フレーミングの日は、断熱工事をしない。
それがうちの基本です。
でも一昨日の花巻の現場は違いました。1か所だけ断熱を入れたのです。
1階の天井(2階床ライン)の外側上。
フレーミング後では、断熱工事が大変な場所。
なので一般の屋根裏の構造とは違えて、床組み構造としています。
屋根の合板を張ってしまえば、外からも内からも二度と見えなくなる場所です。
花巻の現場の一日を、45秒にまとめてみました。
この途中のどこかで、断熱を入れています。短いですけど。
花巻市、一日フレーミング。
今日の総仕上げ。朝5時からの高速通行止めで、スタートは30分遅れ。
運搬が間に合うか、正直心配だった。それでも午後4時、上棟。
屋根の養生と片付けを終えて、4時半。
暗くなる前に終えられて、ほっとした。何度も顔を出してくれた施主さんに、感謝。… pic.twitter.com/tF5tQAPzta
— 親方|岩手の高断熱住宅 (@ooyakata11) October 20, 2026
答えは、一階の屋根屋根パネルがかかる前後です。その場面は、後半の動画でくわしく見せします。
高断熱の家なのに、なぜ冬に足元が冷えるのか?
断熱等級は高いはずなのに、なんとなく床が冷たい
窓のまわりだけ、ひやっとする
家づくりの相談で、こういう話はよく聞く話です。
性能の数字はクリアしているのに、体がそう感じない。
原因のひとつが、熱橋(ねっきょう)です。
断熱材を入れられないところ、つまり柱や垂木などの構造など木の部分から、熱が逃げていく現象のこと。
花巻だって、1月は朝の氷点下がめずらしくありません。
外との温度差が大きい岩手ほど、この小さな逃げ道の差が、暮らしの体感に差がでます。
充填断熱だけでは、何が足りないのか?
うちは2×4(ツーバイフォー)で家を建てています。
壁や天井の木材の間に断熱材を詰める充填断熱もしていますが、考え方として、外張り断熱層をメインとしています。
充填断熱は、木の間はしっかり埋まります。
ただ、木そのものは断熱材ではありませんので。
木材の熱の伝わりやすさは、一般的な住宅用断熱材のおよそ数倍になります。
壁や天井の中に、一定の間隔で熱の通り道が並んでいるとイメージしてみてください。
正直にいうと、充填断熱だけでこの通り道をゼロにすることはできません。
構造材を抜くわけにはいかないですから。
外張り断熱で、何が変わるのか?
考え方は単純です。
木の部分も含めて、外側から断熱材でまるごと覆う。
充填断熱:木の間を埋める(木の部分は熱橋として残る)
外張り断熱:外側を途切れなく覆う(木の熱橋を外からふさぐ)
外張りの基本は、外側の断熱を途切れさせないこと。
途切れたところがあれば、そこが新しい熱の逃げ道になります。
もうひとつ、構造材が外張り断熱材の内側に入るので、木が冷えにくくなります。
壁や天井の中で起こる結露(内部結露)のリスクを下げる方向に働くわけ。
長く住む家ほど、ここが効いてくるはずです。
フレーミングの日に、どの順番で断熱を入れたのか?
ここからが花巻の現場の話。
1階天井の外側に、断熱材を敷く
その上に垂木パネルを載せる
根太の間に、もう一度断熱材をはめる
すき間は、発泡ウレタンで埋める
最後に野地合板を張る
張り終えたら、もう見えません。
あとから足すことも、確認することもできない場所です。
さっきの45秒の中で、ほんの一瞬だった場面です。37秒に切り出しました。0:02からが断熱を敷くところ、0:24で野地合板が張られて見えなくなります。
基本、フレーミングの日は断熱工事はしない。
ただ、あとからでは断熱が厳しい場所だけ、この日にやる。1階の天井。
あとで充填断熱するが、その外側にも断熱を敷き込む。
外張り断熱の基本は、外側から断熱を途切れさせないこと。
充填断熱で起こる熱橋を、外から抑える。断熱を敷く。… pic.twitter.com/9Dgyofbidp
— 親方|岩手の高断熱住宅 (@ooyakata11) October 22, 2026
フレーミングの日の断熱工事は、うちのスタッフの手間が増えてしまいます。
もしかしたら、一日で上棟できないかもしれないという心配もします。
事前の段取りも重くなる。
それでも、この断熱にはこの瞬間しかない。
だからやるのです。
日よけは、なぜ窓の外側が効くのか?
