雨を読む盛岡の一日フレーミングと、防音室のある紫波町の見学会

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梅雨どきの天気予報を、これほど真剣に見つめる仕事もそうないかと。 家を建てる現場にとって、雨は「待ってくれない相手」。とくに構造をくむ大事なタイミングで降られると、せっかくの木材を濡らしてしまう。

これは、私たちつくり手としてはいちばん避けたいことのひとつかもしれません。 でも、ここで差がつくのが「現場の機動力」なんですよね。天気予報と空を読んで、先手を打つ。今回は、そんな盛岡市の一日フレーミング(上棟)の話と、紫波町で開催した完成住宅見学会の話を、ひとつにまとめてみます。「濡らさない技術」と「暮らしを心地よくする工夫」。どちらも、私たちが大切にしている家づくりの両輪です。

”雨を先読みする”盛岡の現場で見せた、スタッフの機転

ことの始まりは、フレーミングを先週に控えた前週の日の現場でのこと。 スタッフが言うには、天気予報を見ると、今夜から数日、雨が続くという。本来、その日の予定に「床敷き」は入っていません。けれど現場のスタッフは考えたようです。

 このまま雨に入ったら、段取りが崩れると。 そこで急きょ、床敷きを前倒しで本来休みである土曜日の今日決行することに。そのぶん月曜を振替休日にする、という判断もセットで。この身軽さ、嬉しいじゃないですか。天気予報と空模様を見て、自分たちで動く。指示を待つのではなく、家のために自ら最適な手を打つ。

そして迎えた一日フレーミング当日。 ところが、天気予報には出ていなかったのに軽い小雨が、ぱらり。雨雲レーダーにも反応がないくらいの、ほんのわずかな雨でした。それでも、現場監督とスタッフ全員が、大切な家を雨に濡らさない一心で機転を利かせ、昼休みもとらずに進めてくれたのです。

朝9時20分。平屋の壁の施工が、もう終わりました。 このスピード感も一日フレーミングならでは、なのですが、当日、どうしても現地に来られなかった施主様に向けて、足場上からのリアルな鳥瞰図(俯瞰写真)をしっかりと共有。空から見たわが家のくらしの輪郭。離れていても、その瞬間の高揚を一緒に味わってもらえたら、うれしいですね。

 

 ※すみません、リポストしたもので先ほどと重複してますが、、、
 

そして午後には、ルーフィング(屋根の防水シート)の施工まで完了。

 これが効いてくるのが、その晩でしたね。昨夜からの雨。ふつうなら、構造を守るためにブルーシートをかぶせて養生します。でも、屋根の防水シートまで張り終えていれば、その必要がない。翌日、屋根屋さんがシートを外す手間もいらない。家は濡れない、現場は手間が減る、施主様は安心できる。まさに「八方よし」の仕上がりとなりました。

 天候を先読みする一手。当日の小雨に動じない連携。そして雨が降る前に屋根まで守りきる段取り。「家を濡らさない」という言葉の裏には、スタッフそれぞれのこんな細かい判断が積み重なっている。

暮らしを豊かにする工夫が満載——紫波町の完成住宅見学会

 場面はかわって、岩手県紫波町。昨日今日と二日間の完成住宅見学会の現場から、いくつかご紹介します。

 見学会というと、つい「家を見にいくもの」と思いがちです。でも私がいつもおすすめしているのは、「もし自分がここで暮らしたら、どんな瞬間に幸せを感じるだろう」と、肌感覚で重ねてみること。30年暮らしてきて思うのは、自分の家で「贅沢だなあ」と感じる瞬間はしょっちゅうあるのに、「見る贅沢」なんて、案外ないものだ、ということ。だからこそ、暮らしの目線で見てほしいんです。

 

漆喰外壁に映る、枝葉の影

まず外観から。手仕事で塗り上げる漆喰の外壁は、機械塗りにはない、不揃いな陰影をもっています。お天気のいい日には、その表面に庭の枝葉の影がいつの間にか映り込んでいる。この場面が、なんとも言えず好きなんですよね。

