
冬には氷点下10℃を下回る日も珍しくない岩手県。
春の訪れをようやく感じたと思えば、今度は真夏の蒸し暑さに悩まされる――。
このような寒暖差の激しい地域だからこそ、
住まいには「住宅性能の高さ」が強く求められます。
かつての家づくりでは、「断熱性」や「気密性」といった要素は、
あくまで快適性を高める“プラスα”の存在に過ぎませんでした。
しかし近年では、性能が「快適な暮らし」や「健康」「家計の安心」
を大きく左右する“住宅の基本性能”として注目されています。
本ブログでは、住宅の「断熱性」と「気密性」に焦点を当てながら、
「高気密・高断熱住宅」が岩手の暮らしにどうフィットするのかを
丁寧に解説していきます。
ご家族の健康と快適な未来のために、
性能で選ぶ住まいづくりをぜひ一緒に学んでいきましょう。
1. はじめに|住宅性能が暮らしの快適性を左右する時代
①なぜ今「高気密・高断熱住宅」が選ばれるのか?

2024年自社施工:H様邸
気候変動による異常気象やエネルギー価格の高騰が、
私たちの暮らしに与える影響は年々大きくなっています。
そうした中で、「どんな家に住むか」は、単なるライフスタイルの問題ではなく、
将来の安心と健康を守る大切な判断基準へと変わりつつあります。
特に岩手県のように、寒冷な冬と湿気を含む夏という厳しい気候条件のある地域では、
住まいの性能によって生活の質が大きく左右されます。
そこで注目されているのが、「高気密・高断熱住宅」です。
これは、外気温の影響を極力受けず、
室内の温度環境を一定に保つことができる住宅仕様を意味します。
実際に高性能住宅に住んでいるご家庭からは、
「冬でも薄着で過ごせる」「朝起きたときに室温が安定していて快適」
といった声が多く聞かれます。
暖房や冷房に頼りすぎずに快適な空間を保てるという点が、
今の時代に合った住宅のあり方として評価されているのです。
②省エネ・健康・快適性の観点からの重要性

2024年自社施工:I様邸
高気密・高断熱住宅は、単に「冬あたたかい家」「夏すずしい家」
というだけにとどまりません。
その性能がもたらす暮らしには、省エネ性・健康への配慮・住み心地の良さという、
暮らしを根本から支える3つの視点に結びついています。

2021年自社施工:T様邸
・省エネ性
断熱性が高ければ室内の熱を外へ逃がさず、
気密性が高ければ隙間風による熱の損失を防ぐことができます。
これにより、冷暖房効率が大きく向上し、光熱費の削減につながります。
岩手のように暖房期間が長い地域では、この効果は特に顕著です。
特に大共ホームでは熱の逃げ道となる「窓」に重点を置き、
ドイツから輸入したサッシとトリプルガラスを組み合わせた
自社製の「ドイツ製」を採用。
見落としがちな窓の性能にこだわることで、
他では実現できない、大きな窓のある高性能住宅を
実現させることができます。
ドイツ製窓について詳しく知りたい → ★

2024年自社施工:T様邸
・健康への配慮
室温が一定に保たれることで、ヒートショックのリスクが軽減され、
高齢者や小さなお子さまにとっても安心できる住まいになります。
また、気密性が高いことで湿気や花粉・カビなどの侵入も抑えられ、
空気環境の健やかさも保たれやすくなります。
大共ホームでは、床に無垢材と壁にスペイン漆喰を採用し
自然素材100%でヒトに優しいお家をご提案しています。
調湿・殺菌・消臭効果のある優しい素材で、
毎日の空気を綺麗に保ち、住まい人の健康面にこだわる
家づくりを提供しています。
自然素材について詳しく知りたい → ★

2024年自社施工:O様邸
・住み心地の良さ
部屋ごとの温度差が少ないことで、どこにいても心地よい空間が広がり、
毎日の生活そのものがストレスフリーになります。
このように、「断熱性」と「気密性」の両立は、単なる快適さを超えて、
住まう人の暮らしをより豊かに整える基盤となっているのです。
2. 「高気密・高断熱住宅」とは?
①高気密・高断熱住宅の定義と、一般的な住宅との違い

2024年自社施工:T様邸
「高気密・高断熱住宅」とは、外気温の影響を最小限に抑え、
室内の快適な温度を保つ住宅のことを指します。
これは、単に壁に断熱材を入れるだけの住まいとは異なり、
断熱性と気密性の両方が高い水準で確保されている住宅を意味します。
冬の寒さが厳しい岩手県においては、高断熱・高気密であることが
「快適な暮らし」の前提条件となりつつあります。
そこで「一般的な住宅」と「高気密・高断熱住宅」の主な違い見てみましょう。
項目 | 一般的な住宅 | 高気密・高断熱住宅 |
---|---|---|
断熱材の厚み・性能 | 地域基準程度または最低限 | 地域区分に応じた高性能断熱材を使用 |
気密性(C値) | 測定されない/基準不明 | 数値で管理され、1.0以下が目安 |
冷暖房の効き | 部屋ごとにムラがある | 家全体が均一な温度になりやすい |
光熱費 | 季節によって高額になることも | 年間を通して抑えやすい |
健康面・結露 | 結露・カビが発生しやすい | 結露を抑え、空気環境も良好 |
②断熱性と気密性がもたらす効果とは?

