規格v.sオーダーの違い

日本の窓メーカーの場合には窓サイズに規格がありサイズ表があるのが一般的。
例えば、ケースメント(縦すべり)タイプのサイズは
高さ:6サイズ  横巾:5サイズ の組み合わせで計30の窓サイズになる。
これは闇雲なサイズではなく、尺貫法の尺モジュールから規格化されたサイズで、
高さで言うと、2尺、2尺5寸、3尺、4尺、4尺5寸、5尺タイプと言った具合い。
この規格サイズは建築する側にとっても寸法割付しやすいサイズで、
実に合理的で考えやすく扱いやすい。

これはアメリカの窓メーカーも同じで、尺モジュールではないけど、
フィートサイズを基に規格サイズがあった。

そんなことから、
窓にはその国なりの規格サイズが必ずある世界共通だと思っていた。

ところがです。
ヨーロッパの窓工場から直接輸入しようとなった時、
規格のサイズ表と価格表が欲しいと言うと、

規格サイズ表なんてない、

との返答。

こちらは、

サイズ表がなかったら、注文できないじゃないか。
現在サイズ表がないのなら、サイズ表を作ってくれないだろうか?

と返すと、

そちらの好きな寸法でつくるのに、サイズ表なんてなぜ要るんだ?
そんなにサイズ表が欲しいなら、自分たちに必要なサイズで
自分たちで作ったらいい。

その返答に、

何だそりゃ!?

こちらでサイズ表を作れってか!?

と返答に驚くも、

よく考えてみたら、注文者のオーダーサイズでつくるって言うのだから、
サイズ表なんて確かに要らないのかもしれないなあ、、
彼らの言っていることは正しいのかも?

そんなやり取りを経て、
郷に入っては郷に従うしかないべ!てなことで、
当社でベースとなるサイズを決めオーダーすることになった。


これが2005年頃、初期のオーダーリストの一部。
開き表示が日本の縦辷りとは逆なので、
こっちサイドが間違わないように日本語で表示しています(笑

この当時は、エクセルのマクロファイルを窓メーカーから送ってもらい、
それにサイズ入力すると、窓の断熱性能Uw値も自動で算出されるもので、
日本にはそんな便利なものなかったですからね、
このエクセルファイルには驚き、感動したものでした。

初期は窓スタイル毎に単窓だけのオーダーでした。
それだと窓の表情のヴァリエーションが限定されるので、
ヨーロッパのようにもっと自由に、窓の表情を創りたくなり、
2010年頃に窓の組み合わせで窓をデザインするようになります。
窓のコンビネーションですね。


このオーダーリストは三代目かな。

これは窓の開きタイプ別に、
組み合わせやサイズを入力し組み合わせを自由に起こせるアプリがあって、
無料で貰えたことが大きかった。

もちろん、デザインした窓のUw値も即座に計算することができる代物で、
フレームタイプ、ガラス、ガラススペーサーを自由に選択すると即座にUw値を表示される、
こういうところがヨーロッパが20年進んでいるところだよなって感心したものです。

そして、現在は主に有料版のアプリを利用するようになり、
より自由に、より詳細にカスタマイズできるようになっています。

出来合いの製品から選ぶのではなく、
建築エリアに最適なスペックを、造り手側自らが判断し、
構成部材を自由にカスタマイズできるってのが何よりすごいですね。


壁に対してどれだけのサイズだとバランスがいいか、
サイズを大きくしたり縮めたり、確認しながら悩んだ末に整える。

写真のような8枚のコンビネーションのFIX窓も、
8枚同サイズでもいい、表情を変えたいなら好みでサイズを寄せてみてもいい、

窓一つ、どんな表情を持たせられるか、

なんて、考えるのも楽しいものです。

今週末の見学会で、

私なら、ここにこんな窓があったら・・・

なんて、想像してみるのも楽しいかもしれませんよ^^

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