岩手に住宅に最適な暖房って。

岩手の住宅に最適な暖房って何だろう?

てなことについて、今日は個人的な意見をぺっこ。

岩手の住宅に床暖房

これは岩手県の冬の暖房期における床暖房の温度状態を熱カメラで撮ったものです。

アメリカの温水床暖房配管から

この床暖房の配管方式は、当社の普段の床暖房方式とは違います。
入居後何年かしてから、床暖房への切り替えたいなあと希望される方用にと、
テスト採用してみたもので、私の中ではアメリカ式?
的な感じで捉えているシンプルなしくみなんです。

アメリカ式というのは、20年以上前、アメリカの住宅の工事現場を視察した時、
床下に潜ってみて初めて見かけた方式で、

こういうやり方も有りなんだあ。

と感心しながらも、20年近く実採用する機会もなく、
ずっと頭の奥底に温め続けていたものです。

以前の床暖房方式からの反省

当社のこれまでの暖房方式は、

25年以上前なら土間蓄熱の床暖房が一般的でした。
これはこれで、コストも抑えられ蓄熱量も高かったので暖房としては良かったのです。
ところが、床の仕上げが土間コンクリートにダイレクトな方式のため、
見学会などで一日中立って歩いたりすると、膝に負担がかかることを体験することになります。

一般的な暮らしで一日中立っているとか歩いているなんてことはないので、
居住者の方から不満の言葉を頂くことはなかったのですが、

これでいいのだろうか・・・

自覚がないだけで、知らず知らずのうちに負荷がかかっていたとしたら・・・

それが何十年も積み重なったとしたら・・・

と想像し、床暖房から他の暖房方式へ移行しようということになりました。

岩手のための暖房方式を模索

そこで検討し、
床暖房と同じように、体感温度を上げ、埃を吹き上げない輻射方式をとなれば
パネルヒーターの選択に至ります。

パネルヒーターを標準化しながらも、他の暖房方式も模索し始めます。
その結果、採用し始めたのが熱交換暖房システムというものでした。
20年ちょっと前、
主に輸入サッシのトリプルガラス仕様の家で採用することが多かったですね。
これは当社では好評だったのに、その後なぜか各メーカー廃番となってしまいます。

私の推測でしかありませんが、日本の断熱レベルでは暖房能力が足りな過ぎて、
暖かくならないとかの苦情も多かったためではないかと。

アメリカの全館空調(冷暖房)

それで困った私たちは新たに模索したのがアメリカの全館空調の冷暖房システムです。
なぜアメリカのものだったのかと言えば、
何度もアメリカの住宅に触れ、送風音、送風感共に感じることがなかったからです。
冬の暖房時も、夏の冷房時も、自然状態過ぎて、
冷暖房の運転されていることなどまったく気づけないほどでしたから。

我が家に採用されているのも、まさにこのアメリカのもの。

冷暖房感を感じず、我が家は未だに快適なのはよいのですが、
なんせイニシャルコストが高いってのが問題で、
一般の方には普及し辛いことに気付きます。

オール電化ブームでの蓄熱暖房が主流に

そんな理由で、
深夜電力利用・オール電化ブームに合わせ安価な蓄熱暖房が主流となってしまいます。

当時一般的だったし、安価だったし、暖房費もそこそこだったしで
特に問題はなかったのに、私としては不満が残ったままでした。

一つは、パネルヒーター以上にかなり場所を取られ、暮らしが制約されること、
設備的には安価でも、使えなくなる面積を考えるとどうなんだかという疑問、
何よりインテリア的に悲しい。

地中熱ヒートポンプ暖房へ

そこで当時、新しい熱源として実験を進めていた地中熱エネルギーと合わせ、
やはり暖房の理想形だよねってことで床暖房を復活させたのが、
当社のモデルハウスの床暖房というわけです。

モデルハウスは、膝への負荷をかけないよう土間床ではなく通常の床組み構造とし、
かつ、床表面に弾力性を持た二重に対策し通常の床と同じ使用感をと計画。
先ずは暮らす人間にとっての理想形というのがこの時の目論見です。

ですが・・・
やはりコストは高い、高すぎる・・て結果に。。

コストの壁、

これを打ち破るヒントをくれたのが私の師匠でした(笑

岩手の暖房として温水床暖房へ回帰

現在、私が理想だと思える床暖房を標準化できたのです。

私は暖房を考える時、熱源と暖房方式を分けて考えます。
温水式の床暖房であれば熱源は何でもいいのです。
但し、断熱レベルは高くないといけません。

いろいろ熱源のエネルギー単価を比較して、
ガスがいい、灯油がいい、電気がいい、と判断する方もいると思います。
私も震災あたりまではよく計算していましたから(笑

だけどよく考えてみると、
30万円が2割違えば、6万円の違い。これは大きい。
ところが元々3万円しかかからないものが、2割違ったとして6千円の違いだべ。
このことに気付いてしまうと計算しなくなりました。

如何にして6千円を埋める施工や暮らし方を工夫できるようにするか、
そっちを考えた方がいいべってことに行き着いてしまったようです。
こんな考えでいいんだか悪いんだか、私もよくわかりません(笑

温熱的だけ考えたら、
断熱レベルを上げれば燃費も下がる。
体感温度を上げられる暖房方式なら輻射式、
輻射面積が多ければ多いほど体感温度は上がり室温は下げられ、結果省エネになる。
だったら、床暖房か。

健康視点から岩手の暖房方式を考える

家族の健康を考えたら、
体感温度を上げ室温を下げられたら、室内湿度は上がり乾燥を防ぐ。
暖房送風感がないので、ハウスダストを吹き上げない、夜は眠りが深くなる。
冬の活動量は増え、運動不足になる不安はなくなる。

とまあ、過去には紆余曲折ありましたが、現在に至るわけです^^

今お話ししたことは一つの考え方でしかありません。

誰のために、

どんな暮らし方をしたいか、

そのためにどんな環境が必要なのか、

その環境を創るのは何なのか、

自分らしい暮らしのために、
考えてみるだけでも損はないのではないかと思います。

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