岩手県の県庁所在地である盛岡市は、新幹線や主要な路線が乗り入れている岩手県の中心的な地域です。
これから岩手県への移住を考えている方はもちろん、岩手県内の方も、交通の利便性などを考え、マイホームは盛岡市周辺に建てたいと考える方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、盛岡市で土地を購入して注文住宅を建てることを検討している方に向けて、土地選びや家づくりのポイントを解説します。
人気エリア・穴場エリアについても、土地価格とあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1、土地選びのポイント
まずは盛岡市で土地を探すときのポイントを、次の5つの観点から解説します。
- 地価とのバランス
- 生活利便性
- 通勤・通学
- 将来性
- 居住環境
それぞれ詳しく見てみましょう。
(1) 地価とのバランス
盛岡市で土地を探すときには、駅近の利便性が高い土地を希望する方が多くなります。
駅前は商業施設が発達しており、なにより通勤・通学に便利です。
とくに冬の積雪量が多い盛岡市では、できるだけ駅の近くがよいと考えるのも無理はありません。
しかし大きな駅近くの利便性が高い土地は、地価が高額になりがちです。
家を建てるときには、土地+建築費で考える必要があり、土地にコストをかけすぎると家の質を落とさざるを得なくなります。
その場合、適度に利便性が高い穴場エリアにある駅で、便利に豊かに暮らすことを検討してみるのもおすすめです。
(2) 生活利便性
盛岡市で暮らしていくうえでは、生活の利便性は重要です。
冬季の外出を考えると、生活必需品を購入できる施設や店舗が近隣にあるかどうかは、暮らしやすさに大きく影響を与えます。
また子育て世帯であれば、病院や公園などへのアクセスのよさもチェックしましょう。
子育てを終えた世帯なら、これから高齢になることを考え、病院はもちろん、どのような介護・福祉施設が近隣にあるかを調べておくとよいでしょう。
(3) 通勤・通学
土地を検討するときには、通勤・通学の利便性も考慮しましょう。
その際、勤務先や通学先との駅間の距離だけで考えないことが重要です。
通勤や通学を考えるときには、できるだけ職場や学校に近い駅がいいと考えがちです。
しかし多くの人が利用するような駅周辺の土地は得てして人気が高く、地価が高い傾向があります。
その結果、駅から15分歩く距離でないと希望の広さの土地が買えないことも。
それでは冬季はもちろん、夏の暑い時季も快適な通勤・通学はかないません。
それよりは、想定している駅からあと10分離れた駅で、駅まで徒歩5分の土地を探したほうが、アクセスがよい場合もあります。
また通学は一時期のことであり、ずっと続くわけではありません。
通勤にしても、今後転勤する可能性はないのかなど、土地選びに際しては将来のライフプランもあわせて検討することが大切です。
(4) 将来性
土地購入を検討しているエリアが、将来どのように開発されていくのか、将来性を考慮することも土地選びでは重要です。
今後市街化が想定されている市街化区域では、住宅や学校などは建てられるけれどもホテルやカラオケボックスは建てられないなど、用途によって13の地域に分けられています。
どの地域にある土地なのかによって今後どういった開発がされる可能性があるのかを把握できるので、必ず不動産会社に確認し、内容を教えてもらいましょう。
またそのエリアで人口が増加しているのか減少しているのかも、将来どのように発展していくのかを予測するうえで参考になるでしょう。
(5) 居住環境
土地の候補が見つかったときには、居住性を確認するため、周辺環境もチェックしましょう。
具体的には日当たりのよさや、騒音や臭いを発する施設が近くにないかなどを確認します。
もし隣地が空き地になっている場合、現時点で日当たりがよくても、あとから高層住宅が建つことで日が当たらなくなる可能性があるため、どのような開発が予定されているのか確認が必要です。
