
私たちが暮らすこの日本、そして岩手県は、
決して“地震とは無縁”の土地ではありません。
東日本大震災をはじめ、幾度となく自然の脅威に直面してきた私たちにとって、
「安心して住み続けられる家」とは何かを考え、地震に強い家づくりを
考えていける1つの糧になれればと思います。
この記事では、耐震等級の正しい理解から実はあった盲点、
最新の免震構造との違いなど、
岩手の気候・地盤特性に合った家づくりの豆知識を、
わかりやすく丁寧にご紹介していきます。
1.なぜ“地震に強い家”が今、注目されているのか?

日本列島は世界でも有数の地震多発地帯として知られており、
気象庁によると年間1,000回以上の有感地震が発生しています。
特に東北地方は過去に何度も大規模な地震に見舞われた歴史を持っており、
1978年 宮城県沖地震をはじめ、2011年の東日本大震災、2022年の福島沖地震など、
私たちの生活は常に活発な地盤プレートによる“揺れ”と隣り合わせです。
このような状況の中で、「地震に強い家」を建てることは、
年々注目を集めており、耐震性を強化するリフォームが増え始め
新築住宅でも大きな地震に耐える家づくりを選択する方々が増えてきています。
今回は、新築における「地震に強い家づくり」について
色々とご紹介していきたいと思います。
2.地震による法律の歴史
まず最初に、日本の建築物における法律の歴史を少し覗いてみましょう。
①明治から現代へ──地震と建築基準の歩み

日本における住宅の耐震性能に関する法制度は、
幾度となく起きた大地震を契機に強化されてきました。
最初の大きな転機は1923年の関東大震災。
これを機に、耐震を意識した建築基準の整備が本格的に始まりました。
その後、1950年に制定された「建築基準法」は、
日本の住宅の安全性を守るための礎となりましたが、
当時の基準は「地震に耐える最低限の設計」に過ぎず、
大規模地震に対しては十分とは言えないものでした。
建築基準法における大きな改正がなされたのが1981年、
いわゆる「新耐震基準」です。
これは1978年の宮城県沖地震を受けた見直しで、
建物が「倒壊しない」ことを明確な目的とした設計基準へと移行しました。
この基準では、震度6強〜7の地震に対しても「倒壊・崩壊しないこと」
が求められ、以降の住宅はより強固な構造で建てられるようになりました。
岩手県でも、この改正を契機に多くの住宅が建て替えられたり、
耐震補強が行われた歴史も持っています。
②2000年の構造計算義務化と住宅性能表示制度
さらに大きな進化を遂げたのが2000年の法改正です。
阪神・淡路大震災(1995年)で多くの住宅が倒壊した事実を重く受け止め、
国は木造住宅に対しても構造計算や接合部の補強を義務づけました。
この改正により登場したのが「住宅性能表示制度」。
耐震性を含めた10項目の住宅性能を第三者が評価し、「等級」という形で
数値化できるようになりました。
これが現在の「耐震等級」の始まりであり、耐震等級3が最も高い基準とされ、
行政や金融機関からも評価される重要な指標となっています。
年代(法改正年) | 主要な地震・背景 | 法律・制度の改正内容 | 耐震構造への影響 |
---|---|---|---|
1923年 | 関東大震災 | 都市計画法や市街地建築物法が整備 | 耐震構造の必要性が社会的に認識され始める |
1950年 | 戦後の復興 | 建築基準法の制定 | 法的に「最低限の耐震性」が規定 |
1981年 | 1978年 宮城県沖地震 | 新耐震基準の導入 | 建物が「倒壊しない」設計基準に進化 |
1995年 | 阪神・淡路大震災 | 建築基準法の再検討が始まる | 木造住宅の安全性に注目が集まる |
2000年 | 上記震災の教訓 | 構造計算・金物の強化、住宅性能表示制度の導入 | 耐震等級制度が誕生 |
2011年 | 東日本大震災 | 免震・制震の技術注目、性能表示制度の活用が進む | 「逃がす」「吸収する」構造が普及 |
③最新の潮流──免震・制震構造の実用化

