つい先日、カテゴリーに「ドイツの高断熱サッシ」を追加したものの、うっかりしていてこのカテゴリに投稿していなかったので今日はドイツサッシネタを簡単にお伝えします。
今日はドイツサッシを扱うようになって10年にもなるのに、今になって気付いた凄さを。
私の座席の傍には、サッシサンプルや試作品などがひしめいています。その中からふと手に持ってみるわけです。すると、以前は目的を持って観たものも時々真っ新な気持ちで目的もなく眺めて観ることがよくあります。すると不思議なもので意外な発見があったりします。
ドイツサッシと拡散サッシの外周側面にある違い
左側が国産樹脂サッシ、右側がドイツ樹脂サッシの外周部の側面で、柱等住宅構造部との接点になり、サッシが住宅に据えられたら基本見えなくなってしまう面です。
国産樹脂サッシは取付フィンが以外枠部はフラットなのに対し、右のドイツ樹脂サッシはいくつもの凹凸があるのがわかりますでしょうか。
ドイツ樹脂枠に外周部にある凹凸の意味
ドイツ樹脂サッシ枠を断面で観てみます。横から観ると何かいかついです(笑
1ドイツから樹脂サッシを輸入し始めたのは10年以上前。日本の国産サッシにはない樹脂枠の断熱性能の高さが理由でした。ドイツの建材見本市BAUで多層構造(6層)の断面構造を見てしまったらもう、何としてでも輸入にこぎつけねば!と思ったものです。
その後、ドイツの樹脂サッシ工場を紹介され直輸入を開始。輸入したものの、ドイツの樹脂サッシ外周部はなぜ凹凸になっているのだろう?その意味を知りませんでした。意味を知らずに輸入し住宅に取り付けていても何も問題なく不便もありませんでしたから。
ところがです。大きなコンビネーションサッシを輸入することになった時、ドイツのサッシ工場からメールが入ります。
このサイズは海上コンテナには収まらないので、分割してコンテナに入れるので、
それをそちらで組み合わせてほしい。
うちらでサッシを組み合わせる?そんなことできんの?
コンテナが到着し、そのサッシをいざ組み合わせてみると・・・
何とも簡単すぎる!
この時が、サッシ枠にある凹凸の意味に気付くきっかけでした。
ドイツ樹脂サッシが持つ豊富な連結部材
樹脂枠にある凹凸がサッシとサッシを繋ぐ基本のしくみとなっています。例えば、以下の写真を観てください。

左右両サイドが樹脂サッシ枠、中央が連結部材(大きな窓面での柱的な役割)、そして手前が連結部をカバーする部材で、ここでは計4つの部材が連結されています。そのかみ合わせを担っている凹凸なのです。
この後、この連結システムのみに注目してばかりいたのです。
しかし、昨日何気なく連結部を眺めていて、あれ?ここにガスケット(ゴムパッキン)がある?
防水のためだろうけどこの点に興味が湧いてしまい、カバーを外してみました。
想像以上に緻密だったドイツ樹脂サッシ枠のしくみ
カバーを外したジョイント部。中央のジョイント部材と樹脂サッシ枠とガスケットの絶妙な寸法を観てください。おそらくですが、ガスケットがつぶれ過ぎず、その弾性の劣化を防ぎ機能を維持するための最善の寸法が割り出されているように感じます。
こういう緻密さって一朝一夕でできたものではないのでしょう。木製サッシの時代から受け継がれたノウハウに樹脂の特性を活かしさらに何度も積み重ねられたものなのだろうなと想像し、改めてその奥深さに感心させられてしまったのです。
私たちが知らなければ、ドイツサッシの持つ魅力を最大限活かし切ることなんてできないわけですからもっと探求してみないといけません。
でもね、もっと知るべきことがあるって、私にとってはある意味幸せなかもしれませんけど。
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