庭木の限界?

15年程前だったかと思うが、あるセミナーで樹医さんの話として

家族4人、呼吸で排出する二酸化炭素なら、
樹径10センチの立木が、庭に7本もあれば足りるんだよ。

と聴いたのをずっと憶えている。

この頃は、訪問して見たアメリカの住宅地の影響もあり、
日本の住宅地の殺風景さに疑問を持つようになった時期でもある。

樹木の緑は、住宅がきれいに見せる。
そんなこともあり、このネタを施主さんによく話をした。

そして、事務所敷地内にもたくさんの緑を茂らそう!
などと思ったのもほんの2,3年まで。現実は厳しいということ知ったのだ。
一般の宅地面積では、植え込みスペースを確保することすら難しい。
それなら、敷地の隅っこの方に一本でも2本でもいいじゃないか、
と最初は思っていたが、それも難しいことを知った。

それは隣地との関係だ。

日本の住宅地には、領空権がある。(らしい)
庭木が成長し、
伸びた枝葉が隣地にはみ出そうものなら領空侵犯になる。

敷地には余裕のある当社事務所でさえ、その通り例外ではなかった。
植樹して7~8年もすると背も伸び枝も空に向かって大きく拡がる。
「ああ、自然な森のような感じになってきたなあ。」
なんて感動し始めた頃、悲しいかな隣国の領空を侵し始めていた。

当社事務所を囲んで立つ木々たちも既に15年。
毎年この侵犯を避けるべく、泣く泣く立木に謝り枝を落とす。
それでも敷地中央からなら、ほとんど気付かれることはないが、
裏側を見れば、こっけいなくらいに痛々しい姿である。

そして今では、問題ははみ出し侵犯だけではない。
秋には風で、飛び道具よろしく枯葉が隣地に落下傘攻撃するのだ。

もう1メートル内側に植えていれば・・・
と思うも、今さら15年後の祭りでしかない。

悲しいけど、、これが住宅地の現状。。

冒頭での立木7本は、呼吸での排出分のみ。
一般家庭の排出分なら、家族4人なら2400坪の森林が必要か。
限りなくこの森に相当する省エネな家を実現したいものです。

そういえば、
二酸化炭素の排出権なるものの売買とやらがあるが、
住宅にもこの仕組みがあったら・・・
なん~てことは、ないだろなあ。。

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8 件のコメント

  • Co2を分解する壁紙・建材や室内空気の循環過程でCo2を酸素に変えちゃう呼吸する家!なんてあったら良いですね☆

  • 排出権を売買しても排出量は変わらない。
    そんなことを考えるより,どうやって減らすかを考えないといけないのではないかと思います。特に○○○○合○国は。(もちろん日本も。)

  • なんぶさん、それいいですねえ、理想です。
    でもとりあえず、観葉植物で家を満たしてみましょうか^^;

  • hiroさんのおっしゃるとおり、まやかしでしかないですね。
    やはり、基本は消費しないことしかないでしょうね。

  • 将来的にはアリかもしれませんよ。
    もっとも、先進国政府がもっと追い詰められなきゃムリでしょうが、住宅性能評価が現在9項目、Co2削減等級なんてのが付加されて10項目…なんて、想像できなくもないです。
    自動車の低燃費車への乗換を促し、グリーン税制(結局は3年しかもたず、今や割引は1年間のみ)なんてのが出来たことを前提に、Co2削減等級2等級以上はローンの利率を減免みたいな。
    政府が指導し、やるべきことをやった上で当然ながら天井が見えはじめた頃(何十年先か、何年先か)、そしたら一般の人々にも多少の猶予期間を置いて税金化してみたりしてくるんじゃあないかと思います。
    でもって省エネCo2削減可な住宅への建替えとか対策改築を要求してくるんじゃないかなぁ…個人的な予想ですが。

  • 新聞で一般的な住宅よりオール電化住宅のほうがCO2排出量が多いとかいてありました。とすれば,オール電化の増加は温暖化促進になるという何とも心苦しい結果となるのですが。

  • 37度さんのおっしゃるとおり、
    そそのような流れもありなのかもしれません。
    二酸化炭素削減率を評価する動きも始まってますからね。
    いずれ、待っていてもしょうがないことかと。

  • hiroさん、確かに消費するエネルギーのみで、
    一次エネルギーに置きかえるとそうなります。
    でも、もともと捨てていた深夜電力の有効利用という
    視点でみれば、広い意味で温暖化対策ではあるのでないかと。

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