2024年は子育てエコホーム支援事業として子育て世代・若者夫婦世帯に向けて取り組まれていた事業が2025年は子育てグリーン支援事業として新たに始まりました。
補助金の金額や対象条件などが昨年と変更になった部分があるので簡単にですがご紹介していきます。
1.子育てグリーン住宅支援事業とは

子育てグリーン住宅支援事業は、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、新築住宅についてエネルギー価格などの物価高騰の影響を特に受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、「ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅」の導入や、2030年までの「新築住宅のZEH基準の水準の省エネルギー性能確保」の義務化に向けた視野の広い支援を行うとともに、既存住宅について、省エネ改修等への支援を行う事業です。
この事業は、国土交通省と環境省が主導し、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を大きく上回る省エネ住宅の普及を促進することを目的としています。
2.事業の概要
子育てグリーン住宅支援事業は、新築住宅の取得や既存住宅の省エネ改修に対して補助金を交付する制度です。具体的には、以下のような支援が行われます。
・新築住宅の支援
ZEH水準を超える省エネ性能を持つ住宅の取得に対して補助金が交付。
・リフォーム支援
既存住宅の省エネ改修(断熱改修、エコ住宅設備の設置など)に対して補助金が交付。
・子育て対応改修
子育て世帯向けのバリアフリー改修や防災性向上改修などが補助対象。
補助金の対象
補助金の対象となる住宅や改修内容には、以下の要件があります。
- 新築住宅
・長期優良住宅やZEH水準の省エネ性能を持つ住宅
・GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅
- リフォーム
・開口部の断熱改修
・躯体の断熱改修
・エコ住宅設備の設置(高効率給湯器、節水型トイレなど)
・子育て対応改修(バリアフリー化、防災性向上など)
補助金の対象条件は2024年の子育てエコホーム支援事業と同じく新築とリフォームがありますが、金額や補助金対象者、補助対象となる住宅の条件が変わります。
今回は注文住宅の条件をメインに書いていきます。
3.対象要件と詳細

世帯を問わず、グリーン住宅支援事業者と契約し、GX志向型住宅を新築する場合や、子育て世帯または若者夫婦世帯が、グリーン住宅支援事業者と契約し、長期優良住宅・ZEH水準住宅を新築する場合、補助対象となります。
対象者
以下の①②を満たす方が対象です。
- 【GX志向型住宅】:すべての世帯
- 【長期優良住宅】・【ZEH水準住宅】:子育て世帯または若者夫婦のいずれか
2024年子育てエコ住宅支援事業と異なる部分はここですね。
前回は子育て世帯または若者夫婦が対象でしたが、今回GX志向型住宅はすべての世帯が対象です。
太陽光や断熱等級など今までより高い性能が必要になりますが、対象となる世帯が広がったことで、住宅の建築を前向きに考える方もいるのではないのでしょうか。
なお、子育て世帯、若者夫婦世帯は以下になります。
子育て世帯:申請時点において、子を有する世帯。
※子とは、令和6年4月1日時点で18歳未満(すなわち、平成18(2006)年4月2日以降出生)とする。ただし、令和7年3月末までに建築着工する場合においては、令和5年4月1日時点で18歳未満(すなわち、平成17(2005)年4月2日以降出生)の子とする。
若者夫婦世帯:申請時点において夫婦であり、いずれかが若者である世帯。
※若者とは、令和6年4月1日時点で39歳以下(すなわち、昭和59(1984)年4月2日以降出生)とする。ただし、令和7年3月末までに建築着工する場合においては、令和5年4月1日時点でいずれかが39歳以下(すなわち、昭和58(1983)年4月2日以降出生)とする。
また、事実婚等により住民票で婚姻関係が確認できない場合については、住民票や追加書類においてその事実が確認できる場合は対象になることがあります。住民票で確認できる場合や自治体が証明するパートナーシップ証明書などがありますので、該当しそうな方は確認してみてください。
対象住宅
子育てグリーン住宅支援事業の補助対象となる住宅は、床面積が50㎡以上240㎡以下の住宅であり、省エネ性能に応じて補助額が異なります。なお、一部の地域に立地する住宅は補助対象にならないので注意です。
性能値は、住宅の種類によって異なります。補助対象となる新築住宅の省エネ性能は以下のような基準が設けられています。
【GX志向型住宅】(ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ性能は有する脱炭素志向型の住宅)
受託の立地に応じた①~④のすべてに対応する住宅
- 断熱等性能等級:等級6以上
- 再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量削減率:35%以上
- 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量削減率:
- 一般地域:100%以上
- 寒冷地・低日射地域:75%以上
- 多雪地域・都市部狭小地等:要件なし
- 高度エネルギーマネジメントの導入:「ECHONET Lite AIF仕様」に対応するコントローラを設置
【長期優良住宅】
住宅のたてかったに応じた①②にいずれにも該当する住宅
- 断熱等性能等級:等級5以上
- 一次エネルギー消費量等級:等級6以上
【ZEH水準住宅】
住宅の建て方に応じた①②のいずれにも該当する住宅
- 断熱等性能等級:等級5以上
- 再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量削減率:20%以上
これらの基準を満たすことで、補助金の対象となる住宅として認定されます。
注意点
新築住宅の立地等の除外要件があります。
以下の①~③のいずれかに該当する新築住宅は、補助対象になりません。
- 「土砂災害特別警戒区域※2」に立地する住宅
- 「災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域または地すべり防止区域と重複する区域に限る)※3」に立地する住宅
- 「市街化調整区域」であって「『土砂災害警戒区域※4』もしくは『浸水想定区域※5』」に立地する住宅
- 都市再生特別措置法(平成14年法律第22号)第88条第5項の規定※6により、当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨が公表された住宅
ただし、こういった条件に当てはまる場所はすべて対象外となるわけではありません。
建築する敷地と住宅の一部が①~④のいずれかがの区域に入ってしまうと対象外ですが、敷地の一部が区域内でも住宅部分が区域外であれば補助対象になる可能性はあります。
また、①~③に該当する場合であっても、建替えに該当する新築住宅は、補助対象に入ります。
新築だと厳しいですが、すでに建物がありそこを建て替えする場合は、追加書類が必要ですが補助対象になるので、気になる方は相談してみてください。
4.補助金額

1戸あたりの補助額
- GX志向型住宅 160万円/戸 (古家の除却が伴う場合の補助額の加算額 無し)
- 長期優良住宅 80万円/戸 (古家の除却が伴う場合の補助額の加算額 20万円/戸)
- ZEH水準住宅 40万円/戸 (古家の除却が伴う場合の補助額の加算額 20万円/戸)
新たに設定されたのが古家の除却が伴う場合です。
これは新築住宅の建築主・購入者等(その親族を含む)が、所有する住宅の解体工事を発注し、2024年11月22日から完了報告までに解体工事が完了するものに限ります。
建て替えを検討している方は条件を満たせば対象になるのですが、解体工事時期や解体予定の建物所有者がどうなっているかで変わってくるので要検討が必要です。
5.対象期間
・契約時期:契約期間は問いません。
・対象工事の着手期間:2024年11月22日以降に対象工事に着手したもの
・交付申請期間:申請開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)
6.まとめ
2025年は子育てグリーン支援事業の概要は以上になります。
対象物件や補助金額が変更になったことにより、求められる住宅の性能値が上がりました。補助金が大きいものほど必要な申請が多くなり、住宅の性能を上げるために事前に検討しなければならないものが増えました。
気になる方は早めにご相談ください。
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