【実験画像あり】漆喰の調湿効果は嘘?ビニールクロスと比べ湿度差「21%」の現実

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漆喰って調湿に効くらしいけど、ネットだと”実は効果ない”って書いてあるし……
どっちが本当なの?

家づくりで壁材を調べていると、たぶん一度はこの壁にぶつかります。

結論から言いますね。漆喰の調湿効果は「ある」。でも「魔法の壁」ではない。 これが正直なところです。

「もうすぐ岩手も入梅だし」てことから、実際に昨日、密閉ボックスで漆喰とビニールクロスを比較する実験をやってみました。今回は、その生データと画像を全部お見せしながら、いいところも限界も包み隠さずお話しします。梅雨のジメジメ、室内干しのニオイ、冬の結露に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

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そもそも、夏の不快さの正体って「気温」じゃなくて「湿度」なんだと気づかされました。スペインなら同じ35℃でも湿度40%でカラッとしていて、暑いけど汗ばむ感じがほとんどなく、日本の80%とじゃ体感がまるで別物。だからこそ、湿気をコントロールしてくれる「壁」を大事に考えているのがよくわかるわけです。

【実証実験】漆喰 vs ビニールクロス、本当に差は出るのか?

理屈を並べる前に、まず実験を見てください。

使用したのは2つの密閉ボックス。(いつもショールームにあります)

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  • 左:壁がビニールクロス+床が合板フローリングの箱
  • 右:壁がスペイン漆喰+床が無垢床の箱
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実験開始時の温度湿度

スタート時はほぼ互角です。ビニールクロス側が44%/24℃、漆喰側が43%/25℃。 同じ条件からのよーいドンです。

ここに、お風呂上がりや室内干しを再現するため、98℃のお湯を55gほど入れたグラスを両方に放り込んで密閉しました。一気に湿度が上がる、あの梅雨のジメジメ部屋を再現したわけです。

7分後、もう見た目で差がつきました

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たった7分です。

  • ビニールクロスの箱:86% → 全体が真っ白に曇ってしまいます。
  • 漆喰の箱:78% → わりとクリアに見えます。

※ここでは7分を拾っています。下のほうの表は5分・10分刻みの記録です

ビニールの箱はもう完全に蒸し風呂状態。漆喰の箱は、壁が湿気を吸い始めてるだろうことが目で見てわかります。

75分後、湿度差は「21%」まで開いた

スマホで録画設定し、そのまま放置して記録。その記録を確認するとその後の差はさらに広がります。

  • ビニールクロス:87%で高止まり(湿気の逃げ場がない)
  • 漆喰:66%まで自然に低下(時間をかけて吸ってくれた)
経過時間 ビニールクロス 漆喰 湿度差
開始 (0分) 44% 43% 1%
5分後 84% 74% 10%
10分後 86% 79% 7%
20分後 88% 77% 11%
30分後 88% 75% 13%
40分後 88% 72% 16%
50分後 88% 69% 19%
60分後 88% 67% 21%
75分後 87% 66% 21%

※漆喰は10分時点で一度79%まで上がり、そこから下がっていきます。

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最終的な差は21%。ビニールの部屋がずっと蒸し風呂なのに対して、漆喰の部屋は急な湿度の跳ね上がりを抑えつつ、じわじわ快適な湿度まで戻してくれます。

数字で見ても、画像で見ても、差は確かにあります。これは事実です。

なんで漆喰は湿気を吸うの?秘密は「無数の小さな穴」

「で、なんで漆喰だけ湿気を吸うの?」って話ですよね。

カギは漆喰の「多孔質構造」です。

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漆喰の表面には、顕微鏡でしか見えないレベルの小さな穴がびっしり空いています。この穴が、

  • 湿気が多い時 → 空気中の余分な水分を吸い込む
  • 乾燥してる時 → 溜めた水分を吐き出す

これを勝手に繰り返してくれる。いわば電気のいらない天然の除湿・加湿器みたいなものとイメージしていただけたらよいかと思います。よく「呼吸する壁」って呼ばれるのはこういう理由からなんですね。

漆喰のうれしいポイントは調湿だけじゃない

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ついでにお伝えすると、漆喰のメリットは湿度だけじゃありません。
先日お伝えした「蓄熱・蓄冷」機能に加えて以下の効果もあるのです。

