カニのこだわり

先日、北海道で住宅展示場を見学させていただいた。
国内の住宅メーカーのモデル見学なんて何年ぶりだろうか・・・
それも思い出せないけど、今の流れくらいは知っておこうと5軒ほどを見学。

素材的なものに関しては興味を起こさせるものはなかった。
時折、意表をつくものはあったけど機能面的意味合いはないのが寂しい。
では性能は?・・・

中に入ると、どのモデルハウスも暖かい。
室温を確認すると、どのモデルハウスも室温は25~26℃設定。
そりゃ暖かいはずだべ。ていうか暖めすぎでしょ。

だけど、頭では室温高すぎだべ!と思うも、
だからって暑がりの私の体はそれほど暑いとも感じてない。
ということは、断熱はそれなり程度。

私が期待したほどのものに出会うことはなかったのは残念。
しっかし、これらのモデルって20年の間に何が変わり進化したのだろうか。
いつか聞いてみたいような気がした。

でもまあ、そんな私の気分をカニさんが一新してくれましたねえ。
場外市場に寄ったときです。
軒を連ねたその通りを端っこから歩き始めると、
元気のいいおっさんやお兄さんから声がかかる。

 おみやげに毛ガニどう? 先ずはこれ食べてみて。

試食を進められる。

    ああ、、ごめん。昨日、食べ放題で食べ過ぎて今日はちょっと・・

と遠慮申し上げると、

 ああ、、あんなとこのクズと一緒にされちゃあ困るなあ、
 これだからなあ素人は。
 それで北海道のカニ食べたなんて気持ちになっちまうんだもんなあ。

   ( なに!? なんと昨夜のカニはクズだって?・・・複雑な気分) 

とりあえず、そこは流して次へと足を進めると、
数軒目の気合の入ったお兄さんに出会った。

 カニは、いいのをちゃんと見極めないとダメだよ。

   そぉ、、
   ・・・・、違いの見分け方ってあるわけ?
   あるなら教えてほしいなあ。

この言葉を発した瞬間、動きは急展開。
じゃあ、教えてあげるよってことで店奥へ連れて行かれ、
大きな水槽にごっちゃりといる毛ガニの中から、
二つを救いあげてまな板の上にお腹を向けて置いた。

  お客さんなら、どっち買う?

     ・・・・ 
     サイズも色も変わらないように見えるんだけど・・・

  こちらの方が味噌はみっちり入っていて、
  こっちのは、味噌はもう黒っぽくなってスカかもだね。

     どこでどう見分けるわけ?

  そりゃあ、経験だよ。

     え、経験なわけ?
     (見分け方教えてくれるんじゃないんだぁ。。)

そこから、重さを比較して見せたり触らせてくれたりしながら、

  これ、朝ゆでだから食べてみて。

と勧められ食べたら、これがうまい!!
確かに、昨夜の毛ガニとは雲泥の差だってことは私でもわかった。

  活きのいいのを朝にゆで、その日に食べるのが一番うまいのよ。
  みんな活ガニを送るけど、あれは勧めないね。

そう言われてふと疑問に思ったのが、良いカニじゃないものはどうするわけ?
すると、店先に案内してくれて、

  こういう風にしてまとめて激安で売ってるわけよ。

と、ここまで説明してもらうとカニを買いたくなってしまい、
おふくろやお世話になりながらご無沙汰している方に送ることに。
「これはうまい!」と喜んでくれている姿を想像しながら、
送り伝票書いていたのが我ながらちょっとおかしかったですね。

その他は、
①この時期、タラバはもう脱皮しているからダメ冷凍のみ。
②毛ガニもあと1か月もすれば脱皮するので大きいのは避け、
  むしろ小ぶりで身の重いのを選ぶ。
③自前のゆで釜を持っているところを選ぶ。
  この場外市場でも29軒でカニを売っているが、
  自前の釜を持っているのは6軒だけなそうな。
  鮮度、うまさへのこだわりが自前の釜があるかどうかだという。

  確かに釜のないところ?は、発送で到着まで3日かかると言っていたのに、
  私の頼んだそのお店は今日ゆでてすぐ送るから、
  最短で明日の午前には届けられるよって言っていた。

  釜のないお店は、
  翌日にゆで釜を持っているところに依頼、
  二日後にお店に戻ってきて、それから発送という流れか。

ちなみに、私が頼んで翌日に届けられたそのカニには、
「二日以内にご賞味ください。」とあったとか。
ということは、到着までに二日余計にかかったら賞味期限は・・・どうなん?

よくどこの店でも、
「朝ゆで」というキーワードを売りに表示しているらしい。

その後、最後に立ち寄った店の主の言葉が耳に残る。

 朝にゆでたから、何日前にゆでたって確かに朝ゆでだ。
 嘘はついてねえってことになるが、
 その日の朝にゆでたのが、朝ゆでだって当たり前なのにさ。
 釜を持たずに、朝ゆでを語りカニを売るだけの店が増えてしまってさあ。

 なんだかさあ、悲しくなるねえ!

私たちの仕事も、
単に言葉を操るだけの販売業にならないように、
釜を持ったつくり手でありたいと改めて感じさせてもらいました。

岩手で家の新築・建替えのハウスメーカーなら。

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