今朝の岩手県は、この時期にしてはかなり冷え込んでましたね。
一番左の実験棟の温度計の温度は気にしないでください。
いつもの朝方の逆転かと思ったのですが、どうやら調子が悪くなっているようなので・・
真ん中二つとここに表示されない5つ目との比較が主なのでそれほど支障はありません。
ここに表示される温度差は、実験棟内には熱源がないので、
あくまで前日である昨日、窓から採り入れた陽射しの熱を、
断熱性の違いでどれだけ保てるのかで見て頂けたらうれしいかな。
これに家の中で生活した場合、
家電・家事・人体などから発する生活熱が加わると、
この温度差はもっと大きくなる。
日射と生活熱を合わせた自然状態の室温と、
暖房する際の室温設定との温度差が暖房費(燃費)の差ということになり、
簡単に言うと、住宅の断熱をしっかり上げてあげれば家中温度差もなく、
小さな熱で暖められるわけです。
そこで最近気になった記事。
先日、目を通した業界紙。
(慶応義塾大学システムデザイン工学科教授伊香賀俊治先生の記事)
家族の健康リスクのページの一部から。
◆室温の温度差と高血圧
住宅A:床上1mの室温 18℃ 床面に近い場所の室温が高い家
住宅B:床上1mの室温 18℃ 床面に近い場所の室温が低い家
高血圧になりやすい住宅は、A・Bどちらか?
考えてみてください^^
はい、ご想像の通り、
高血圧になりやすい住宅は足元が冷えるような室内に温度差のある
住宅Bなそうです。
ここまでは私でも想像できました。
ところがです。
その高血圧になりやすさの倍率となると、私の想像を超えていました。
住宅の床上1Mの室温は同じなのに、
足元が温かい住宅Aに住む人に比べて、足元が冷える住宅Bに住む人は、
なんと、1.6倍も高血圧になりやすいのだそうです。
それだけ、足元の暖かさとか温度差のない住宅が大事だということ。
これが岩手の一般住宅の室温状態です。
水色部分は床の温度、右の赤い部分がソファテーブル
もし、足元が寒い!という方の室内はこんな感じかもしれません。
◆室温と健康寿命
脱衣所の平均室温 12.4℃の場合、健康寿命は76歳。
では、
脱衣所の平均室温 14.6℃の場合、健康寿命はどのくらい?
なんと、4歳も延びて80歳になるのだとか。
たった2℃、高くするだけで健康寿命+4歳。
単純計算しまうと、
脱衣所の室温16.6℃、健康寿命84歳
脱衣所の室温18.8℃、健康寿命88歳
脱衣所の室温21℃なら、健康寿命92歳に。
・・・最近、これからは人生100年時代というけれど、
健康寿命100歳時代も夢じゃないかも?なんて思えてしまいます。
もし、このように健康寿命を延ばせるとしたら、
次世代への負担をかなり減らすことも可能になるのではないでしょうか。
そう単純ではないでしょうけど^^;
また、WHO(世界保健機関)が昨年の2018年に発表した
住宅と健康に関するガイドラインでは冬季室温は18℃であること、
子どもや高齢者はこれ以上の室温であることを強く勧告していても、
日本の現状の住宅で、もし、家中の平均室温を18℃、20℃を維持するとなれば、
一冬何十万円の暖房費がかかるか。。
となるとやはり、岩手に限らず日本の住宅の高断熱化を進めるしかない。
なのに、日本の省エネ基準を満たす住宅は全国で5%だとか言われていて、
私たちが建てている省エネ基準の2倍以上の断熱性能となると・・・
夜空から星一つ探し出すにのに等しいかもしれません。
以前は、
健康住宅=化学物質を放散しない家=自然素材を使用した家
そんなイメージだったけど、今回のような調査結果が蓄積されるようになれば、
一歩進んで、
健康住宅=暖房費をかけずに家中が18℃以上で暮らせる暖かい家
に、遅ればせながら日本も、社会常識として認知されるようになるかもしれません。
暖房費を気にせず、室温18℃以上で暮らすために、
ヨーロッパ並みにしっかりとした高断熱の家が必要だと。
それが日本人の常識になってほしいですよね。
日本の平均室温10℃という現実から、
8℃という温度差は果てしなく大きいかもしれません。
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