今日は仕事ではないこの4日間の視界を紹介したいと思います。
今回、ヨットではいつもスタッフ共々お世話になりっ放しのSさんからのお誘いで、
ヨットレースに参加してしまいました。
いつもヨットでバーベキューしているだけの私なんぞ、
お役に立てるはずなどないのに・・・です。
ですが、Sさんからのお誘いとあれば二つ返事しかありませんので(笑
レースは週末の土日での開催でした。
スタート地点の函館に到着したのが木曜の夕方。
水曜と木曜の夜はヨットに泊まりです。
一匹?の蚊が追い払っても追い払ってもずっとうるさくて睡眠不足のまま
レース前日を迎え、あれやこれや装備などの準備や点検を行うのですが、
私は何のお役にも立てません。。;
レース前夜はさすがに、身体を休める意味でペンションに宿泊。
ペンションの朝食時間前には出発しなければならないので、
オーナーさんにお願いしておにぎりを握ってもらうことにして、
お願いついでに、図々しくも昼飯分までお願いしてしまいました。
笑顔で聴き入れてくださり感謝です。
ママさん曰く、「愛情たっぷりの勝負おにぎりよ」とのことで、
何か昔感じた部活の合宿とか大会遠征時の民宿の気分です(笑
ペンションを出て、サクッと土産物を買わねばと朝市へ。
朝市を回っていたら、ラーメンを食べたくなり朝飯にラーメンを即行で食べ、
朝用のおにぎりはその日の夜用に回すことにしたのです^^
港に着くと、既に他チームの方たちは準備に入っていて、
やはり私とは心がけも気合いも、格段に差があることを思い知らされてしまいます。
それにしても、
天気予報は雨だったのでびしょ濡れは覚悟していたのですが、
この天気にはほっとしました^^;
9時過ぎになると、一艇が、そしてまた一艇と続々と出廷し始めます。
我がチームは出る気配もありません(笑
スタートは10時なのに・・・ なすてだべ?とSさんに聞くと、
先に出て、風や潮の流れ、波の状態を確認しスタート前のコース取りを考えるためとのこと。
スタート前からレースは始まっている、
のだそうで、レース前が一つの大きな山場なんだとか。
素人の私にはこの時点では想像すらできません。
この意味はこのあとスタート地点に行って初めてわかるのですが・・
他チームがすべて出航し終わったところを見計らい、我がチームもいざ出航!
この時の感覚は・・・
子どもの頃の運動会であった騎馬戦の出陣に近い緊張感でしょうか。
防波堤内で帆を上げて、湾外を目指し防波堤の切れ目に向かいます。
そこで湾外の白波が立つ荒れた波が目に飛び込んできました。
えええええー!
あそこに突入すんの?
ま・じ・ですか!?
雨が降らなかったのはいいけど、この風は・・
こんな強風でのヨットは初体験、大丈夫か俺たち・・
落ちたりしないかなあ、、
写真で見ると、それほどでも無さげですが・・・
実際はもっと大きなうねりでした・・;
船首が突っ込みそうだったり、傾いて半分水没してそうなヨットの状況で、
想像して頂いた方が判りよいかもしれません。
こんな状況で風に翻弄されながらスタート地点とスタート時刻にタイミングを合わせようと、
どの艇もグルグル回ったり行ったり来たりしながら調整するのだそうです。
いよいよスタートです!
これがスタート直後。
これで参加艇の半分くらいです。
他の艇は風に翻弄されタイミングを外してしまい、
大回りしたりしていて写真には入っていません。
スタート直後の動画を。
リアルだともっと波は大きく感じるのですが、
こんな状態で何時間もヨットに乗っているの?とか思うと、
ぺっこ不安にもなりますよね、、
ここから1時間もすると、他の艇の影はほとんど見えなくなります。
それは参加艇それぞれのコース取りがあるからなそうで、
大きくはスタートから二方向に分かれました。
8割以上が正面方向に、ほんの一部の艇が右手方向へ進み始めたのですが、
我がチームはそのほんの一部の部類で、ちょっとした賭けに出たようです(笑
出始めてちょっとした辺りで帆のトラブルで追い越されたりもします。
数時間経つと、先ほどまでの風が嘘だったかのようにピタッと止んだりし始めますが、
風を読み海流を読み、風の通り道にたどり着くと息を吹き返したように再びバンバン進む、
その繰り返しなんです。
全然進まない時などはどうなるの?
