ドイツ住宅レポート Ⅲ :エコハウスのヒント

視察三日目の朝。
ツアー中のモーニングコールは6時か6時半で夜明け前。シャワーし終わるとタイミング良く日の出を拝むことができる。(パン!パン!礼)

夜明け

部屋が運良く東側だったのでワンショット。

この日バスで向かった一軒目の視察先はヘルネゾーディンゲン研修施設で、1977年まで炭鉱だったところに新たな中心機能としての再生を模索して建てられた施設なそうだ。

研修施設外観

外観書面。正面には2ヶ所に玄関がある。(サイドにも3ヶ所ほど出入り口あり)
いくつかある中の施設棟を外殻棟(大きなガラス箱)で覆っていて、このガラス箱こそが外界との呼吸や熱のコントロールをつかさどる。

施設配置模型

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外殻棟の中の施設配置模型。
左手前から図書館、そして管理棟、奥が宿泊棟と続く。
右手前から市民ホール。レストラン棟、ゼミ棟。

これら施設を覆う外殻棟のサイズはW72m、D160m、H16m。

窓開放方式2窓開放方式

 

 

 

 

 

外壁の窓としての通風スタイル3種類。
外気温、内気温、外の風速から
コンピュータで管理され、一番適切な
通気方法が段階的に選択され、
窓は自動で開閉される。

内部池?

両サイドに連なる施設棟のセンターには調湿用と癒し効果のための池?
この外殻棟を支えている柱は一本ものの丸太。使用数は計56本。

殻内水と

 

 

 

内部の写真を2枚ほど。

天井発電

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外殻棟の天井。黒い部分が太陽光発電パネル。
採光の調整と空に浮かぶ雲を模してパネルが配置されている。
年間の発電量は60万Kw・h。半分が自家消費で他は売電される。

発電パネル地中熱利用

 

 

 

左写真は実際に使用されている太陽光発電パネル。
右写真は地中熱利用の換気の外気吸入口。
地中の熱を新鮮な空気に熱交換し、各施設棟内へ送風される。

蓄熱砂利

両サイドに連なる施設棟外側(施設と外郭との間)と外郭の外側には、蓄熱帯としてぐり石が敷きこまれている。吸放熱を緩やかにするのに役立つ。
外郭外側ラインもあるのには恐れ入った。

この施設に暖房システムも冷房システムもない。
あくまで自然エネルギー利用の設備でしかない。

それで大丈夫なのかというとそうではないらしい。
冬は外殻内は0℃近くなることも。
その時は各部屋で個々に暖房器を利用するのだそうだ。
夏はというとやはり通風や地下熱利用換気を最大限に活用しても、オーバーヒートになることもしばしばなのだという。
100%自然冷熱利用で賄う、とまではいかないようだ。

この施設を見て最初に感じた印象は”基地”。
月基地なら街を覆う大きなドームと言った感じだろうか。
地球の空気が汚れてしまい、外気を直接吸えなくなったら、こんな風にもう一つの殻で覆うのだろうか。(人は中でエラ呼吸?)

追: 視察目的とは関係ない小さな発見を紹介!

発電所表示パネル扇風機

 

 

 

この施設に隣接して建てられた旧鉱山のガス層(地下700m)を利用したガス発電の発電量表示パネル。排熱利用によりお湯も地域に供給される。

右写真は特に意味なし。天井の窓の手直し工事中。

おいおい、扇風機付けて仕事してるぜ!とみんなで見上げてしまった。日本で見ることのない作業環境なので記念に一枚。

ドイツ住宅レポート Ⅰ

ドイツ住宅レポート Ⅱ:パッシブハウス

ドイツのようなエコハウスを建てる岩手のハウスメーカーならこちら。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です