2024年自社施工:Y様邸
「断熱性」とは、室内でつくり出した暖かさや涼しさを、
外に逃がさない性能のことです。
一方で「気密性」とは、建物のすき間を極限まで少なくし、
外気や風の侵入、室内空気の漏れを防ぐ力を指します。
この2つは、相互に補完しあう関係にあり、
どちらが欠けても本来の性能は発揮されません。
たとえば、いかに優れた断熱材を使用していても、
気密性が甘ければ、その断熱効果は大きく損なわれてしまいます。
これらを高い水準で両立させることにより、
以下のような、快適な暮らしを実現させることができます。
・年間を通じて冷暖房費を抑えられる経済性
・空間全体が穏やかな温度で包まれる快適性
・結露やカビの抑制による健康的な暮らし
・遮音性の高さによる静かで落ち着いた室内環境
特に岩手のような寒冷地においては、「断熱性」と「気密性」は
単なる性能の一部ではなく、暮らしの質そのものを大きく左右する
大きな基盤といえるでしょう。
3. 断熱性とは?|冬あたたかく、夏すずしい家をつくる
①家の断熱性が暮らしの質を決める

2024年自社施工:T様邸
「断熱性」とは、文字どおり“熱を断つ性能”のこと。
住宅においては、屋外の寒さや暑さを室内に伝えにくくし、
室内の快適な温度を逃がさない性能を意味します。
断熱性の高い家は、冷暖房に頼りすぎずとも、
一年を通して穏やかな室内環境を保つことができます。
とくに岩手のような**冬の寒さが厳しい地域では、
断熱性の確保はもはや「選択」ではなく「前提条件」といっても過言ではありません。
断熱が十分でない家では、暖房を強めても足元が冷えたり、
部屋ごとに温度差が生じてしまいがちです。
また断熱性が低いと、壁や窓などの冷たい部分に結露が発生しやすくなり、
カビやダニの原因にもなります。
健康的に、そして省エネで快適な住まいを実現するためには、
住宅全体でバランス良く断熱性能を高めることが何より重要です。
② 断熱等性能等級とは?──住宅性能の「ものさし」
「断熱等性能等級」は、住宅の断熱性能を評価する国の指標です。
等級が高いほど、断熱性能が優れていることを示します。
2022年の制度改正により、従来の等級4に加え、
新たに等級5・6・7が追加されました。
岩手県のような寒冷地では、等級6以上の高断熱性能が推奨されます。
等級 | 概要 | 対象エリア |
---|---|---|
等級4 | 従来の最低基準(省エネ基準相当) | 全国共通 |
等級5 | ZEH水準を目指した基準 | 全国(特に温暖地~中間地) |
等級6 | 寒冷地にも対応する高断熱基準 | 東北~北海道など寒冷地 |
等級7 | 日本最高水準。パッシブハウスレベルの性能も可能 | 寒冷地における最上位性能 |
③大共ホームの断熱への取り組み

岩手県を拠点とする大共ホームは、寒冷地に適した
高断熱住宅の提供に力を入れています。
同社では、外張り断熱工法を採用し、壁の中の結露を防止することで、
住宅の寿命を延ばすとともに、室内の温度を均一に保つことを実現しています。
また、大共ホームでは、以下のような断熱性能を備えた
暮らしに合わせたシリーズを展開しています:
・PX-Ⅲシリーズ:UA値0.20
・無暖房の家シリーズ:UA値0.15
これらの住宅は、断熱等性能等級6・7に対応し、
岩手県の厳しい気候条件下でも快適な住環境を提供しています。
もっと詳しくシリーズを見てみる → ★
4.気密性とは?|空気の出入りをコントロールする力
①気密性と断熱性の関係性──“熱”と“空気”はセットで考える

