高い断熱性能と窓デザインの自由度で岩手の家を豊かにしたい

トリプルガラスに格子の画像

初めて訪米した際の窓デザイン、特に一体のコンビネーションデザインの豊富さと自由さに圧倒されたものです。と同時になぜ日本の窓は自由な窓デザインができるしくみがないのだろうと疑問に思いました

日本の家を変えるためには高断熱な窓と自由な窓デザインが必要

アメリカでは自在にコンビネーションサッシがデザインされていることを日本の人たちは知らない。ヨーロッパでは80年以上前既にトリプルガラスが使われていたことも知らない。インターネットで調べることのできない時代でしたから、それも今思えばしょうがない話と流せないでしまった。当時日本の人たちにというか、少なくとも岩手の人たちには知って欲しいし、知ってしまった自分にはその責任があるとも思ってしまったのです。

だから岩手に居ながらにして、直輸入することになったのですが・・
今思えば無謀とも言えますけどね(笑

欧米の窓システムの特徴

欧米の窓の仕組みを簡単に説明します。

北米の窓
欧米、特に北米やヨーロッパでは、窓の断熱性能に対する規制が厳しく、高性能な窓が一般的に存在したわけです。例えば、北米には30年前既にトリプルガラスもLow-Eガラスもありました。各州ごとに厳しい断熱基準が設けられていて、ペアガラスでもLow-Eアルゴンガスが推奨されていたのです。

ヨーロッパの窓
その15年後ヨーロッパに目を向けると、トリプルガラスはもちろんのことサッシ枠の分厚さに圧倒されたものです。特にドイツのパッシブハウス基準では、窓のU値(熱貫流率)は非常に低く、極めて高い断熱性能が求められています。これは、岩手のような寒冷地において室内の熱が外に逃げるのを防ぐためです 。

欧米の窓の高い断熱性
また、欧米の窓は多くの場合、寒冷地においては三重ガラスが使用されており、アルゴンガスやクリプトンガス充填、低放射コーティング(Low-Eコーティング)などにも歴史があり、現在でもその技術は日本のものより高いレベルにあるように思います。その結果、熱損失が大幅に抑えられ、室内の快適性が向上していたのです。

欧米の窓デザインの自由度
さらに、欧米では窓のデザインにも自由度が高く、開口部の形状やサイズ、操作方法(例えば、傾斜回転窓やスライディング窓)、ドイツにみられるドレーキップ窓など多様な選択肢があります。これにより、建築デザインの幅が広がり、住まい手のニーズに柔軟に対応できる仕組みがあるわけです。

高断熱化とデザインの自由度の重要性

日本の住宅がさらに進化するためには、以下の点が重要です。

高断熱化の推進
窓の高断熱化は、エネルギー消費を削減し、環境負荷を軽減するために不可欠になります。特に岩手においては3層ガラスでLow-Eコーティングされ最低でも樹脂スペーサーを採り入れた樹脂サッシの採用を最低でも進めることが必要です。さらに窓周囲にあるヒートブリッジ対策をすれば、ぺガラスを3層ガラスした場合と同程度の省エネ効果が見込めることになります。

デザインの自由度の拡大
窓のデザインが自由であれば、建築デザインの可能性が広がり、より魅力的で機能的な住宅デザインを実現できます。開口部の形状やサイズ、操作方法に多様な選択肢を提供することに繋がるはずです。

欧米の窓から学びを実現できたこと

アメリカの窓との出会いからこれまでの30年をかけ、今できていることを簡単にまとめます。

3層ガラスのドイツ製ドレーキップ窓
トリプルガラスの樹脂サッシが標準化されて15年。将来更なる断熱化への変化にも対応も可能なドイツのドレーキップ窓を標準化しました。何と言っても6層の樹脂枠、3ガスケットは外せないものとなっています。

3層ガラスに樹脂格子
フランスのホームセンターで見かけた3層ガラスを格子で挟み込む仕組みとの出会い。これだったら3層ガラスの断熱性能を損なわずに済みそう。てことでそれも実現できるようになりました。

トリプルガラスに格子の画像
このように、岩手県矢巾町に完成したばかりの家にも採用いただいています。

何より、窓枠が外壁より内側に入っていると窓がきれいに見えるってのが良いですね。

コンビネーションデザインされた大きな窓
コンビネーション窓のデザインはアメリカが一番。その経験からドイツのサッシでコンビネーションデザインを実現できるようになりました。

9窓コンビネーションサッシの画像
岩手県矢巾町に先日上棟した家のコンビネーションデザインされた窓を内側から観るとこんな感じです。こちらの窓の場合、一番下両サイドの窓がドレーキップ窓で開閉できて、ほかの7つの窓がFIXでデザインされています。縦3列横3列のそれぞれお好みに合わせてのサイズ調整も可能ですし、縦4列横4列でも自由にデザインすることができるのです。

全開放できるフォールディングドア
アメリカの住宅展示場で初めて観てから憧れ続けた折り畳みでき全開放できるフォールディングドア。この窓タイプは当社で建築する9割で採用されるほどの人気で、この窓タイプが実現できるようになったことは当社にとっては大きかったかもしれません。

ヨーロピアンカラーの樹脂サッシ
ウォールナットとオークの杢目調2色、グレー系2色、青の5色とベース色の白を加えて計6色をラインナップしていますので、自由な窓デザインに色を添えることで家の表情をより豊かなものにすることもできます。

欧米で憧れながらも未だ出来ていない窓

10年以上前でドイツの見本市で驚きの開閉を見せてくれた窓を、今日の最後に紹介します。