20年で住宅価値ゼロ!?

「住宅の資産価値に関する研究」報告書
(国土交通省 国土交通政策研究所)

上記6月20日のプレスリリースは、マンション主体の調査では
ありますが、注目したのは1と2項目。

特に一項目目は悲しい。
・中古住宅価格には、住宅の質は反映されていない。
・査定価格は築20年でゼロ。

アメリカやヨーロッパでは中古住宅の価値は築年数によって下がるってことはない。
現に築年数20年であろうと、100年であろうと築年数はさほど問題と
ならず、規模・間取りなどの汎用性や痛み具合やリフォームの程度で
価値が決まる。

そんな欧米と違い、日本はあくまで築年数のみが基準。
見えないところにどんな配慮がなされようと、
建築時に施主が工夫を凝らそうが、
暮らしながら小まめに手をかけようが
その価値が価格に反映されることはない、
とは言わないがそれに等しいのが現実。

先進国の中で日本のこの評価のありようはあんまりだべ!

と渡米するたびに情けなくなっていました。

実際最近の中古住宅の価格変化で顕著なのが、
築年数20年位をオーバーした住宅。

土地の相場価格を差し引くと査定がゼロどころかマイナスになる。
なぜ、マイナスかと言うと、
現在高額となった解体費用がマイナス評価となるわけなんでしょうが・・・
これってどうよ!って思ってしまいます。
ここまでくるとあんまりでしょ。

欧米との中古住宅価値が縮まるどころか開いているのが現状。
この状況は、家のつくり手としては余りに悲しい。
住宅を売りに出す所有者となると、言葉もなくなるのでは。。

現在日本の住宅は省エネ性、耐久性、共に、
欧米に劣らぬレベルで既に実践されるようになっているはず。
もし、現在新築時に欧米と比べ足りないものがあるとすれば、
メンテナンス性だろうか。

日本は欧米と違い、リフォームをし難いような
建築資材の規格や施工法がとられている。
そのため、素人が大掛かり?なリフォームをしようにも
できない仕組みと言える。
結果、リフォーム業者に依頼するから高額なメンテナンス費用になる。

欧米のように住宅価値を維持するために
小まめなリフォームはできないことになる。
その結果、価値を維持する作業を諦め、傷みがひどくなり
どうしようもなくなって初めてリフォームするのが日本だ。

・建築業界が将来のリフォームを前提とした建築を意識すること。
・不動産業界が住宅の評価手法を持つこと。
この2点が揃えば、日本の住宅はもっと良いものになると思うのですが・・・

こんな中古住宅の評価基準がないままでいいはずがないですよ。
既にリバースモーゲージも動きだしているのに・・・
片手落ちだんべ。

現在、つくり手にできることは、
日本に中古住宅の評価基準ができたとき、
いつでもさかのぼって高評価を得られるような
家づくりを実践するしかない。

というか・・・
評価基準がなくても評価される家が理想ですけどね^^;

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