輸入したい!家づくりのノウハウ

ふと見つけた昔の写真アルバム、
写真に写っている内容から20数年前のものだろうことがわかる。

アメリカのデザインノウハウを輸入したい

アメリカの家郊外の新興住宅地にはこういう豪勢な家が建ち並んでいる。
否、並んでいるわけじゃない、隣の家が見えないくらいの距離を保っていて、
裏庭で過ごしても各家のプライバシーが保つには十分に離れている、
今の流行なら、これが当時のアメリカの家の社会的距離だったのかもしれません。

日本で言えば森の中の別荘地的な環境だけど、
これらは自宅であることに加え、家の規模感は日本と比較にならない位に大きく、
この写真の家たちは皆、優に100坪以上の大きさはあるかと。

当時、世界の家は土地の広さも家の大きさも、
その国の住民の身体の大きさに合わせて家を造っているのではないのか・・・
位に思ったほどです^^

デザインの特徴としては、大きな屋根に小さな屋根を組み合わせ、
軒の高さに高低差を付け変化を持たせることで立体感を出しています。

そして何より、窓デザインが目を引きましたね。
日本では見ることのなかった大きくコンビネーションされた窓、
こんなお洒落な窓なんて引き違い窓文化の日本にはなかったですからね。

このようなデザインの家がアメリカではできたとしても、
同じようなデザインの窓が日本にないのだから、日本で同じデザインの家はムリだ、
端からそう思ったものです。

そもそもこの時点で、家づくりは身の回りに存在するモノの中から選択するしかない
そう思っていましたから。

在る所から持ってくればいい、輸入すればいい、
そういう発想は毛頭なかったですね^^;
できない理由はあれど、できるようにする理由を見つけられなかったのです。

アメリカの建材を輸入することになった経緯

それが東京のある人からの一言、

一緒に輸入しない?

の誘いの言葉が輸入へのきっかけになった。

最初は、田舎モンの私らが知らないどころか想像したこともない、
輸入なんてことができるだろうか。。

いやいや、そんな大それたこと、
輸入なんてさ、大きな会社じゃないとできないねえんでないの?
身の程知らずにも程ってものがあるだろ!

しばらく自問自答したものの・・・
岩手に居ながらにして、もし海外と繋がれば・・・
今よりもっと暮らしをより良く変えられるかもしれない、
その希望の方が、やらない理由を上回っったので直輸入は始まったのです。

今のようにネットでどんな情報も得られ個人輸入も当たり前な時代とは違い、
なんの情報も持たずよく直輸入に踏み込んだものだと、今なら思いますね。

アメリカから住宅資材を輸入してみると

輸入を始めると、、
ダメージや行方不明はしょっちゅうだった。都度航空弁で飛ばすとかで、
輸入することはできたものの、輸入故に苦しみがあることを知ることになり、
こりゃムリだわ、こんなのやってられないべ!と、
途中、輸入するのを止めようかと何度思ったことか(笑

7年位すると、
輸入リスクをコントロールできるようなり輸入も安定するようになって、
継続できたのは幸運だったかもしれません。
その経験の上で今でも輸入を続けられているし、新鮮な情報にも触れることもできる。

アメリカの住宅にあるノウハウを輸入したい

振り返ってみて、輸入することのメリットって何だったのか、
最初はモノを輸入することから始まり、
やがて最大の目的はモノに乗っかってくる情報になっていましたね。

なぜモノから情報になったのか、
それは情報の糸を辿って情報源に引き寄せられるように訪れてみると、
そこでは日本にない発想や技術に出会えることを体験してしまったからでしょうか。

アメリカ住宅の断熱ノウハウを輸入

当時、家を高断熱にすることと言えば、
家の壁の中に断熱材を丁寧に施工し、隙間を無くし高気密化する、
程度のことしか知らなかった私に、
当時日本にはなかったLow-ガラスやアルゴンガスの存在とその効果を教えてくれたのです。
それほどに良いものならと輸入することにした。

今では日本も、Low-Eガラスやアルゴンガスなんて当たり前ですが、
当時は、、提案しても皆何とも反応が鈍い、聞いたこともないから伝わらなかったですね。
このままじゃあ、寒い岩手の暮らしは変えられないべ!ってことで、
価格は変えずにもれなくLow-E,アルゴンガスが付いてくる、
みたいな提案に切り替えたりしましたからね(笑

それからというもの、家の高断熱化に関する情報を辿るは辿るわ、

アメリカ住宅の断熱パネル化

当時衝撃的だったのが断熱パネルの存在でした。

ヒートブリッジ対策された住宅パネルそれも、ヒートブリッジ(熱橋)対策が施された住宅の断熱パネルです。

ヒートブリッジなるものさえ知らなかった私がこの壁パネルを見た時、

既に断熱材が挿入された加工度の高い壁パネル、
うちもこういう風になりたいよなあ、
と壁の仕組みや製造手順などをチェックしていくと、

何これ、断熱材が入っているだけの断熱パネルではねえべ、これは!?

柱が内外に通っていない、内外の面に沿って柱を90°平配置にして、
その間に断熱材をは挟み込んである。
なんでこんな面倒くさい構造にしているのか・・・

そこで聞いてみると、
通常の木材の柱自体が断熱材よりずっと断熱性能が低いために、
断熱材を入らない柱などの構造部から熱がかなり逃げる。
だから柱型の間に断熱材を挟み込み、柱から逃げる熱を抑えるのだと。
それこそがヒートブリッジ対策だったのです。

おいおい、アメリカはそこまでやるのか・・

どんだけ、アメリカは進んでいるんだか、、

と驚くも、後にヨーロッパにはもっと驚かされるのですけど。。

世界を知り、己の世界の小っちゃさを知る、

よい機会になっているのも輸入の醍醐味かもしれません。

輸入のリスクと言えば、つい最近のこと。
混載便の輸入荷物が行方不明に。
向こうのメーカー担当者は出荷したというのに、
輸出側の運送担当会社はその荷物が見当たらないという。

当社の担当は慌てて報告に来たのですが、私は大して驚きもせず、

へえ~、今時でもそんなことが起こるもんなんだあ、
まあ、探して見つからないなら再度すぐに注文するしかないよね、
みたいに今では驚かなくなりました。
単に鈍感になってるだけなのかもしれないですけど^^;

世界には、私たちの想像を超える家づくりの発想も、技術も、ノウハウもある。
輸入リスクに比べたら、暮らしが得られる便益の方がずっと大きいと思っています。

欧米から30年遅れの日本の家づくり、

この遅れを・・・

何とかしたいよね。

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