子育て世帯なら、学校までの距離や通学路の安全性もチェックしておくとよいでしょう。
コラム:住宅用地と特例措置
住宅用地については、固定資産税・都市計画税を軽減する特例が設けられています。
軽減される割合は、土地の面積によって分けられた「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」によって異なります。
<小規模住宅用地>
小規模住宅用地は住宅1戸につき200㎡までの部分を指し、軽減される割合は以下の通りです。
- 固定資産税課税標準額=価格×6分の1
- 都市計画税課税標準額=価格×3分の1
<一般住宅用地>
一般住宅用地は、住宅1戸につき200㎡を越える部分をいいます。
- 固定資産税課税標準額=価格×3分の1
- 都市計画税課税標準額=価格×3分の2
例えば敷地面積が300㎡の場合、200㎡までが小規模住宅用地、残る100㎡が一般住宅用地になります。
なお、特例が適用される土地面積は、家屋の床面積の10倍までです。
家屋の床面積が120㎡の場合、特例が適用される土地面積は1,200㎡までとなり、それより広い土地であっても税の軽減は適用されません。
2、盛岡市の人気エリアと特徴
ここからは、盛岡市の人気エリアと特徴をご紹介します。
(1)盛岡駅周辺
盛岡駅は、3つの在来線、2つの新幹線、1つの私鉄、合わせて6つの路線が乗り入れる北東北の交通の要となる駅です。
通勤や通学に便利なため、ファミリー層や若年層に人気があります。
駅ビルにはレストランやカフェのほか、ファッション雑貨店や100円ショップ、ドラッグストア、食料品店なども入っているのでお買い物にも便利です。
駅の近くには雫石川が流れ、豊かな自然も広がっています。
(2)青山
青山は盛岡駅の北西に位置し、盛岡駅から一駅とアクセスも良好です。
比較的新しい住宅が多く、落ち着いた住環境を求める家族に人気です。
青山駅前には岩手県営体育館があり、ほかエリア内には病院や警察学校、家電量販店などもあります。
自然に囲まれ、住みやすい環境が整ったエリアです。
(3)緑が丘
緑が丘は、盛岡駅の北に位置する豊かな緑に囲まれた住宅地です。
最寄り駅の厨川駅からは車で10分程度、盛岡駅からは20分程度で、閑静な住環境が広がっているのが魅力です。
エリアの中心には老舗の百貨店アネックスカワトクがあり、生活の利便性は高めです。
公園や学校が近く、子育てに適した環境が整っています。
(4)本宮
本宮は、盛岡駅から南方へ車で約5分の位置にある、自然豊かで静かな住環境が魅力的なエリアです。
エリア内には広大な敷地の中央公園があり、四季折々の景色を楽しめます。
本宮地区には新たに公共施設が建設されており、生活の便利さが向上しています。
また、イオンモール盛岡南があるので、日々の買い物にも困りません。
比較的地価が安定しており、新しい住宅地としての開発が進んでいるため、将来性に富んでいます。
自然に囲まれた環境で、より大きな家や庭を持ちたい方にはおすすめのエリアです。
3、盛岡市の穴場エリアと特徴
続いて、盛岡市の穴場エリアと特徴をご紹介します。
(1)津志田
津志田は、津志田、津志田中央、津志田南、津志田西、津志田町を含む、盛岡駅から見て南に位置するエリアです。
近年開発が進んでおり、新しい住宅地が形成されつつありますが、土地価格はまだまだ手頃です。
津志田西には盛岡南ショッピングセンターサンサがあり、お買い物に困ることはありません。
新しい施設が次々と建設されており、将来性が期待されるエリアです。
(2)上堂
盛岡駅からわずか一駅、青山駅の東側に広がる、市の中心部からアクセスがよいエリアです。
価格が手頃で静かな住環境を求める人におすすめです。
エリア内にはドン・キホーテやニトリ、ホームセンターなどもあり、開発が進んでいます。
国道4号がエリアを縦断しており、車で移動するなら便利なエリアです。
(3)向中野
向中野は、盛岡駅から一駅の仙北町駅の南西にある、比較的低い地価を持つエリアです。
