高気密・高断熱住宅が当たり前に認識されるようになった近年、新築ではほぼ見られなくなったのが縁側ではないでしょうか。
昔の縁側のように、窓を引いたら室内が外に開放されるあの感覚。
高断熱の家でも、リビングの壁が、まるごと開け放てたら・・・
そう思ったことはないでしょうか。ですが、断熱と両立できる引き違いの4枚建具、もしくは引き込みタイプの窓がない。となれば、高気密と高断熱を優先するのが当たり前になっていたので、引き違いの採用を見送る、というのが通常になっていました。ところが、できないと思っていたそれを実現するのが、フォールディングドアではないか。と思える出会いがアメリカであったのです。
ガラス戸を折り畳んで、開口部を全開にできる窓。こんな窓を初めて見せられたら、そりゃあ驚くし、ぜひ日本にも紹介したいと思ったわけです。
この時の出会いがあったおかげで、このフォールディングドアが現在、新築住宅の約9割で採用されるまでになっています。
今日は、このフォールディングドアのアメリカで見た仕組みとの違いや断熱性能、そして採用までに10年ほどかかった理由についてお話ししたいと思います。
今日引き渡した家にも、この窓が付いています。
トリプルガラスのフォールディングドア。閉めれば断熱の壁、開ければテラスと一続きの大開口。ちょっと前まで、採用率は7〜8割ほどでした。直近で数えてみたら、9割の家に入っています。… pic.twitter.com/oIrBMkSeJS
— 親方|岩手の高断熱住宅 (@ooyakata11) July 24, 2026
こちらが、現在採用されている、当社の4連フォールディングドアです。
アメリカで初めて見たフォールディングドアと、当社のフォールディングドアの違いがわかりますでしょうか。
1.アメリカは、外側に折れる。ドイツサッシは、内側に折れる。
2.アメリカは、片側に全窓折り畳まれる。ドイツサッシは、端の一枚をドレーキップとして、
普段の出入り口、換気用の窓として使えるようになっています。
3.アメリカは、当時はペアガラス。ドイツサッシは、トリプルガラス。でも、女性でも軽く
開けられる。
フォールディングドアとは
複数枚のガラス戸をヒンジでつなぎ、レールの上を滑らせながら折り畳んで全開にできる窓です。引き違い窓は開けても開口の半分が戸で塞がりますが、フォールディングドアは戸が端に畳まれるため、開口部の全面が開きます。リビングとテラスの床をつなげれば、内と外がひとつの空間になります。
課題は、大きな窓と断熱性の両立
一般的に大きく開く窓は、閉じているときの断熱性能が弱点になる傾向にあります。当社が採用しているトリプルガラスの樹脂サッシ製フォールディングドアは、ガラス3枚折れ戸、もしくは2枚折れ戸とドレーキップドアとの組み合わせ。大開口でありながら、ドイツの断熱性の高い樹脂枠とトリプルガラスで、岩手の冬の寒さに耐える断熱性能を基本としています。
窓の性能、ガラスだけ見ていませんか。
20年ほど前、ドイツの建材展示会BAUで教わりました。「窓はガラスの枚数より、枠の断面を見ろ」と。
樹脂枠を切ると、中の空気室(チャンバー)とガスケットの数が見えます。この動画の枠は6室。部屋の数だけ、熱の通り道が細かく仕切られている。… pic.twitter.com/0GDxJNucJf
— 親方|岩手の高断熱住宅 (@ooyakata11) July 19, 2026
フォールディングドア採用までを、年表で振り返る
[約25年前アメリカで]
初めてフォールディングドアに出会う。輸入を検討するも、最小ロットがコンテナ単位。「何年分輸入しなきゃならないの?とても工務店でできる範囲ではない」と判断し、断念することに。
[2008年チェコの木製サッシ工場で]
1本単位・自由サイズでの輸入が可能とのことで、木製フォールディングドアを初採用
[2010年ドイツの樹脂サッシ工場で]
樹脂サッシでも、一本単位・自由サイズで製作可能とわかり、トリプルガラスの樹脂フォールディングドアへ移行
[2015年フォールディングドアを通常採用に]
[2018年高窓フォールディングを試験的に初採用]
[2026年新築の約9割で採用までに]
高窓フォールディングという選択肢
2018年には、高い位置の窓にもフォールディングを試験的に採用してみました。というのも、バルコニーとサンルームの二役を担えるのでは、との発想からでした。
洗濯物干せるバルコニーのご要望があり、サンルームがバルコニーにもなり一年中使える窓があるとしたらどうですか?と15年程前チェコで見かけてからずっと温めてた窓を提案。採用頂いたこの高窓フォールディング。インナーバルコニーより安上がりだし一年中使えるだけコスパは高い。 pic.twitter.com/uDxwFOU28D
— 親方|岩手の高断熱住宅 (@ooyakata11) September 22, 2024
高窓を全開にすると、バルコニー代わりになり、ビールも飲めるし、布団だって干せます。バルコニーって、ほとんどのお宅で冬は使われていない現状から、「窓を閉じれば、冬は断熱の良いサンルームとして機能するなら一年中使い切れるよね」と考えたのです。換気量も大きく、夏は上から排気する排熱窓としても機能しますしね。
この時は、3連窓タイプでしたが、昨年から4連を採用いただけるようになりました。
そして、こちらが最新の4連高窓フォールディングです。
この窓、壁ごと開きます。
4連の高窓フォールディング、トリプルガラス。全部畳むと、2階の壁一面がそのまま大開口になります。手すりの向こうは川と原っぱ。開ければバルコニー、閉めれば部屋。岩手の冬ごと、一年中使い切れます。… pic.twitter.com/IwJDg1xXcm
— 親方|岩手の高断熱住宅 (@ooyakata11) July 26, 2026
さすが4連になると、開けると圧巻です。
開けたまま、オープンカフェのように、椅子に座ってコーヒータイムを満喫できそうです。
虫が気になる季節なら、この以下のように。
フォールディングドアを開ける動画を出すと、たいてい聞かれる。
「網戸はどうするんですか」答えは、これ。
4連のうち、1つはドレーキップ。内に開くのと、上を倒すのを、ハンドルひとつで切り替える窓。網戸を引いてから、倒して換気する。… pic.twitter.com/khDufrzBUa— 親方|岩手の高断熱住宅 (@ooyakata11) July 29, 2026
うち倒し換気部分だけを網戸にも、全面にも網戸を引けるのですから、便利です。
この網戸の開閉方式、うちのスタッフが考えたのですから、即採用となったのもわかると思います。
フォールディングドアの魅力まとめ
フォールディングドアの魅力は、なんと言っても、開けた瞬間に「窓があったことを忘れる」開放感ではないでしょうか。そして閉じれば、トリプルガラスの断熱性能で岩手の冬の寒さから室温を守る。開けても閉じても妥協しなくていい。
これが、当社が行き着いた答えです、
開閉の感触と開放感は、動画でも実物には及びません。モデルハウスで、ぜひご自身の手で直に触れて畳んでみてください。軽快さを実感できるはずです。


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