青空が屋根で埋まる一日。 岩手県紫波町で行った「一日フレーミング」の現場から

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6月18日木曜日、岩手県紫波町で一棟の家のフレーミングでした。

朝、まだ何もない床の上に立っていたスタッフたちが、夕方には屋根の下に立っている。その1日のうちに、家が「家のかたち」になる。私たちはこれを 一日フレーミング(一日上棟) と呼んでいます。

この日も14時30分、無事に終了しました。スタッフのみんな、今日も一日ありがとう。

なぜわざわざ一日でやるのか。当社では当たり前となっている一日フレーミングですが、今日は改めてその理由を、現場の写真とともにお話しします。

なぜ「一日」にこだわるのか

結論から言えば、家を雨に濡らさないため です。

一般的なツーバイフォー住宅の構造の組み立ては、以前現場で2〜3週間かけて行います。この間に雨が降れば工程は延び、延びればまた雨に打たれる。柱も、床も、何度も雨に晒されることになります。

私には忘れられない光景があります。創業して間もない頃、雨上がりの現場に行くと、施主さんご夫婦が床に溜まった雨水を、合板の切れ端で必死にかき出していました。

「自分たちの家だから」

奥様はそう一言、眼を潤ませて言うと、また作業を続けました。怒られた方がずっと楽だったと思います。あの無言が、私に工場でのパネル化を決意させました。

天候に左右されず、雨に濡らすことなく、屋根まで一気にかける。もしそれが一日でできたら。その思いが、今の一日フレーミングの原点です。

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一日フレーミング作業開始前の段取り。
朝の段取りの様子。フレーミング日の二日前までに床までを組み、当日に向けて材料を整えておく。

この準備の精度が、一日の成否を分けます。

一日フレーミングは「段取り」が9割

一日で屋根までかけられるのは、当日の職人が速いからではありません。雨に濡らさない仕組み を、現場の外で積み上げているからです。

壁はあらかじめ工場でパネル化し、床や屋根の構造材はプレカットしておく。現場では「組み立てる」のではなく「建てていく」。この違いが、一日という時間を可能にします。

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クレーンで吊り上げているのは、すでにをプレカットされた屋根や床等の構造用合板類。すでに加工された部材を順番に上げていくわけです。

この一日が読めるということは、施主さんに「次の屋根工程はいつですよ」と約束できるということ。かつて工期が半年に延び、何度も頭を下げた私にとって、これは何より大切なことなのです。

床から壁、そして屋根へ

部材が上がりはじめると、現場は一気に動き出します。

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上から見ると、間取りがそのまま立ち上がっていくのがわかる。

さっきまで図面の中だけにあった部屋の境界が、目の前で実際の壁になっていく。この瞬間が、私はたまらなく好きです。

スタッフたちが声を掛け合いながら次々と壁を起こしていく。岩手のこの時期は日が長く、青空の下での作業になりました。そして壁が立てば、いよいよ屋根です。

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屋根の垂木がかかり終えたところ。室内から見上げると、まだ青空が見えている。

この、青空がどんどん狭まって、屋根で埋まっていく瞬間。

なぜこんなに好きなのか、自分でもよくわかりません。いつもは外側から家を眺めているからかもしれません。内側から空が閉じていくのを見るのは、何度立ち会っても新鮮なのです。

窓まわりの2次防水処理にも注目してください。サッシの周囲をていねいに処理してあります。ここは後から見えなくなる部分ですが、家の寿命を左右する大事なところ。一日で建てるからといって、見えない部分を雑にすることは決してありません。

動画で見る、紫波町の一日

文章や写真だけでは伝わりきらないので、当日の様子を動画にまとめました。実際の作業をご覧になることが叶わなかった施主さんに向けて作成したものです。

空撮的な動画はいつも撮れるわけではありません。
風が強いとダメです。それと許可を必要とするエリアでは悲しいかな難しいですね。

よくあるご質問

一日で建てて、強度は大丈夫なのですか?

むしろ逆です。雨に濡らさないことで、構造材や断熱材が水分を含むのを防げます。木材が濡れて乾いてを繰り返すことは、家にとって良いことではありません。一日で屋根までかけることは、家を長持ちさせるための工夫でもあります。

速さを優先して、施工が雑になりませんか?

一日でできるのは段取りの結果であって、現場で急いでいるからではありません。壁のパネル化や構造材のプレカットを事前に済ませているからこそ、当日は一つひとつの作業に集中できます。

岩手の気候でも一日でできるのですか?

岩手は雪も雨もある土地です。だからこそ、家を濡らさない一日フレーミングの価値があると考えています。天候を読み、段取りを整え、その日に仕上げる。寒冷地の家づくりだからこその工法です。

例えば、昨日の土曜日です。

彼らは何のために、一日でやるのかを理解してるからできることです。

施主さんとの間に困ることがあったら、それ以上にみんなが喜べるメリットにまで変えてしまう。

雨水をちりとりでかき出していたあのご夫婦の姿が、今の一日フレーミングをつくりました。困りごとが原動力になる。きっとこれが、私たちの家づくりの根っこなのだと思います。

紫波町の施主さん、これからの工程もていねいに進めてまいります。引き渡しの日を、どうぞ楽しみにお待ちください。

以上、先日の一日フレーミング報告でした。

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