窓の外側が結露する家は、性能が高い家。そこから見える外壁の見えないリスク

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日の出とともに起きるよう心がけていると、
今朝なんかは4時45分頃にカーテンを開けてしまったのですが、窓ガラスにうっすらの結露を発見。

 こりゃ、うちの住宅展示場もしかりだべ!

すかさず着替え展示場に向かったのです。
なぜ急ぐかというと、結露はおそらくですが30分以内に消えてなくなるから。
それだけお日様には弱いってことですね。

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今朝5時、住宅展示場の1階南面のフォールディングドアの窓ガラスがこうなっていました。

ガラスの外側が、結露でびっしょりです。

「え、新築なのに結露……?」と思った方。 実はこれ、不具合ではありません。むしろ逆で、家の中の熱がほとんど外に逃げていない証拠なんです。なぜかというと、ペアガラスではまず見かけることはありませんので。

今日は、梅雨入り前のこの時期に岩手の住宅で知らない間に起きている「見えない結露」の話をします。窓の話に見えて、実は外壁の寿命、果ては家の寿命にもかかわる話かもしれないからです。

Q. 窓の外側が結露するのはなぜ?

結論:トリプルガラスの断熱性能が高く、ガラスの外側表面が外気より冷たくなるから結露する。

順を追って説明しますね。

昨晩から今朝にかけての滝沢市は、よく晴れて風のない夜でした。こういう夜は「放射冷却」が起きます。地面や建物の表面から、熱がどんどん奪われ夜空に逃げていく現象です。

ここで面白いデータがあります。今朝、展示場の外壁をサーモグラフィで撮ったものです。

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外気温の最低は約10℃。なのに、外壁の表面は約3.4℃。 外気より7℃近く低いです。

晴れた夜の空は、放射温度でいうとマイナス15℃以下の「巨大な冷却面」。壁もガラスも、その空に向かって熱を奪われ続けます。一方このとき外気の湿度は93%まで上がって、空気中の水蒸気が水になる温度(露点)は9℃前後。表面が3℃台まで冷えれば、夜露がつくのは当然というわけです。

そして高断熱のトリプルガラスは、室内の熱で外側のガラスが温められない。だから外側だけが冷えて結露するというしくみです。これは事務所のペアガラスでは起きない現象で、空のひらけた場所に建つ高性能住宅ではおなじみの光景かもしれません。ただ、早朝に見つければですけどね。

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Q. じゃあ放っておいていい? ——実は外壁が心配です

窓は朝日が当たれば乾くので問題ありません。

気をつけたいのは、同じ現象が、程度の差はあれ外壁全体で起きていることのほうです。

外壁表面が露点温度以下まで冷えるということは、外壁も毎晩、夜露でうっすら濡れているかもしれないということ。そして朝になると日射で一気に温められる。今朝も10時には25℃近くまで急上昇しましたからね。

つまりは、

  • 夜:冷えて濡れる
  • 朝:急加熱されて乾く

この「濡れて乾く」「冷えて熱される」のサイクルが、1日で20℃以上の温度差をともなって繰り返されます。これからの梅雨は雨でさらに濡れる時間が長くなる。外壁の防水にとって、6月からはかなり過酷な季節だということになります。

一般的な住宅で起こりやすいのは、たとえばこんなことです。

  • 外壁の継ぎ目(コーキング)の劣化が早まる……温度と湿気の伸び縮みを頻繁に受けると、剥がれやひび割れが進みやすい
  • コーキングが剥がれた目地から、サイディングの切り口が水を吸う……板の端は塗装がない素地のため、毛細管現象で水を吸い込みやすい
  • 吸った水が冬に凍って、壁材を壊す凍害……岩手など寒冷地特有のリスクで、起点は意外にも、こういう穏やかな夜の結露だったりします
  • 窓まわりの熱橋(ヒートブリッジ)部分に湿気が集まる……壁の中でそこだけ温度が低く、結露しやすいポイントになる