2024年自社施工:S様邸
住宅の快適性を左右する重要な要素として、「気密性」があります。
これは、建物の隙間の少なさ=空気の漏れにくさを示す性能で、
目に見えないけれど確かに暮らしに影響を及ぼす、
大切な住宅性能のひとつです。
気密性と断熱性は、互いに支え合う関係にあります。
せっかく高性能な断熱材を使っていても、家に隙間が多く
外気が自由に出入りしてしまえば、冷暖房効率が低下し
快適性も損なわれてしまいます。
とくに岩手のような寒冷地では、
外気の冷たさが室内に侵入しやすく、
気密性の確保は暖かさの持続に直結します。
断熱性と同様に、気密性もバランス良く備えることが、
高性能な住まいづくりの鍵となります。
②C値(相当隙間面積)とは?──気密性の「見える化」
気密性能を数値化した指標として広く使われているのが、
「C値(相当隙間面積)」です。
これは、住宅全体の隙間面積を、延べ床面積1㎡あたりで
割った数値で、単位は cm²/m² で表されます。
たとえば、C値=1.0とは、家全体に1㎡あたり
1㎠の隙間があることを意味します。
つまり、この値が小さいほど気密性が高い
ということになります。
C値の目安 | 評価 |
---|---|
5.0 以上 | 一般的な旧来住宅(隙間が多い) |
2.0 前後 | 次世代省エネ基準レベル |
1.0 以下 | 高気密住宅の基準 |
0.5 以下 | かなり高性能な住宅 |
0.3 以下 | 高性能注文住宅やパッシブハウスレベル |
高気密住宅をうたう場合、C値0.5以下がひとつの目安とされています。
岩手の寒冷な気候においては、C値0.4以下の水準を実現することで、
暖房効率の高い快適な室内環境が維持しやすくなります。
なお、気密性能は現場での施工精度によって大きく左右されるため、
数値化・実測されているかを確認することも大切です。
③気密性が低いと何が起こる?──実際にある3つのトラブル

気密性の低い家では、以下のような
暮らしに直結する問題が生じやすくなります。
1. 結露の発生
室内の湿った空気が壁や天井裏に入り込み、
外気で冷やされることで結露が発生しやすくなります。
これが原因で、カビ・ダニの繁殖や構造材の腐食を引き起こすこともあります。
2. 冷暖房効率の悪化
外気が侵入することで、室温が安定せずエネルギーの無駄が増加。
夏は冷房が効きにくく、冬は足元が冷えやすくなるなど、
季節を問わず不快感が生まれます。
3. 音・臭いの侵入
外部の音や周辺環境の臭いが、
隙間から室内に入り込みやすくなることで、
居住性やプライバシーの質が低下します。
④岩手の気候と気密性──より快適な暮らしのために

2024年自社施工:H様邸
岩手県は、冬は氷点下の日が多く、
夏は湿度の高い日もある寒暖差の大きな地域です。
このような環境では、断熱性と同時に高い気密性が求められます。
とくに「断熱等性能等級6・7」を目指すような高性能住宅では、
C値0.3以下の高気密施工が前提になるケースも多く、
気密測定の実施や実績を確認することが、
後悔しない家づくりの第一歩となります。
大共ホームではすべてのお家に対し
複数回の気密測定を行い、C値平均0.1~0.4の
高気密住宅を提供しています。
5.まとめ|快適な暮らしを叶えるために、住宅性能に目を向けて

家づくりにおいて、「断熱性」と「気密性」は、
決して後回しにしてよい要素ではありません。
むしろ、それらは住宅の「性能の土台」となるものであり、
光熱費の節約や健康的な暮らし、そして一年を通して
快適な室温環境を支える根幹となります。
特に、岩手県のように冬の寒さが厳しく、
夏も湿度が高くなる地域では、
外気の影響を受けにくい高性能な住まいが、
暮らしの質を大きく左右します。
断熱等性能等級6・7に対応した住宅は、
これからのスタンダードとなる高水準の住宅です。
その性能をしっかりと発揮するには、
「どこで、誰と家を建てるか」がとても重要です。
大共ホームで心地よい暮らしのかたちを。

2024年自社施工:S様邸
大共ホームは、岩手という寒冷地に根ざし、
高断熱・高気密住宅を専門に手がけてきた実績ある工務店です。
外張り断熱をはじめ、C値0.4以下を実現する高い施工技術や、
断熱等級6・7に対応した住まいなど、
岩手の環境に本当に適した住まいを追求し続けています。
「冬、エアコン1台で家中があたたかい」
「夏、自然素材で湿度が気にならない」
そんな“本当に心地よい家”を叶えるために、
断熱性と気密性を備えた住まいを一緒に考えてみませんか?
これから家づくりを始める方には、ぜひ「性能」にも目を向け、
将来の暮らしを見据えた選択をしていただきたいと思います。
岩手の家づくりなら、大共ホームにお任せください。
性能・素材・デザインを掛け合わせた、心地の良い住空間を一緒に
考えて理想をカタチにしましょう。