夏の日射対策試験からヨーロッパで普及するドレーキップ窓の奥深さを知る

国産とドイツサッシの断面比較の画像

昨日から今日にかけて断続的な土砂降り&雷雨。雨が降れば降ったで注意して観れば新たな発見があったりもします。そこに楽しんでいる自分がいるから笑えます。こういうことがあるから、どんな事象であっても、すべてが関心の対象になり得るってことを教えてくれてるのかもしれないですけどね。

ヨーロッパでスタンダードなドレーキップ窓

ポーランドやチェコ、ドイツからサッシを輸入するようになって気付いたこと。それはどのサッシ工場もドレーキップ窓がスタンダードだってこと。ドレーキップ窓を要望してたので当たり前と言えば当たり前なのですが・・・輸入し始めた当初は東欧諸国は隣国ドイツ市場向けだからドレーキップ窓が普及したのだろうと思っていました。ところがです、ヨーロッパ全体に1950年代から急速に普及し今やスタンダードなものになったのだと。

ドレーキップ窓発祥のドイツは当然で北欧の家を観てもほぼドレーキップ窓ばかりです。これは断熱性確保に欠かせない気密性を重視するからなのだろうと推測できます。

ところが南欧フランスのホームセンターでドレーキップ窓もトリプルガラスも売っていたのですから、南欧諸国にもドレーキップ窓はかなり普及しているのだと。

イタリアでもそうでした。
取引先選定のために訪れたベネチアのホテルの窓もドレーキップ窓だったのです。

イタリアベネチアのドレーキップ窓内開きの画像

イタリアでもドレーキップ窓見っけ!てな気分で、内開き♪で一枚。

イタリアベネチアのドレーキップ窓内倒しの画像

内倒し♪で一枚撮っておいた位ですから、我ながらどれだけ嬉しかったのかって想像すると、今なら笑えますね。

この窓は、ペアガラスの木製サッシ。

イタリア含め南欧の普及率は半分ほどのようですが、なぜ温暖な南欧でもドレーキップ窓が普及するのか?

ドレーキップ窓の特徴である内開きと内倒しは外付け日除けが容易

フランスでもスペインでも街を歩けば、日除けスクリーンや窓の外側にシャッターは当たり前。ドイツだとサッシ一体型のロールシャッターが現在では一般的でしょうか。20年ほど前、住宅の日よけスクリーン欲しさにヨーロッパ・アメリカ・中国を歩き回ったことがあります。

意外と高価だった日除けスクリーン

ヨーロッパもアメリカも中国も、価格調査した日除けスクリーンの価格は高かった。私が高いという価格とは、サッシ価格が基準です。サッシ価格より高いスクリーンはどうしても納得がいかなかったのです。そこで輸入取引先経由で紹介されたメーカーのスクリーンが許容範囲に入った。そこから輸入し始めたのですが・・・

いざ輸入し、使用してみて気付いたのです。

日よけスクリーンは風に弱い

住宅展示場のテラス戸と高窓に電動タイプを設置してみると・・・

テラス用は朝の風のない時間帯は良いのですが、昼前から風が入ることが多く風に煽られ飛ばされそうになるのです。壊れるのも嫌なので巻き込んでしまうというその繰り返し。常時見張っているわけにも行かず、岩手では日除けに使いにくいということがわかったのです。

じゃあ、高窓の日よけスクリーンはどうか。
これは多少の風なら問題ない。けれど、強風を受けると巻き込みできなかったりのトラブルもあり、取り扱いを止めることにしたのです。

ですが、国産サッシメーカーが震災後トリプルガラスの普及に合わせたように、各メーカー外付け日除けスクリーンを販売し始めました。それが嬉しいことに低価格だったので、それがきっかけで海外に求める必要はなくなったわけです。。それが住宅展示場2階に取り付けられている日除けスクリーンです。

さすが、後続のメリットが生かされてるからか、ある程度の風の逃がしが利くしかけになっているのは評価できるのではないかと。但し、やはり暴風時は巻き込んでおいた方が安全かもしれません。

窓の第3の日よけを求めて

先日来、あと対策としての日よけ&日射遮蔽としてホームセンターのアルミレジャーマットや100均アルミシートの日よけ効果をプチ検証しているわけですが、昨日の土砂降りに今朝方の雷雨と断続的に続いたのでちょうど良いと思い、100均アルミシートに雨・風の影響はないか確認してみた結果を紹介します。

日射遮蔽100均アルミシート雨風チェックの画像

この時、今日午前の雨が上がって2時間後くらいかと。
この写真ではよくわからないかと思い、動画も撮ってあるのでその動画を。

この動画の揺らぎでアルミシートがガラスには引っ付いてないことがわかるのではないでしょうか。

ドレーキップ窓開けて水滴確認の画像

そして、ドレーキップ窓を内開きにしてみると、アルミシートにも網戸にも雨の水滴は残っているのがわかります。ここで注意して観ていただくと、ちぎったマスキングテープ(青い部分)で簡単に押さえてるだけなテンプラだとうこともわかると思います。通気抜けしやすいようにとの狙いからですが(笑

それほど風が強くなかったからか、まだ破けてはいませんでした。

そこでアルミシートが見ての通りゆるゆるなのに、なぜガラスに張り付かないのか・・についてちょっとした確認もしてみましたのでそのことを。

国産サッシとドイツサッシの断面形状の違い

サッシ枠とガラス面の外側にある厚み差も引っ付かない要因の一つではないかと比較チェックしてみました。

国産とドイツサッシの断面比較の画像

トリプルガラス国産樹脂サッシとトリプルガラスドイツ樹脂サッシの断面を並べ、樹脂枠面からガラス面まで測った寸法は上記の通りです。

8mmと18mm、その差10mmです。

この差は意外と大きいのかもしれません。

そして、ここで不思議なことに樹脂枠上面の違いにも気付きます。

日本のサッシ樹脂枠外側上面は平なのに、ドイツは丸みがあり斜めになっていることに。

これはなぜなのか?何を目的にこの形状が作られているのか?

ほんの些細なことだけど、たまにはそんなことを想像を巡らしてみるのも楽しいかもしれませんよ。

 

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