トリプルガラスのドレーキップ窓両開きテラスドアタイプは希少かも

ドレーキップ窓テラスドアタイプ屋外側の画像

当社ではスタンダードになったトリプルガラスのドレーキップ窓。この窓を打ち出しにした状態で外から眺める家のたたずまいっていうのかな、風景がなぜか好きなんですよ。窓て建具がせり出したりせずに見え方が控えめなのがそう感じさせてしまうのかもしれませんけどね。

そんなドレーキップ窓の内倒し風景を写真撮りしていた時です。

そう言えば、

日本でドレーキップ窓でテラスドアタイプを見かけないのはなぜ?

なんてことをふと考えてしまったのです。全メーカー見たわけじゃないけれど、カタログ等でも高窓タイプはあるけれど、テラスドアタイプはない。需要がないからか、需要を考えたら、そもそもがドレーキップ窓そのものに需要はないと思われるわけで・・・

トリプルガラスの両開きタイプ内倒し時の外側からの見え方

ドレーキップ窓テラスドアタイプ屋外側の画像

両開きタイプのテラスドアの場合、二つの窓がドレーキップになるわけではありません。片方だけがドレーキップになります。もし、この二連の窓、両方ともドレーキップにしたい場合はセンター柱が入り両開きのフルオープンにはならない。そういう仕組みとなっています。

両開きの場合、ドレーキップ側のドアで換気のための内倒し、出入りのための内開きとなるので、ドレーキップ側のドアが普段使いのメインとなります。

トリプルガラスの両開きタイプ内倒し時の室内からの見え方

ドレーキップ窓テラスドアタイプ室内側の画像

写真のように、建具が内倒しになることでダイレクトに室内に風が吹き込むこともなく、テーブルの上の紙類などが飛ばされるようなことも起こりません。何より多少内外温度差がある場合でも屋外から流れ込んだ空気が上部で巻き込み、室内の空気と混ざり合うので寒暖差を身体が感じにくいというのもこの内倒し換気の魅力ではないかと思います。

防犯上のために作られた内倒し方式なので、窓を開け通気を取ったままで出かけられるのも、住宅の高気密高断熱化でなくなってしまったものの、昔はあって便利だったランマ機能として使えるのもこの内倒し換気の魅力ではないと。

ただ、吊るカーテンタイプの場合は通常幅だと内倒し時に干渉してしまうので、両サイドにその分余裕を持たせる必要があることに注意してください。

このように当社的には10年以上当たり前のように採用してきたドレーキップ窓テラスドアタイプ。当たり前過ぎて気付かなかったけど、希少性高かったのだと改めて認識させられてしまいました。ほんと、今さらですけどね。

なぜ、国産にレーキップテラスドアタイプがラインナップされないのか

ドレーキップ窓自体が日本で需要がないにしても、高窓タイプはラインナップされているのだから、機能的にはあっても不思議はありません。なら、なぜか?そんなことを考えてみると、おそらく建具荷重の問題ではないかと。

以下は、AIさんに質問してみた日本とドイツの樹脂サッシにある大きな違いです。

  • 多層構造(チャンバー数)

     ドイツ:5~7チャンバー以上が標準で、断熱・遮音性能を高めている

     日本:3~5チャンバーが一般的で、断熱性能は比較的控えめ

    当社のドイツサッシは6チャンバー

  • 芯材の使用(補強材)

     ドイツ:鋼製補強材(スチール芯)をフレーム内に標準で内蔵し、変形や反りを防止

     日本:軽量化を重視し、補強材の使用が限定的な場合もある

    日本でも防火サッシやテラスドアで内臓するケースはあります。基本スチール芯はありません。当社のドイツサッシは枠・建具共に結構分厚い補強材が必ず入ります。

  • 樹脂の配合(耐候性・剛性)

     ドイツ:高耐候・高剛性のPVC(硬質塩化ビニル)を使用し、紫外線耐性に優れる

     日本:耐候性を考慮した独自配合のPVCもあるが、熱変形や色あせに対する対策が異なる

    これは以前と取り上げたことがありますが、樹脂純度。そして樹脂外殻部の肉厚が違う。ドイツの方が純度も高く肉厚も厚い。

  • ガスケット構造

     ドイツ:3重ガスケットが主流で、気密・水密性が非常に高い

     日本:2重ガスケットが主流で、性能は地域気候に応じて設計

    当社のも3ガスケット構造

樹脂枠中心の答えになっています。ここでの質問のしかたが悪かったかもしれません。サッシ荷重に対する強度を支えるのは、樹脂枠部で言うなら、多層構造と芯材の影響は大きいように感じます。そして、そこに重要なのが金具ではないかと思うのです。

窓の開閉を支える丁番などの金具類、金具がサッシ価格の1/3を占めると言われるドイツの金具です。トリプルガラスが日本に比べたら何十年前から採用されていること、また日本は3mmガラスが一般的なのに対しヨーロッパのガラス4mm、これらのことからサッシの大きな荷重を支えるノウハウが十分に蓄積されていたと考えられます。

10年以上慣れ親しんだドイツサッシ。わかっているつもりでいるだけで、たまに発見があるたびに、

おいおい、こんなところにも・・

なんて驚かされたりもします。

どんな時代から、ここまでの領域にたどり着いたのか・・
その積み重ねを除いてみれるならぜひ見てみたいものです。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です