朝、昼、夕と、昨日の雪かきお疲れさまでした。

これまでガーデンライトの下で止まってたけど、雪で覆われてしまいました。でもこれはこれで、私には冬の楽しみの一つになっているかもしれません。
もし、家づくりを考えている方は、雪が降ったなら屋根の雪を観察してみてください。雪の止まり具合、つららのできかた、それらに違いがあるのはどうしてだろう?そんな視点で観てもらえたら家づくりにプラスになるはずです。
築15年の家での気付き
先日、築15年になる施主さんから連絡があり、一部窓の交換も含め相談したいとのこと。
その悩みを確認するなら、”寒い冬の今しかない!”てことでサーモカメラ持参でお伺いさせていただくことにしました。

当時の「無暖房の家」シリーズ。
当時輸入していた木製サッシは、トリプルガラス2Low-Eガラス、クリプトンガス、木製フレームには中空層3層タイプを採用しています。
まず最初に驚いたのは、木製サッシの木肌色。
一般的には経年で飴色になっていくものですが、まったく変化を感じさせない新築当時の変わらぬ白さ。西面の窓は少し飴色がかってはいましたけど…
Low-Eガラスの紫外線カットのお陰なのかは、正直よくわかりません。
今回問題の窓は、写真左側に見える国産引き違いサッシです。
輸入木製サッシと国産樹脂サッシの窓チェック
最初に、当時の壁厚から説明すると、4層の断熱層で外周壁の厚さは32㎝。
その壁厚のほぼ真ん中ら辺に、窓内付け手法で取り付けられているのがわかりますでしょうか。
片や、トリプルガラスの国産樹脂引き違いサッシは壁厚の外側に取り付けられる半外付けとなっています。

窓周囲のヒートブリッジに関してまったく無知だった15年前は、サッシ自体の性能は多少落ちるものの、バルコニーへの出入りには引き違いの方が良いだろう。それに半外付けの方が出窓のように使えて物も置けるし便利ではないかと考えていました。
窓周囲のヒートブリッジチェック
15年前は気にもしなかったのに、今なら窓周囲ヒートブリッジチェックは必須です。
トリプルガラスの輸入木製サッシ熱橋チェック
ここで注目してほしい温度が、白〇で囲った温度、15.2℃です。
これは、サーモカメラでの測定範囲内の最低温度を示しています。
トリプルガラスの国産樹脂半外付けサッシ熱橋チェック
このサーモカメラ画像内で測定される最低温度は、6.7℃
同じトリプルガラスなのに、サーモカメラが拾った室内側での最低温度は、
その温度差 8.5℃
その要因は、
➀引き違いサッシでレール部の影響
➁引き違いなので樹脂枠が薄くせざる負えないため断熱性が低い
③上記理由でトリプルガラス間も薄く断熱性が低くコールドドラフトが起きやすい
④半外付けの取り付けなので、窓周囲ヒートブリッジの影響大
窓周囲ヒートブリッジの影響範囲
コールドドラフトやレール部の冷えの影響を避け、できるだけ純粋に窓周囲ヒートブリッジの影響だけ観るために、窓中間の高さでチェックします。

その時のサーモ画像がこれ。
この時点では、樹脂枠と壁との境界をあとで判断しやすくするため、樹脂枠際まで指先を押し当て記録しておきます。
樹脂枠と壁の境界線
樹脂枠と壁側の影響割合を視覚的にわかりやすくするために、概ね45°で記録するわけですが、こうしてみると、樹脂枠側の影響割合と壁側の影響割合を観ていただくとわかるのではないでしょうか。
樹脂枠に比べ、壁側の方が3倍以上の幅で冷やされている
一般に、「壁には断熱が入っているから壁は冷えの問題にはならない」と考えられがちです。これは断熱層と樹脂枠の間で冷やされているということになります。
これを、窓周囲ヒートブリッジ(熱橋)と言い、面ではなく線状熱損失と言われるものです。
日本では未だほとんど議論されることはありませんが、ヨーロッパでは、窓のψ(プサイ)installとしてかなり重要視されていることを知ったのが、13年前です。
いつも思います。
何でもっと早く知ることができなかったのかと。
私たちの知識や情報、経験の遅れは、そのまま住宅性能の遅れへと結び付きます。
低断熱・中断熱領域では見えない、確かな高断熱領域でしか見えてこない現象があることを窓周囲から学んだのです。そして、意味のない現象も形状もないことも知り、一つも拾えないものがないように心していますが、実際は拾い落としだらけでしょうね。
気付けなかった些細なものを拾う
つい先日のこと。国産とドイツサッシの小さな違いに気付きました。
ドイツサッシのガラス押縁納め
斜めに納めています。
国産サッシのガラス押縁納め

縦勝ちで納めています。
そして、断面を観ると…
押縁上辺が斜めに、そして丸めているのがわかります。これでは斜めに納めるしかありません。
四角いなので縦勝ちでも横勝ちでも納められる形状です。
※ドイツサッシの押縁は室内側、国産サッシの押縁は屋外側になります。
国産サッシの屋内側上辺はフラットで厚くなっています。
築15年の木製サッシから見えたもの
一度違いが見えてしまうと、以前と同じように見えることはありません。
木製サッシの建具は縦勝ち納めですが、ガラス押縁は斜め納めです。
ドイツ樹脂サッシの押縁形状と同じで、ガラス接点から斜めに、そして丸めています。
これは、木製サッシのガラスが結露した場合に、斜めにすることで結露が流れ落ちやすいようにとの配慮、そして丸めてするのは窓の美観への配慮ではないかと思われます。
私が観た建築でトリプルガラス木製サッシの歴史が90年のドイツです。それ以前、ペアガラスは普通だったとして結露はあったのだと思われます。木製枠の傷みを和らげるのがきっかけだったのかもしれませんが、その思想が結露で傷むことのない樹脂サッシに受け継がれているのだと考えると、窓の性能に関わらず、各素材や形状の成熟度は計り知れないものを感じるのは私だけでしょうか。
計測が与える情報を見逃さないように
今日は真冬日。午後1時半の断熱層内温度湿度です。
外張り断熱層の室内側温度 5.3℃
昨日から温度推移を観ると、4℃低下したのに対しこの部分は、3℃低下です。
最低外気温が何℃なのに、室温は何℃だとか、私もですがそのように伝えてしまいます。
平均外気温が何℃であったか、の方が重要だということがこのことからわかります。
知ってはいてもいつの間にか意識することがなくなっている。そんなことを思い起こすためにも、見えないものを見続けないと。













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