外壁の漆喰仕上げと窓が内付けであることの相乗効果が大事

良いお天気が続けば芝が枯れ始めるので水やりに忙しいし、雨が降れば降ったで現場はそれなりに滞る。
どちらが好きかと問われればお天気が続いた方が良いに決まっているもののいずれ穏やかにバランスが取れたらいいのにね。そんなことから工程的にも心配になったのでちょっくら現場へ。

岩手県盛岡市の外壁仕上げ中の今日の現場から。

こちらは2階建てから平屋住宅にお建て替えです。

外壁を漆喰仕上げ中 (1)の画像

雨が降ったからか今日の外部作業はお休みのようです。内部は問題ないのですが、外壁の漆喰仕上げ作業には雨が一番の大敵。塗ったばかりで硬化していない状態で雨が当たると流されてしまうのです。今は足場もありますから、足場に落ちた水滴が外壁に飛び散ってしまうのですよ。

仕上げ済みの一般外壁材ならどれだけやりやすいかが想像していただけるのではないでしょうか。

やりやすいからと理由で、今更もう戻りはしませんけどね(笑

そこで改めて、こうお天気に左右されながらも

なぜ漆喰仕上げに拘るのかを

答え: 一次防水としてのコーキングを無くしたかったから。

1. コーキングがない外壁のメリット

住宅の外壁には、窓や隙間を塞ぐために「コーキング(シーリング材)」が使用されるのが一般的ですが、現在こちらの平屋の家も含め、一次防水層にコーキングを必要としない仕上げと細部に防水のための仕掛けが施されています。

そのメリットとして、コーキングの劣化リスクを排除できること。コーキングは外壁にとって「一次防水」として重要な役割を果たしますが、紫外線や雨風で劣化しやすく、数年ごとにメンテナンスや交換が必要です。コーキングが劣化すると、そこから水が侵入し、カビや構造の腐食を引き起こす可能性があります。この平屋の家のような仕様仕上げにすると一次防水にコーキングを使わず、劣化のリスクを減らし、頻繁なメンテナンスが不要となるため、手間もコストも大幅に軽減させることができます。

長期間美観を保てる

コーキングは経年劣化するとひび割れたり、変色したりするため、家の外観を損なう最初の部位になり得ます。コーキングを外壁面から無くすことで、外壁全体が均一な美しい仕上がりになり、長い間その美しさを保てる点が大きなメリットになります。特に家の外観を重視する方にとっては、この点は大きな魅力となるはずです。

2. 漆喰のメンテナンスの容易さ

私たちが建てる家の外壁には標準的に漆喰が使われていて、この無機素材である漆喰は多くのメリットがあります。

ヨーロッパの事例に見る長寿命とメンテナンスの少なさ

漆喰は何世紀にもわたってヨーロッパの建築で使われてきた素材で、適切に施工された場合、100年以上持つこともあります。漆喰はカビや虫に強く、防火性能も優れています。また、自然素材であるため、環境にも優しい選択にもなりますからね。

さらに、漆喰は時間が経つとともに硬化していくため、強度が増していく特性を持っています。一般的な外壁素材よりもメンテナンスの頻度が少なく、汚れた場合でも簡単に洗浄液を塗るだけで良いことが多いため、忙しい生活を送る家庭にとっては大きなメリットとなるはずです。

3. 内付け窓のメリット

窓周りもチェックしてみましょう(笑

外壁を漆喰仕上げ中 の内付け窓の画像

写真の外壁はまだ漆喰の下塗り段階です。そして外壁面より内側にサッシが取り付けされているのがわかります。

日本の一般的な「半外付け」との違い

日本では、多くの住宅で窓のサッシが外壁よりも外側に出ている「半外付け」のスタイルが一般的です。これは窓の取り付けが簡単でコストが抑えられる利点がある一方、外壁からの雨風を直接受けやすく、長期間の使用でサッシ周りに劣化や隙間が生じやすいというデメリットがあります。

私たちがつくる家ではドイツサッシを「内付け」と呼ばれるスタイルで取り付けし、窓枠が外壁の中にしっかり収まっています。これにより、窓周りの耐久性が向上し、雨風の影響を受けにくく、長期間にわたって窓周りのメンテナンスがほとんど必要なくなります。

防水性と断熱性の向上

内付け窓は、窓と外壁の接合部がしっかりと保護されるため、防水性が高まります。これにより、家の構造が水の侵入から守られ、内部の結露やカビの発生を防ぐことができます。

また、当社独自(特許取得済み)の熱橋(断熱性を損なう部分)対策が施されているため、冬場の冷たい外気や夏場の熱気が窓から室内に伝わりにくくなっています。これにより、冷房や暖房の効率が上がり、家全体のエネルギーコストを抑える効果が期待できます。特に寒冷地に住む家族にとっては、冬の寒さを和らげ、快適な室内環境を保つための重要な要素となるはずです。

4. コーキング不要な窓周囲のメリット

劣化しないデザイン

一般的な住宅の窓周りにはコーキングが使われますが、私たちがつくる家ではコーキングは外気に接していません。これにより、コーキングの劣化やひび割れによるメンテナンスの必要がなく、窓周りがいつまでも美しく保たれる点が大きなメリットになるはずです。

シンプルなメンテナンス

コーキングが露出しないため、窓周りの掃除やメンテナンスが非常にシンプルです。忙しい家庭にとって、手間のかからない家の管理は大きな魅力です。窓枠や外壁の見た目も長期間にわたって美しい状態を維持できるため、外観の美しさにこだわる方や経年美を重視される方には最適です。

このように、外壁が漆喰であることや内付け窓であることは、相乗効果として家のメンテナンスの手間を減らし、長く快適に住める環境を整えてくれるはずです。特に、家事や育児で忙しい方にとって、メンテナンスが少なくて済むというのは大きな魅力なのではないかと思うのですが、今一度、周囲の普通の家に疑問を持ち、100年200年住み続ける世界では普通ではないってことに、ちょっとだけ注意を向けてみても良いかもしれません。

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