

つい手前味噌な話をしてしまいすみません。。;

でも、
家にはその会社の考え方や技術が隠れています。
それを見ることのできるのは現場。
今日のように、一日或いは数時間で見られなくなってしまうポイントもあります。
もし、これから家を考えてらっしゃる方は、
完成した住宅見学も大切ですが、現場見学も是 非してみてください。

見ても解らないし、とそんなに難しく考えることはありません。
レストランなどの厨房を見学する気分でいいんです。
隠し味がきっと見つかりますから^^

 

 

 

岩手の注文住宅なら。

6 件のコメント

  • こういうことを広告で書きませんか?
    知らない人は多いと思うし,大共ホームで立てるかどうかは別として,「家」を見る視点が変わると思います。

  • hiroさん、広告にですかぁ。
    確かに知らない人がほとんどで、
    知らないまま建てている人も多いのではと思います。
    確かに、謳いたい気持ちはあります。
    でも、パフォーマンス性のあるものならですけど、
    こういう構造への配慮の積み重ねって、
    広告の中で読んでもらえるものなのか、
    本音のところ不安もあったり、、、なんです^^;

  • まず上の「立てる」は「建てる」の間違いです。
    いつものおしゃれな広告とは違ってしまいますものね。
    いつものはいつもので好きなので難しいところです。
    最近は2×6の構造体もできていますが,親方が考慮に入れないのは,多分必要ないと考えているのでしょう。
    と,このブログを読んでいれば「大共ホーム」の考え方が分かると思います。しかし,そうでない多くの方に分かっていただくためには別の手段を考えなくてはならないのだろうと思います。
    また,興味のある人は目に触れればどんなものでも読みますし,興味の無い人は目に触れさせようともしないでしょう。

  • hiroさん、広告はいつも費用対効果の検討の繰り返しで、
    本当に難しいです。。
    2×6については考慮に入れないわけではないです。
    当社でも10年程前までの一般構造では多かったんです。
    ただ、主目的は充填断熱の厚さを確保するためで、
    構造強度は付随した形でした。
    現在の構造組みで強度面はそのレベルを
    クリアすると考えましたし、
    断熱厚も外断熱を主体にした段階でクリアされました。
    現在当社で2×6が採用されるのは、
    3階建や大きな吹抜け空間があるような構造計算上
    不足がある場合と、断熱目的なら無暖房の家のケースです。
    広告面で、見えない性能面やそれへの配慮を
    どうビジュアル的にわかりよくするかはテーマですね。
    しかし、説明しようとすると小難しくなってしまうのが
    もどかしいところです^^;

  • 必要の無いことはやりません。
    必要なことはとことんやります。
    だから大共ホーム。
    ですね。
    「なんで○○ハウスなんだ」より分かりやすいかも。
    しかし,こういうおしゃれじゃない言葉が似合わないんだよなあ。

  • hiroさん、分かりやすくていいですね^^
    わかりやすい方が広告効果はあるみたいですから。
    親方イメージだけなら全然OKなんですけど、
    確かに分かりやすくておしゃれに・・・
    と考えると、私のアタマではやはりムズカシイ・・(汗)

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