近年では、従来の「耐える」耐震構造から、「逃がす」免震構造や
「吸収する」制震構造へと技術が進化しています。
特に免震構造は、建物全体を揺れから隔離し、
家具の転倒や内部の被害を大きく軽減する効果があります。
岩手県のように地震リスクの高い地域では、
これら最新技術の導入もますます現実的な選択肢となっています。
当社では、免震基礎工法を導入した実績があり、
家族の安心・安全を見据えた住まいづくりをご提案しています。
3.耐震構造における「耐震等級」とは?
①耐震構造とは?
「耐震構造」とは、建物そのものを強くし、
地震の揺れに“耐える”ことを目的とした建築手法です。
壁や柱、基礎などの構造体をしっかりと設計・施工し、
震度6〜7クラスの大地震でも建物が“倒壊しない”ようにする
日本で最も幅広く採用されている地震対策の1つです。
たとえば、柱と梁の接合部に強い金物を用いたり、
壁の配置バランスを整えたりすることで、
揺れに対する抵抗力を高めていきます。
②耐震等級とは何か?その定義と目的
「耐震等級」とは、住宅の地震に対する強さを数値で示した指標で、
「住宅性能表示制度」の中に定められている項目です。
1~3までの3段階が設けられており、数字が大きいほど耐震性能が高くなります。
耐震等級 | 内容(建築基準法との関係) | 想定される耐震性能の目安 |
---|---|---|
等級1 | 建築基準法に定められた最低限の基準 | 数百年に一度の大地震でも倒壊しない(震度6強) |
等級2 | 等級1の1.25倍の強度 | 学校・病院などの避難所レベル |
等級3 | 等級1の1.5倍の強度 | 消防署・警察署と同等。最高等級で住宅ローン優遇も |
③耐震等級を取得するメリット
・客観的に高い耐震性能が証明される
・地震保険の保険料が割引に
・住宅ローン金利の優遇対象になる場合も
・将来の売却時にも資産価値を保ちやすい
これらの点から、住宅を建てる方の多くが「耐震等級3」を希望し、
地震に強い家づくりを希望する方々が多くなってきています。
④盲点──「耐震等級3=全損しない」ではない
ここで重要な注意点があります。
耐震等級3は“倒壊しにくい”構造であることを示すものであり、
“無傷で済む”ことを保証するものではありません。
実際、大地震では建物内部が損傷を受ける可能性があり、
壁のひび割れや家具の転倒などで生活が困難になることもあります。
さらに、耐震等級3を取得していても、地震による損傷で住宅が
全壊・半壊した場合、地震保険が満額支払われるとは限りません。
地震保険は被害の程度により「全損・半損・一部損」に分類され、
それぞれ支払額が変動します。
耐震等級は割引にはつながっても、“損害時の手厚い補償”には
直結しないという落とし穴があるのです。
⑤真に求められる安心、それは「免震」という選択

耐震構造が「揺れに耐える」のに対し、
免震構造は「揺れを伝えない」というアプローチです。
当社では、岩手県で初採用となる免震基礎工法「FS基礎」を採用し、
地震エネルギーそのものを遮断することで、
建物の揺れや損傷リスクを大幅に軽減しています。
さらに、この免震基礎工法には、最大1億円の地震保証がついているため、
万が一の損害にも経済的な安心をお届けできます。
4.免震構造とは?揺れを“逃がす”家づくり
①耐震と免震の決定的な違いとは?

これまでご紹介してきた「耐震構造」は、柱や壁、基礎を強くして、
建物自体が地震の揺れに“耐える”ことを目的とした構造です。
一方、「免震構造」とは、地震の揺れそのものを建物に“伝えにくくする”構造です。
言い換えれば、「耐える」ではなく「逃がす」。
この違いこそが、免震構造の大きな特長であり、
震度6〜7クラスの大地震においても
家具の転倒や壁のひび割れなど、生活の質を脅かす
“揺れのストレス”を根本から軽減します。
②岩手県での免震住宅の実用性

2025年:免震基礎採用K様邸
「免震構造は大きなビルや高層建築にしか使えないのでは?」
というご質問をよくいただきます。
しかし実際は、一般住宅でも十分に導入可能です。
特に岩手県では、内陸型の直下型地震のリスクが高く、
揺れの周期が速くて強いため、免震構造との相性が良いとされています。
免震装置は一度設置すればメンテナンスも比較的少なく、
ランニングコストの面でも現実的な選択肢です。
③岩手県初採用の免震基礎工法「FS基礎」とは?

当社では、一般住宅向けに最適化された免震基礎工法「FS基礎」を採用しています。
この工法は、特許取得した技術性の高い工法により、
限られた敷地条件や木造住宅にも導入しやすい設計でありながら、
強い地震エネルギーにも耐えうる高い安定性能を実現しています。

また、「耐震等級」との大きな違いは被災時の補償制度の手厚さにあります。
万が一、地震によって住宅に損傷が生じた場合には、最大1億円の保証が受けられる
「免震基礎保証」が備わっており、経済的な安心もご提供いたします。
さらに、白アリ対策にも配慮された構造となっているため、
構造的な強さだけでなく、衛生面でも安心して暮らせる住まいを実現いたします。
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5.まとめ:自然に備える家づくり
住宅が果たすべき本当の役割とは、単に“倒壊しない”ことだけではありません。
・揺れを感じにくくすること
・被災後も普段通りの生活ができること
・再建や修繕に頼らず、家族の暮らしを守り続けられること
その全てを叶えるために、大共ホームでは
2×4工法+FS基礎による免震構造という、
強固な骨格と最先端の免震技術を組み合わせた
地震に強い家づくりをご提案しています。

大共ホーム常設展示場
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2×4工法は、従来も在来工法よりも地震の揺れに対して
より均等に力を分散できるため、
そもそもの構造体強度が高いという大きな利点があります。
これにより、耐震性はもちろん、免震構造との相性も非常に優れており、
万全の地震対策が可能になります。
「長く安心して住み続ける家」を求める皆さまへ──
私たちは、“倒れない”を超えた、“揺れない”という新しい安心を、
岩手の地で提供し続けてまいります。