新築から10年前後で「外壁の継ぎ目が黒ずんできた」「外壁材の端が反ってきた」
そういうお宅って、ご近所に心当たりはないでしょうか。あれの正体の一部が、こういう見えていない結露かもしれないのです。

正直にいうと、これは建てたあとに住まい手が頑張ってどうにかできる話ではありません。雨の日に窓を拭くことはできても、夜中に外壁を拭いて回るわけにはいきませんから。だからこそ、放射とは何なのか、私たちが知っていないといけないことだと思い、ここ数年観察しているわけです。

Q. 梅雨どきの「家の中のジメジメ」とは関係ある?

あります。むしろ地続きの話です。

梅雨に入ると、「部屋干しの洗濯物が乾かない」「なんとなくカビ臭い」「朝、窓のまわりがじっとりしている」そんな小さな不快が積み重なる時期です。除湿機をフル稼働させて、それでも追いつかない。岩手は夏が短いからか、私はこの時期の湿気がよけいに応えます。

家の中のジメジメも、外壁の見えない結露も、原因は同じ。「湿気の通り道を設計や施工でコントロールできているか」の一点に行き着きます。外気の湿度が90%を超える夜に、その湿気をどこで受け止め、どこから逃がすのか。ここが曖昧なままでは、家の外壁も傷みやすく、室内も梅雨にカビやすくなってしまうかもしれません。

Q. 梅雨の湿気から家を守るには、何を見ればいい?

結論:壁の「中」の湿度が安定しているかどうか、です。

もうひとつデータをお見せします。昨日から今朝まで24時間分の、展示場の壁の中に仕込んだ温湿度センサーのデータです。

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緑の線が外気の湿度。38%→93%→38%と、1日でジェットコースターのように動いています。梅雨どきの岩手の外気は、こんなに激しく揺れているわけです。

ところが、壁の中(断熱材まわり)の湿度は外気の影響を受けず、42〜52%の帯でほぼ一直線。外がどれだけ暴れても、壁体内は涼しい顔をしています。

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温度も同じで、外気が10℃まで下がった夜も室内はほぼ22℃のまま。暖房も冷房もなしで、です。

私たちはこれを、外壁の通気層・防水シート・外張り断熱層・充填断熱層・気密層という「層の設計」で実現しています。湿気を入り口で受け流し、入った分は逃がす。壁の中で結露させない。梅雨のカビ対策も、夏のジメジメ対策も、根っこはここにあります。その後に室内空気の調湿を担う無垢床と漆喰仕上げの壁という二段構えの構成です。

家選びのときは、「梅雨や夏に、壁の中の湿度はどうなりますか?」と聞いてみてください。データで答えられる会社かどうかは、ひとつの判断材料になると思います。

実物の「結露しない壁の中」、見られます

窓の外側結露は高性能の証。でも外壁は、性能に関係なく夜露と雨に濡れている。
だからこそ、湿気を設計と施工でコントロールできるかは、家の寿命を分けるのではないかと考えています。

このあたり、文章よりも実際の施工現場で何が行われているかを見ていただくのが早いです。滝沢市の住宅展示場では、今日お見せしたセンサーの数値をその場でご覧いただくことはできます。ですがそれ以上に、現場では外壁部で一番性能が低くなる窓周囲のヒートブリッジ対策施工、窓周囲の一次防水に二次防水、万が一にも湿気水分が侵入した場合の逃がす経路までが実践されています。

梅雨入り前のこの時期、外と中の湿度差や湿気感を体感するにはちょうどいいタイミングです。

次回の完成住宅見学会の近くにも施工中の家があります。

完成した家と、その暮らしを裏で支える「施工中の現場」。
両方を見比べられる機会は意外と多くありません。

「こういう考え方があるんだな」と知る機会にしていただけたらうれしいですね。

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