正直にいうと、私はこの「影の表情」が個人的にいちばん好きかもしれません。素材そのものが、光と風景を引き受けてくれる。これこそが住むほどに味わいが増していく外壁ではないでしょうか。

上質で高性能な、窓まわりのこだわり

窓まわりも、見どころがたくさんありました。

 ・トリプルガラス仕様では珍しい、上品な「格子窓」

 ・大きく開け放てる「トリプルガラスフォールディングドア」

 ・内側に倒して換気できる「フォールディングドレーキップドア」

トリプルガラス、つまり三枚のガラスを重ねた窓は、断熱性がとても高いのが特長で、岩手の冬の冷え込みでも、窓際の冷えを抑えやすい。その高性能な窓に、あえて繊細な格子をあしらう。性能とデザインを両立させた、ちょっと贅沢な組み合わせなんですよ。

 

 

「換気したいのに、カーテンが障害になる」を解決した自社製スクリーン

ここで、ちょっとした手前みそな話を。

ドレーキップ窓は、内側に倒して換気できる、とても便利な窓です。ところが、窓を内倒しにすると、ふつうのカーテンやスクリーンが干渉してしまって、うまく使えないんですよね。換気はしたいのに、目隠しができない。この組み合わせに合う製品を国内で探したのですが、見つけられませんでした。

 ないなら、つくる。

そこで私たちは、ドレーキップ窓を内倒しのまま使えるオリジナルスクリーンを自社で製作することにしたのです。朝モードと夜モードなどお好みで、自在に視界を切り抜ける、換気しながらプライバシーも守れる。このスクリーンがあると、窓辺の心地よさが、ぐっと上がるはずです。

 

影が証明する、「三方庇効果」という設計

そして、この投稿の画像にはもうひとつ大事なヒントが隠れています。スクリーンに映り込んだ「」です。

夏の強い日差しは、窓から室内に入り込むと部屋を暑くしてしまいます。そこで効くのが「庇(ひさし)」。でも実は、大きな庇をつけなくても、サッシを壁の内側に寄せて取り付ける「内付」にするだけで、上と左右、三方向から日差しを遮る効果が半分ほど得られるんです。これを私たちは「三方庇効果」と呼んでいます。

スクリーンに落ちた影が、まさにその働きを物語っていたのです。理屈だけでなく、影という目に見える形で実証されている。これは見学会でこそ伝わる気づきなのではないでしょうか。

完成すると隠れてしまう、気密へのこだわり

最後に、ふだんは決して見えない部分の話を。

家の隙間をなくして窓の高い気密性を保つには、構造をつなぐ金具の配置がとても重要になります。だからこそ今回の見学会では、金具配置なども観てもらえたらうれしいですね。

普段見えない場所だからこそ、性能の根っこがある。そこの違いに気づけるか気づかないままかは大きな違いをもたらすのではないかと思います。

想いと技術がかけ合わさって、はじめて「いい家」になる

雨を読んで先手を打ったスタッフの機転。当日の小雨に動じなかった現場の連携。漆喰外壁の影の美しさ。換気のために自分たちで窓辺の道具までつくってしまう執念。影で証明される日射遮蔽の設計思想。そして、隠れてしまう金具にまで宿る想い。

これ全部、「施主様の暮らしを長期にわたって少しでも快適に、少しでも安心に」という同じ想いから出ているものです。技術だけでも、情熱だけでも、いい家にはならない。両方がかけ合わさって、はじめて手渡せるものがあると、私たちは考えています。

家の性能や心地よさは、スペックの数字を眺めるより、実物の前に立ってもらうのがいちばん早く伝わります。窓際の冷え方、漆喰の質感、影の落ち方、開け放ったときの空気の流れ、
どうぞ、ご自身の感覚で確かめにいらしてください。

次回見学会予定の家も完成間近です。

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今後の完成住宅見学会やイベントの情報は、ホームページやSNS等で随時お知らせしています。見学だけでも大歓迎です。次の完成住宅見学会で、お会いできるのを楽しみにしています。

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