盛岡市中心部からやや離れていますが、地域内には基本的な商業施設が整っています。
大きなショッピングセンターへのアクセスも比較的便利で、静かで住みやすい環境が特徴です。
向中野は家族向けの住宅地としての需要が徐々に高まっていますが、市内のほかの人気エリアに比べて手頃な価格で土地を購入できます。
地価の上昇傾向は穏やかで、住宅建設に適した地域としてのポテンシャルを持っています。
4、盛岡市のエリア別土地価格相場
盛岡市のエリア別土地価格の相場などを紹介します。
(1)盛岡市の地価と土地価格の傾向
盛岡市の地価は、ほとんどのエリアで上昇傾向です。
実際、盛岡市の宅地の平均地価は、2023年から2024年の1年間で2.73%上昇しています。
(2)盛岡市の地区別の人口の動向
盛岡市の人気エリア・穴場エリアの地区別に人口の動向を紹介します。
盛岡駅周辺はもちろん、本宮エリア、向中野エリアの人口が増えていることがわかります。
<人気エリア>
- 盛岡駅周辺
地区名 | 2006年~2020年の増減率 |
盛岡駅前通 | 134.4% |
盛岡駅西通 | 125.9% |
- 青山エリア
地区名 | 2006年~2020年の増減率 |
青山 | 90.8% |
- 本宮エリア
地区名 | 2006年~2020年の増減率 |
本宮 | 147.9% |
<穴場エリア>
- 津志田エリア
地区名 | 2006年~2020年の増減率 |
津志田西 | 140.4% |
津志田中央 | 110.7% |
津志田南 | 104.5% |
- 上堂エリア
地区名 | 2006年~2020年の増減率 |
上堂 | 98.3% |
- 向中野エリア
地区名 | 2006年~2020年の増減率 |
向中野 | 163.2% |
(3)盛岡市のエリア別地価相場比較
盛岡市の人気エリア・穴場エリアの地価相場を紹介します。
<人気エリア>
- 盛岡駅周辺
住所 | 最寄り駅 | 地価相場 |
盛岡駅前通8 | 盛岡駅 | 92万8925 円/坪 |
盛岡駅前通13 | 盛岡駅 | 52万2314 円/坪 |
盛岡駅西通2 | 盛岡駅 | 41万9834 円/坪 |
盛岡駅西通2 | 盛岡駅 | 31万7355 円/坪 |
※盛岡駅周辺エリアの平均地価・・・38万8854円/坪
- 青山エリア
住所 | 最寄り駅 | 地価相場 |
青山3 | 青山駅 | 19万8347 円/坪 |
青山3 | 青山駅 | 19万5371 円/坪 |
- 緑が丘エリア
住所 | 最寄り駅 | 地価相場 |
緑が丘3 | 盛岡駅 | 22万6115 円/坪 |
緑が丘4 | 盛岡駅 | 18万4793 円/坪 |
緑が丘1 | 盛岡駅 | 17万7851 円/坪 |
- 本宮エリア
住所 | 最寄り駅 | 地価相場 |
本宮6 | 仙北町駅 | 34万0495 円/坪 |
本宮3 | 仙北町駅 | 32万2314 円/坪 |
本宮5 | 盛岡駅 | 31万6694 円/坪 |
<穴場エリア>
- 津志田エリア
住所 | 最寄り駅 | 地価相場 |
津志田西1 | 岩手飯岡駅 | 22万9421 円/坪 |
津志田中央3 | 岩手飯岡駅 | 22万7438 円/坪 |
津志田南2 | 岩手飯岡駅 | 21万4545 円/坪 |
- 上堂エリア
住所 | 最寄り駅 | 地価相場 |
上堂4 | 青山駅 | 13万7851 円/坪 |
- 向中野エリア
住所 | 最寄り駅 | 地価相場 |
向中野3 | 仙北町駅 | 35万3719 円/坪 |
向中野5 | 仙北町駅 | 30万6115 円/坪 |
向中野4 | 仙北町駅 | 13万6528 円/坪 |
5、盛岡市で注文住宅を建てる場合のポイント
ここからは、盛岡市で注文住宅を建てるときのポイントを紹介します。
(1)冬の寒さ対策と断熱性能
盛岡市は、年間の平均気温が10.6度。最も寒い1月には、-1.6度に下がります。
そのため注文住宅を建てるときには、断熱性能・気密性能を高めることが非常に重要です。
