ここに一軒分のトリプルガラスの高断熱サッシがある。
あるものは暮らしに明かりを添え、
あるものは子どもを見守る視界を与え、
あるものは時に大きく外と繋がり暮らしを演出する。
それぞれ一つひとつがすでに枠割を持ちここにいる。
このサッシたちと大共ホームとの出会いがあり、このサッシたちは家族と出会った。
家族が思い描いた暮らしのその先にこのサッシたちは役割を持って生まれたのだ。家族の暮らしを支える窓になるために、今ここで住宅パネルに据えられるのをじっと待っている。
単なるサッシから家に据えられ窓になる。
私たちの誂え方がここから試される。
このサッシたちが一軒の家の窓となり、10年後には窓と共に成長した子どもたちの自立を見送る時が来るかもしれない。
でもその後、成人した子どもたちが帰省した際、窓に触れ、
これだよこれ。この窓だよ。
家に帰ってきたー!ってほんと感じるよ。
そして20年後、孫たちを連れ寒さ厳しい年末年始に帰省した子どもたち家族は、
この窓開けてごらん。
どう?
なんか、ヘンテコな窓だね、ぱぱ。
ははは、今はわからないか?
パパだって、この家にいるうちは当たり前過ぎて気付けなかったからね。
この家を出て、初めてこの窓に守られてたんだってことに気付かされたんだよ。
ほら、窓の縁に触れてみて。
東京のおうちは冷たいけど、ここの窓はぜんぜん冷たくないでしょ。
ほんとだー!
岩手の方が東京より寒いんでしょ。ぜんぜん冷たくないよ。
なんか、へんてこだね。
そして40年が経ち、
オヤジさあ、この家のサッシ交換するんだって?
俺さあ、この窓好きなんだよね。変えるにしてもできたら同じものにしてくれないかなあ。
うん、まあな。でもまだ迷ってるのさ。
抜けてるだろうガスを注入し直してもらうのが一番安上がりなんだけどな。
今じゃ、ガラス厚さがあってもっと断熱性能高いガラスもあるらしいし、
何ならもっと断熱性能の高いサッシに枠ごと交換するのも難しくないというのも、
この窓の特徴なんだそうだからさ。
そっかあ、
それじゃあ、オヤジが迷うのもわかるわ。
もし窓交換する時は教えてくれよな。
外したサッシを俺んちのマンションに付けるかもしんないからさ。
再利用という手もあるのかあ。 じゃあ、安く譲ることにするか(笑
とまあ、そんな妄想を抱きながらサッシを眺める変なオヤジがひとり。
岩手でさ、育った子どもたちが郷愁を感じられる、そんな家を創りたいよね。
ドイツ訪れた孫たちが、盛岡と同じ窓だ!と、驚いてくれたら、それは嬉しいですね。妄想の続きでした。
それ、いいですねえ、きっとそうなりますよ。
来週の家づくり教室、体験談伺えるとのこと、楽しみです。
ありがとうございます。ご参加お待ちしております。