  • 結露・ダニ抑制:湿気を抑えるから、カビやダニの原因をそもそも作りにくい
  • 生活臭の分解:ペット臭やタバコ、生活臭(アンモニアなど)を吸着・分解してくれる
  • カビ・菌のブロック:漆喰の「強アルカリ性」が菌の繁殖を抑える

室内干しのニオイが気になる方には、消臭効果はかなり刺さるポイントだと思います。

【ここ大事】ネットで「漆喰は効果ない」と言われる理由

さて、ここからが今日いちばん正直に話したいところです。

検索すると「漆喰の調湿は限定的」「実は効果ない」って記事、たくさん出てきますよね。あれ、半分は本当です。

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実は今の漆喰、法律上の「調湿建材」の基準(JIS基準:70g/㎡)を満たしていないことがほとんどです。一般的な漆喰の調湿量は約40g/㎡。基準にぜんぜん届いてません。

理由はシンプルで、「厚みが足りない」から。

  • 昔の家:下地が分厚い土壁(15〜20cm)→ たっぷり吸えた
  • 今の家:石膏ボード+薄い漆喰(たった1〜2mm)→ 吸える量が少ない

昔の漆喰がよく調湿したのは、漆喰そのものというより「下地の分厚い土壁」が効いていたんですね。今は下地が石膏ボードなので、表面の1〜2mmの漆喰だけで長時間の湿気を全部吸いきるのは、正直ムリがあります。

さっきの実験も短い時間の範囲での湿度変化だから差がくっきり出た面はあります。実際の夏はずっと長い時間高い湿度の水分を吸い続けることはできないのです。ここまで劇的な差にはならないこともある。ここをごまかさずお伝えするのが、今日の役目だと思っています。

あくまで、空気中の上下する湿度の調整機能、だから「調湿」。「除湿」「加湿」ではないことに注意が必要です。

じゃあ意味ないの?→ プロの「工夫」で限界は超えられる

「なんだ、効かないなら意味ないじゃん」と思いました?

そんなことはないです。限界があるなら、その上で活かす方法を考えればいい。ポイントは「厚み」と「組み合わせ」の2つです。

工夫①:厚塗りで吸える量を増やす

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漆喰の調湿量は「厚み=体積」にほぼ比例します。だから下地に砂漆喰を塗って、合計の厚みを2mmから4mm、もしくは蓄熱性能の話でもお伝えしたように厚みを5㎜に倍増させる。これだけで、吸放湿できる量がグッと増えます。湿気の受け入れ能力を大きくするイメージですね。

工夫②:「無垢床」と組ませて空間ごと呼吸させる

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壁だけで頑張らせない。これも大事です。

調湿性の高い無垢材の床と組み合わせると、空間全体で湿気を吸ってくれる。実は今回の実験で湿度が低く保たれた右の箱、これも当社標準でおススメしている『漆喰×無垢床』の組み合わせとなっています。

壁と床、両方で呼吸させる「適材適所の設計」。これが現代の家づくりで自然素材の力を最大限に引き出す正解だと、当社では考えています。

まとめ:数字も大事だけど、本物の質感は見てほしい

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整理すると、こんな感じです。

  • 漆喰の調湿効果はある(実験で湿度差21%を確認)
  • ただし現代住宅では限界もある(薄塗りだけだと吸いきれない)
  • 厚塗り+無垢床で、その限界はちゃんと超えられる

漆喰は魔法の壁じゃありません。でも、正しく設計すれば、湿気・ニオイ・カビを穏やかに整えて、暮らしの快適さを底上げしてくれる確かな素材です。

そして何より、左官職人が手で仕上げる
あの陰影のあるテクスチャ。
光の角度で表情が変わる壁の美しさは、ビニールクロスじゃ絶対に味わえません。住むほどに味が増すのが漆喰の良さです。

ただ、この質感ばかりは写真や数字じゃ伝えきれないんですよね。だから、ぜひ一度ご自分の目で見て、手で触れてみてください。今週末6月7日日曜日開催の「塗り壁教室」では、本物の漆喰の壁の粉の状態から塗った後の質感まで直接触れていただけます。この機会にぜひ遊びにいらしてみてください。

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