天気予報により今日予定していたフレーミングを延期。早朝から降っていた雨も10時頃には上がり青空が見えたのはいいのですが、その後今日一日中強風。そして雨・風にもう一つ、雨上がりなのに、
あれ、岩手山がかすんでるんだけど・・
と気づいていた方、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。
それが夕5時前には、
雨も降ってないのに、ほぼ視界不良状態までに。
予報によれば、今日21日から明日22日にかけて、北日本から西日本の広い範囲に黄砂が飛来するとのこと。私的には数日前からだと思いますが、いずれなかなかしんどい日が続きますね。
ただ、この天気、家づくりを考えている方にとっては、ちょっと立ち止まって考える価値のあるタイミングかもしれません。
というのも、
外の空気が汚れている日に、家の中の空気はどうなっているのか
この視点を家づくりの段階で持っていた人と、持っていなかった人で、住み始めてからの快適さがけっこう変わってくるからです。
黄砂って、正直いままではあまり気にしてこなかった、という方が多いと思います。
九州や西日本の話、くらいの感覚で。実際、岩手で黄砂が注意報レベルで飛んでくるのは、春の短い期間だし、雪のほうがよっぽど切実ですからね。
でも、住んでみて気づくんです。
黄砂の日に洗濯物を外に干してしまって、取り込んだら薄茶色くなっていた
車のフロントガラスがざらざらで、ワイパーをかけたら細かい傷がついた
とか。そのくらいは、経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
家の中はどうか。
新築で引っ越したあと、
家の空気がなんとなく埃っぽい気がする
子どもが春先になると鼻炎がひどくなる気がする
家の中の床・棚類が砂でザラザラする
こういう話、完成見学会でも、入居後の訪問でも、ぽつぽつと出てきます。花粉のせい、黄砂のせい、PM2.5のせい、と原因はひとつに絞れないこともありますが、共通しているのは、
この汚れを含んだ
外の空気が家の中に入り込んでいる
という事実です。
換気は大事。わかっている。でも、窓を開けたら黄砂が入ってくる。閉めたら空気がこもる。どうするのがいいの、よくわからない、そんなモヤっとした感覚ないですか。私の場合、花粉は悩まないですが、この黄砂にはかなり敏感です。
家づくりの打ち合わせで「換気はどうしますか?」と聞かれて、正直なところピンとこなかったという方は多いのではないでしょうか。壁紙や床材の話は盛り上がるのに、換気の話になると急に専門用語が増えて、置いていかれる感覚になる。「24時間換気がついてますよ」「熱を逃がさない熱交換90%ですから」と言われて、「あ、はい」と流してしまう。
私もそう思います。換気の話は、地味ですからね。見た目にも映えない。SNSでバズらない。でもですよ、家に住み始めてからの空気の質を左右するのは、間違いなくここなんですよ。
そして岩手のように、冬は-10℃近くまで冷え込み、春は黄砂と花粉が飛び、夏はヤマセで湿度が上がり、という気候の土地で、
窓を開けずに空気を入れ替える仕組みの重要度が、他の地域より一段階高くなる
というのが、現場で家を建てていてこの時期実感してしまうのです。
では、何に気をつけて家をつくれば、黄砂の日でも室内の空気をきれいに保てるのか。技術的な話を、できるだけかみくだいて書きます。
1. 高気密と換気計画は、セットでしか意味がない
「うちは高気密です」という言葉、カタログでよく見かけます。確かに家のすき間からは汚れた空気は入らない。でも、必要以上の極高気密だけを追いかけても、正直あまり意味がないんです。
気密が高い家というのは、言い換えると「決めたところからしか空気が出入りしない家」のこと。すき間風がないぶん、どこから空気を入れて、どこから出すか、あらかじめ設計しておき施工品質で実現する必要があります。ここを怠ると、せっかく気密を高めても、空気がよどんだり、局所的に結露したりする可能性もあり得ます。
逆にいうと、気密と換気の設計がきちんと噛み合っている家は、窓を閉め切ったままでも、空気が計画通りに動きます。黄砂の日に窓を閉めていても、家の中の空気は入れ替わり続ける。
これが、寒冷地で快適に暮らすための基本の仕組みだと、私は考えています。
2. 換気システムのフィルター内容を確認する
第一種換気(給気も排気も機械で行う方式)を採用している家の場合、外から取り込む空気は、フィルターを通って室内に入ります。このフィルターの性能が、黄砂やPM2.5をどこまで捕まえられるかを左右します。
フィルターにはグレードがあって、花粉を防ぐレベルのものから、PM2.5や黄砂の細かい粒子までキャッチできるものまで幅があります。家を建てる段階で、
どのグレードのフィルターが入っていて、交換は自分でできるのか、どのくらいの頻度で交換する想定か
を確認しておくと、住み始めてから戸惑うことが減ります。
ここ、打ち合わせで聞いても嫌がる工務店はいないはずです。
3. 玄関と、花粉・黄砂の「落とし場所」をつくる
もうひとつ、設計でできる工夫があります。
帰宅したとき、上着や髪についた黄砂・花粉を、家の奥まで持ち込まないための動線をつくっておく、という発想です。玄関の横に土間収納をつくる、上着やコートを玄関で脱げるようにする、洗面所を玄関のそばに配置して「帰ったらすぐ手洗い・うがい」の動線を短くする。こういった間取りの工夫で、外からの汚れが室内に広がりにくくすることも可能です。
4. 「屋根の上」「窓枠の上」「外壁の汚れ」
今日のような強風の日は、黄砂そのものよりも、巻き上げられた砂埃と一緒に飛んでくる細かいものが厄介だったりもします。網戸に付着して、次に窓を開けたときに室内に入ってくる、屋根の天窓の汚れ、サッシ枠上に積もった汚れが雨だれに、というパターン。
そして白い外壁が黄砂で黄ばむというほどの現象も関西方面では報告されています。しかし、漆喰の場合は自浄作用なのか時期に戻るとの報告もあります。
岩手の春先は低気圧の通過で風が強くなる日がそれなりにありますからね。外壁の汚れ、窓まわりのシーリング、網戸のメンテナンス、このあたりも、
春の強風シーズンが明けたら一度チェックする
くらいの心持で住まれていると、家が長持ちしやすいです。
黄砂も花粉も強風も、岩手で暮らす以上、完全にはなくせませんから。
でも、家の設計とちょっとした動線や暮らし方を整えておくだけで、窓を閉め切っていても、家の中の空気が気持ちいいという状態は、ちゃんとつくれます。そして、そういう家で春を迎えたいものです。
黄砂のこの時期、そんな視点で家のこと考えてみるのも良いかもしれません。
最後に、先週岩手県矢巾町での高気密高断熱住宅の一日フレーミングを紹介します。
遠くにお住まいで見ること出来なかった施主さん向けに、現場に居れた範囲で今日の一日フレーミングを時系列に求めました。 pic.twitter.com/ApQowFpHkB
— oyakata (@ooyakata11) April 16, 2026
この日も強風のなか、一日で終えてくれた彼らの元気に感謝です。
お疲れさまでした!

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