具体的には基礎断熱をしたうえで、断熱材を室内側に張る「内張り断熱」だけではなく、外壁側にも張る「外張り断熱」もあわせて採用すると、真冬でも過剰な暖房をすることなく室温を快適に保ちやすくなります。
また室内の熱が窓から外に逃げないよう、ガラスは樹脂サッシ+トリプルガラスを採用すると、さらに断熱性能が高まります。
(2)共働き世帯が多い・家事動線
共働き世帯が多い盛岡市で注文住宅を建てるときには、家事動線をよくすることも、暮らしやすさに欠かせません。
例えば、家族共用のWIC(ウォークインクローゼット)を浴室や脱衣洗面所など水まわりの近くに設けると、脱衣・洗濯・収納など一連の動線がよくなります。
また玄関からキッチンとリビングの両方にアクセスできるようにしておくと、玄関から買い物の荷物を直接キッチンに運び、リビングを通って再度玄関へ回遊できる動線になり便利です。
どのような動線が快適かは、家族構成やそれぞれの行動パターンによって異なります。
家事動線への知見が高く、適切なアドバイスができる会社に相談することが重要です。
(3)ウィンターガーデンで庭を楽しむ
盛岡市では、ウィンターガーデンのある家にすると、長く厳しい冬を楽しめます。
ウィンターガーデンとは、いわゆるサンルームを指し、洗濯物を干すといった実用的な使い方はもちろん、ガーデニングやティータイムを楽しむのにも使えるフレキシブルなスペースです。
ウィンターガーデンは、冬に日差しをとりこみ空気を暖め蓄熱し、夜にはリビングとの間を開け放して暖かい空気を放出する、暖房の役割も果たします。
6、盛岡市の土地を活かした家づくりの事例
事例① ~青い窓が映える理想の平屋~ 盛岡市三本柳
青い窓と屋根のかかったテラスが目を惹く外観。
屋根のかかったテラスは夏の日差しを適度に遮り、
日差しによる室温の上昇を防ぐ効果も。
高性能ドイツ製窓と共に快適な暮らしを届けてくれます。
間取りは家族の時間とプライベートな時間、
どちらも大切に考え両立し、一人一人に自分だけの個室を設けました。
事例② ~愛犬と快適に過ごす家~ 盛岡市東緑ヶ丘
大きな吹き抜けのあるリビング。
窓からたっぷりと光が降り注ぐ明るく開放的な空間です。
家族はもちろん、愛犬の快適な生活にも配慮し
階段下スペースの一部をアーチ型に開口し
ワンちゃんの部屋を設えました。
間取りはキッチンをぐるりと廻れる回遊型。
明るいオープンキッチンは、2列型のコンパクトな動線で
料理も片付けも二人で立って快適に作業することができます。
事例③ ~陽差しを採り込む、通し窓の家~ 盛岡市北松園
朝のばたばたを避けられる効率的な動線。
朝の忙しい時間に、2階の水廻りスペースから直接身支度が完了できるため、
階段を上り下りする必要がありません。
身支度が楽々できる設計となっています。
リビング土間に設けられた吹き抜けが、
2階の暖かい空気をリビングに循環させています。
そして、明るい陽射しが射し込み、
洗濯物も良く乾きます。
テレビボードやキッチンの背面には、
お施主様のこだわりのデザインが施されています。
また、お子様の手形が添えられており、
家族の絆が感じられます。
お子様が大きくなっていく様子を、目の前で感じられる素敵なお家です。
7、まとめ
盛岡市での土地選びでは、地価に対しての生活や交通の利便性とのバランス、生活環境、通勤・通学の利便性、エリアの将来性などを考慮することが重要です。
また家づくりにおいては、断熱性能と積雪対策やウィンターガーデンの活用など、厳しい冬でも楽しく快適に暮らせるアイデアが欠かせません。
大共ホームでは、1988年以来、断熱にこだわった家づくりをしています。
岩手県の冬を熟知していますので、ご希望により添った快適な家のご提案が可能です。モデルハウスもございますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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