経年劣化による窓のガラス内結露

当社の事務所も、建築してから既にもう20年を超える。
きっと私だけと思うんだけど・・・
今日は事務所で気になっている窓の一つを紹介しようかと^^

ある時にふと気が付いた異変?
軽く窓が曇っている。
性能が劣えての一次的な結露。
いつの間にか消えていたので、大して気にも留めなかった。

その後見かけても、朝は曇りその後は消えての繰り返し。
曇るだけで水滴になることもない。
なので、それほど重要に思うこともなかった。

それがある時、この窓から外のお天気の様子を眺めた時のこと。

ああ、いつものように曇っているなあ、、

ところが・・ 

!? なぜに、窓ガラスの下っ端が曇らねんだべ?
普通、ガラスの縁からだべよ?
そんで、じ~っと顔を近付けてみると、窓の内側(室内側)ではない!?
ガラスとガラスの間、ペアガラスの外側のガラスの内側が曇ってるではねえの・・

窓のガラス内結露(1)

これは昨日の午前10時前の様子。
下枠より7~8㎝上の方が曇っている。

なぜ縁に結露じゃないのかっていうと、
室内側だと断熱性の低い、枠とスペーサーに近い部分が結露する。

この場合は、
逆に断熱性の低い縁から室内の熱が外側のガラスに伝わるので真ん中辺りが曇る。

そして今朝8時。

窓のガラス内結露(2)

左側縁まで曇っていた。
右側はすでに陽射しが当たっているから消えている。

縁まで曇る・・なぜ?

考えてみたら、暖房がタイマーでONするのは朝7時。
この時点では窓枠が室内から温められていない状況。
そして昨日は曇りだった。

ということは、陽射しが窓に差し込む前の早朝なら、
窓全体が曇っているということになる。

ペアガラス層内に侵入した湿気が、

外部より冷やされる
     ↓
室内の暖房もOFFになり、ペアガラス層の温度が徐々に下がる。
     ↓
より低温の外側ガラス面側に結露し曇る。

この状態では、完全にペアガラス内のガスなどは失せているわけで、
ガラスを交換するしか解決策はない。

今のところ、この現象は一窓だけど、
これがもっと劣化が進行すると、本格的な結露へと向かうはず。
ガラスにも断熱性にも劣化はある。

やはり窓に求めたいのは、

①性能をできるだけ永く維持できるもの、
②やがて劣化したガラスの交換容易性
③サッシ枠の劣化防止策
④どうしてもの時の、枠全体の交換容易性

これが揃って初めて、窓と言える。
ヨーロッパには、100年200年と家を支えてきた
窓の維持・交換容易性というノウハウがある。

私はそのノウハウに出会うたびに、すごい!と驚くのだけど、
彼らにとっては当たり前で普通過ぎることらしい。
だから、褒められたと喜ぶこともしない。
なぜ、驚くのか理解できないし、日本の状況を信じもしない。

彼らの普通と、ぼくらの普通。

物差しが違い過ぎる。

もし、この溝を埋められる日があるとしたら・・・

いつになるんだろうか。

高気密高断熱で建てる岩手の注文住宅なら。

2 件のコメント

  • 洗面所の窓の結露が結構あります。ガラス部分だけでなく当然窓枠もです。そこで、窓枠の下部にエコカラットをおいてみました。見事にその部分だけ結露しません。これ、うまく利用して製品化できませんかね。

  • hiroさん、さすがですね。
    エコカラに限らず、その性質を利用して
    窓カラット!なんて製品もおもしろうです^^

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