などと素人の私は思うのですが、
歴戦のSさんたちにとっては当たり前な状況なのだとか。
現に一艇、潮流に流され過ぎて棄権との無線が入りましたからね^^;
夕方から夜は一進一退の状況が続き、のんびり夜空の星を堪能したりしていましたが、
夜1時過ぎ強風を掴みます。
波はなく風だけが強い、そんな状況だとすごいスピードなんです。
暗闇を猛スピードで走るって見えない分恐怖があるもので、
緊張で疲れそうなのでここで私は仮眠を取らせて頂きます。
しばらくして
「起きて!もうすぐゴールだよ。」
の声が聴こえ起きてみると、
周りは既に白んでいて、さっきまでの風は嘘のように無風状態。
無風なので先行していたはずの何艇かがゴールを目前にして身動き取れずにいるようです。
ここでSさんたちレース経験者がコース取りを検討し、
先行艇の場所へ入ったら同じく身動き取れないなら、
まだ右側から入った方が良さそうだということになります。
作戦が当たり先行艇に我がチームが追い付きます。
追い付くと言っても、ほふく前進のカメレースみたいな感じです。
ご覧のようにべたなぎ。
動画で見るとこんな感じ。
先行する3邸のうち2艇を交わし、より右側を走って来た後続の一艇に追い越され・・・
まもなくゴール。
写真の船と右50m程のところに浮いているブイを結んだラインがゴールライン。
そして、
無事、ゴーーール!!
ゴール前の4,50分、この歯がゆい時間が一番楽しかったかもしれません^^;
その後、帆を下ろし停泊場所へと向かうと、
なんと、停泊する場所?隙間がない!?
すると、皆さん仲間なんですね。
艇を移動して場所を空けてくれて、その上着岸するための手伝いもしてくれるんですよ^^
止まった状態に陽射しが加わると急に暑くなるので、
防寒着や雨合羽を脱ぎ捨て身体を伸ばします。
今回、レースに参加する上で防寒着と合羽を用意してくるようにと言われ、
用意したものの・・・ 何とも想像以上に寒い!
写真の中で干してあるもののように、
海には海用のウェアがあるようでした。
聞けば数万からうん十万するんだとか・・
身体を軽くした後は、
ヨットの上で完走したことに、皆で乾杯♪し、そのあと暫し仮眠をとり、
午後3時からは、ホテルにてお待ちかねの表彰式へ♪
先ずは市長さんや港湾関係、実行委員の役員さんのご挨拶。
そして乾杯し、ビュッフェスタイルのお料理をつまみに、
ビール、ワインにてしばらく生バンドの演奏を聴きながらの歓談タイムを過ごし、
そしていよいよレース結果の発表です。
先ず我がチームがエントリーしたオープン参加部門の結果は、
3位:ロシア艇
2位:ロシア艇
1位:ロシア艇
なんと、ロシア勢が上位独占でした。
さすが海外から参加するだけありますよね。
密かに入賞を期待してたんですけどね、残念;;(笑
その後、レース部門が上位6位までが表彰され式は終了です。
今回初めて参加してみて、
ヨットレースはスタート前とゴール前のせめぎ合いが醍醐味なんだなと感じました。
それにコース取り、
どこをどう通って、風を拾い、潮の流れを避けたりあるいは流れに乗るか、
作戦しだいなのだと。
それと、
ヨットにはレースのためにできたレース艇というのがあり、
我がチームのクルージング艇とはモノが違い、3倍ものスピードが出るのだそうですよ。
だから、そこに挑むために我がチームは賭けに出たようなんですけどね^^;
Sさんも中々の勝負師ですよ(笑
レースが始まると、どんなに無風でもレース中はエンジンを使えません。
陽射しと時刻、気候に因って変わる地の利ならぬ潮の利や風の利を読む、って、
家づくりも同じだよなあって思ってしまいました。
地質や水はけ、地形や近隣の影響に因る風通しや陽射し、視界などを読み、
どんな暮らしをして行きたいかで、コース取りという設計をする。
ヨットのように、
できるだけ力任せな冷暖房機器に頼らなくても良い暮らしを目指し、
それができるようにどの時点でも最善を尽くす。
これもSさんのお陰ですね。
かけがいのない体験と学び、刺激を得ることができたことに感謝!です。
Sさん、ありがとうございました!
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