断熱と同じ考え方が、夏の日よけにも当てはまります。
部屋の中のカーテンやブラインドで日差しを止めても、熱はもうガラスを通って室内に入っています。室内側で受け止めた熱は、そのまま部屋にこもりやすいですよね。
外付けのシェードや庇は、ガラスに届く前に外側で日差しを止めるのが基本です。
熱を家に入れない。
同じ日よけでも、内側と外側でここが違います。
岩手の夏は短いですが、西日の差し込む2階はちゃんと暑くなります。
冬の断熱を上げた家ほど、夏に入った熱が逃げにくい。
だから日よけは、外で止める方が理にかなっています。
窓まわりの熱橋も、外側で抑えるのはなぜ?
窓は家の中で熱がいちばん出入りしやすい部分です。
そして見落とされやすいのが、窓そのものより、窓と壁のつなぎ目。
性能の高い窓を入れても、枠のまわりで断熱が途切れていれば、そこから熱が逃げるのです。
冬に窓のまわりだけひやっとするのは、このつなぎ目が原因のことがあります。
うちはこの対策として、サッシ枠の外側を断熱材で覆う施工方法をとっています。
窓まわりの熱橋を外側から抑える工法で、特許を取得しています(ψinstall、プサイ・インストール)。
屋根も、壁も、窓も。
断熱を途切れさせない場所は、いつも外側にあることが多いのです。
住み始めてから、何が違ってくるのか?
熱橋が減ると、壁や天井、床の表面温度が下がりにくくなります。
暮らしの中では、たとえばこんな形で出てきます。
冬の朝、床に足をつけたときの冷たさがやわらぐ
窓際のひやっとした空気が減り、窓辺にソファを置きやすくなる
部屋ごとの温度差が小さくなり、廊下や脱衣室に出るのが億劫になりにくい
夏、2階の天井から降りてくる熱がやわらぐ
数字の性能は、図面の上で決まります。
でも体感は、こういう見えない場所の積み重ねで決まる、と私たちは考えています。
よくある質問
外張り断熱と充填断熱、どちらを選べばいい?
どちらか一方ではなく、組み合わせる考え方もあります。
充填断熱で木の間を埋め、外張りで木の熱橋をふさぐ。
花巻の現場はこの組み合わせです。
外張り断熱は、あとから追加できる?
場所によります。
今回の1階天井の外側のように、屋根を仕上げると手が届かなくなる場所は、建てる途中でしか入れられません。
熱橋は、完成後に確認できる?
サーモカメラで表面温度のムラを見ると、熱が逃げている場所の目安になります。
ただ、天井の中の断熱材そのものは、仕上げたあとは目で見られません。
施工中の写真が記録として残っているかどうかを、工務店に聞いてみてください。
外付け日よけは、寒い岩手でも必要?
冬の断熱を高めた家ほど、夏に入った熱がこもりやすくなります。
西や南の大きな窓には、外側の日よけを検討する価値があります。
見えなくなる場所は、建てている途中に見てほしい
断熱は、完成するとほとんど見えません。
だからこそ、どこにどう入っているかを知っておいてほしいと思います。
滝沢市の住宅展示場では、冬の床の感触や窓際の空気を、実際に体感してもらえます。
建築中の現場をご覧いただける機会もつくっています。
お気軽にお申しつけください。

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