やまだすの視界

私が子どもの頃、

おらあはぁ、やまだすだすけぇ、
まづっこのごどぁなんぬもわがんねぇのす。

てな言い方をしている大人たちがいた。

「やまだす」とは、

現代的に言えば、「地方から都会に出てきた人」、
地方よりに言えば、「田舎村から街に出てきた人」、
もっと田舎寄りで言うなら、「山奥の部落から里に下りてきた人」
を言うように使う感じだった。

東京とか大阪の都会に出ると、私はその「やまだす」になる。
山奥からだから・・・
もしかしたら、やまだす3乗くらいかもしれない。

アメリカの都心部に行くと、私なんぞはやまだすの4乗の衝撃かも。


なんたらはぁ、なんだべやこりゃあ、

たまげだなやあ、

大きなため息を付きながらずっと上を向いてすまう。

子どもの頃、街に連れてってもらい3階建ての建物を見ただけで
「これが都会だあ!」とびっくりこいでだのに・・

おとなになった今でも、
高層ビルを見る度にあの頃と同じような感覚になる。


真上を見ては、

じゃじゃあ!

てっぺんがめえねえべ。


あべのハルカスを見た時も圧倒されたけど、
国が変わればこれまた視界が変わるもので受ける衝撃は大きい。


こういうものを創った人間がいて、見上げているだけの自分がいる。

あんなに高えどこさ居で、足元っこに不安はねえもんだべが?・・

もす、ずすんでもきたら・・・

ビル風っこが吹いだらおっかなぐねえもんだべが?・・・

そんなことを考えていたら首が痛くなる。


あすたは東京だべ。

ビルを見上げないように、見上げないように、(きっと見るけど)

しっかり足元だけを見ようと思う。

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