床暖房なしでも暖かい家、されど温水式床暖房がいいよなあ。

先週末完成住宅見学会を開催した北松園の住宅。
床暖房の慣らし運転中の温水温度は27℃でした。

温水式床暖房

この時のサーモカメラ越しに見た床表面温度は約20℃。

温水の循環温度27℃、床表面温度20℃、室温16℃、という流れ。

床暖房でなくても高断熱住宅なら家は暖められる

古くは30年前なら床暖房をメインにしていましたが、後にある不都合な点などがわかり次なる暖房方式を模索し始めました。

①床下FFヒーター1台で全館暖房

30年近く前、FFヒーターの配置、送風方向を見出せばFFヒーター1台で40坪くらいの家までなら全館暖房が可能なことから、それをヒントに施主さんの理解を得てFFヒーター1台暖房にチャレンジしたら、これがうまくいった。これは施主さんが探求心旺盛で技術面でも長けていた方だったのでご自身でいろいろ試してくれたからでもあるかなあ。

この時の断熱レベルは、
ブローイング140mm充填または発泡ウレタン140mm、気密C値=0.22
サッシはカナダから直輸入した2Low-Eアルゴンのトリプルガラスが前提で、
50坪~60坪くらいの住宅でもFF1台で暖房は可能でした、

②熱交換換気型全館暖房システム

これは当時、日本の家電メーカーN、S、T、H、Mなど殆どのメーカーで取り扱っていました。
当社は主にN社です。
1階天井裏に送風ダクト配管し、1階は天井から暖房を送風を吹き出し、2階は床から吹き出すというもの。
当時、当社ではこれが暖房システムとしてはロングヒットになりました。
やはりブローイング140mm充填または発泡ウレタン140mm、
サッシはカナダから直輸入した2Low-Eアルゴンのトリプルガラスが前提だったのに、このシステムをサッシがペアガラス採用の断熱レベルでも採用し始めると風向きは変わりました。

家が暖まらない、暖房能力が足りない。との声が入るようになります。

①床下FFヒーター1台での全館暖房、そして②熱交換換気型全館暖房システムが当初選択されたのには理由があります。

それは、床暖房がそうだったように機器が室内に露出せずインテリア性を損ねない暖房だったからです。

でも皆がかなり高価な輸入トリプルガラスを採用できるわけでもない状況で、そこからペアガラスレベルの断熱でも可能な暖房システムを考えるようになります。
そして、全メーカーが熱交換換気型暖房システムからの撤退。

③温水パネルヒーターで全館暖房

まだまだペアガラスが主流の中、断熱レベルや住宅の規模に合わせてパネルヒーターを配置すればいいことと、温水式床暖房と同じ輻射熱による暖房方式なので採用するようになりました。
ところが、やはりインテリア性と居住空間が制約されてしまうのは・・疑問ではありました。

④深夜電力利用の蓄暖による全館暖房

日中の1/4程の電力単価、全館暖房としての価格の安さ、蓄暖への割引料金まで入ってくると使わない手はないということになります。ですが制約を受ける居住スペースを考えると果たして安価なのだろうか?・・との疑問を持ち始めます。

⑤床下エアコン方式の全館暖房

これも安価で良いのですが・・・個人的にはやはり送風音が気になって・・

結果、

⑤再び温水式床暖房システムに磨きをかけた方が・・

温水式の床暖房による輻射暖房がカラダに理想で初期方式の問題点をクリアすることはできてもその工事費が高くなる。そんなことでスタンダードにすることができずもどかしく思っていました。そんなところに幸運が訪れます。

それは当社の一日フレーミングを学ばせてほしいと来社されていた社長さんからでした。

 えっ、そんな値段で床暖房ができるんですか!?
 それって、うちの半分以下じゃないですか!?

結果、そのお陰でお互いの強みを教え合える良い付き合いになりましたけどね。

トリプルガラスが当たり前になり、高断熱住宅の目安であるQ値・Ua値など性能が向上した住宅なら暖かく暮らすだけならどんな暖房でもいい、暖房の自由度が上がることもわかってきました。

今のそれなりに断熱性能の高い住宅なら、エアコン1台で全館暖房も可能です。

さらに断熱性能の高い住宅なら、セラミックヒーター1台で全館暖房可能なことも確認しました。

だけどやはり、それでも輻射熱でカラダを温める温水式床暖房が理想だよなあ。ってことは変えらなかったのです。

そのほかに、送風による対流がない、運転音や送風音がないことも魅力としては大きかったかな。

温水であることも私の中では重要で、温水なら熱源は電気でも灯油でもガスでも自由ですし、何ならソーラーだって可能性は出てきます。低い温水温度で全館暖房したいなら住宅の断熱性能を上げるか、輻射面積をできるだけ大きくしていくことが考えられます。両方できるのが一番ですけどね(笑

ちっちゃな薪ストーブでの床暖房も今後の可能性としてはあり得るし、

床暖、壁暖、天暖だって可能性はあるよね。

てなことを妄想し始めたら切りがないですけど、でもこの冬、何か一つくらいは試してみたいよね。

毎度のこと、妄想倒れで終わるかもしれませんが(笑

冷え性の方にはおススメしたい床暖房の効果

以下の記事を。

冷え性と床暖房効果

 

4 件のコメント

  • 床暖房、家中どこでも同じ温度で、何をするにも楽です。ストーブの消し忘れも心配しないで出掛けられますし、帰って玄関開けたら暖かい。
    薪ストーブ、電気ストーブ、FF、ファンヒーター、炬燵等、その周りがかなり熱い熱源で冬の暖房まかなうのが普通という暮らしから、パネルヒーターの穏やかな暖房を体験した時は、寒くはないのに、何となく物足りない気がしたものでした。冬の田舎の家は、炬燵の中は暖かいけれど、吐く息は白く背中は寒かったけれど、それが普通でしたから。それから考えると、本当に床暖房様様です。因みに、電気料金も、昨年同月より、ガス代分安くすみました。

    • 私の田舎でも家の中が寒いのは当たり前だと思ってましたね。
      冬に実家に行くと、おお、炬燵だあと懐かしく思うものの、じきに感じる温度ギャップに体の動きが止まり保温モードになります。
      断熱を高め低温輻射で芯から温まるのが理想なのかなと思います。
      そして光熱費も安くなったなんて嬉しい話をありがとうございます。

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