例年この時期開催されるジャパンホームショーの会場である東京ビッグサイト。
肌感ではあるけれど、コロナ騒動以降で一番の来場者ではなかったかと。
午前10時から一部セミナー聴講を挟んで5時までみっちりと探索してみました。
これは!?
という新しい発見はなかったけど、
へえ~♪
という新しい流れを感じたので今日はそのことについて簡単にご報告を。
サッシ取り付け断面から観えた高断熱窓に新たな潮流
サッシを展示している展示ブールは3カ所ほどあったでしょうか。最初に目が止まったのは、お隣の国が出展している木製サッシの断面サンプル。
4層ガラスの高断熱木製サッシ
トリプルガラスにアドオン方式でガラス一枚足しての4層ガラス。まじまじと眺めましたよ、そのしくみを理解しようと笑
で、しくみは解った。でも根本的な所であっけなく興味は失せてしまったのです。だって、10年以上前、何度改善しようとしても変わらなかったことで、自分的には絶対的に必要な機構があった、それが未だに備わっていなかったのだのです。しくみって、一つひとつに意味があるのだから、ドイツを真似るなら徹底的にそのしくみに至る動機まで遡って真似て欲しいと思ったほどです。
写真撮り忘れましたけど、それでサッシてください(笑
視線が引きこまれた三層ガラス樹脂サッシ取付断面サンプル
展示ブースが並ぶ通路を視線に入るいろんなPOPやサンプルを自分主観で仕分けしながらゆっくりと歩く。それどういう意味?何を伝えたいの?と疑問に思うものは直接質問するなり説明ボードを確認してから質問して再仕分けするのだけど、仕分け不要のものもあります。それがサッシ断面やサッシ取り付け断面だったりすると、私の脳は直感的に反応してしまいますね。
日本でもサッシ断面&取付施工実断面サンプルがついに登場!
視界に入った瞬間、なに?と即座に反応したのがこれ。
充填断熱+外張り断熱層で20㎝以上の総壁厚、そこにトリプルガラスの樹脂サッシが内付け納まりのサンプル。こういう実サンプルはドイツでの展示会なら嫌というほど観てきたけど、これは日本初登場ではないでしょうか。だから私も直感的に反応してしまったのかと(笑
ほっほ~♪
日本の場合、昔ならサンプルは貰えてもサッシ断面はカタログにも公の場では展示もされることはなかったですからね。それがここ日本でもこういう断面サンプルを観れるようになったのですから。なんかね、これだけで嬉しくなるものなのですよ。
岩手の新断熱等級にはサッシ内付けが合理的
付加断熱と呼ばれる外張り断熱層は、岩手の新断熱等級には欠かせないものとなっています。なのにサッシ取り付けは従来の半外付けのままなのでサッシ周囲の熱損失は一向に改善されない。ギャップは拡がるだけで窓周囲の熱損失ψinstallの窓周囲も含めた窓全体の熱損失量に占める割合を増やすだけ。その上断熱のコスパを下げることになるのだから施工一つで勿体ないことをしてしまっているのがこれまでの現状なのです。
付加断熱(外張り断熱)工法への納まりとして内付け仕様の登場
展示ブースで展示されていた内付け効果の説明がわかりやすかったのでそれを。マーカーで囲んでいる部分を見てください。
右側がこれまで当たり前に施工されていた半外付けサッシの納まり図。この納め方は外張りが2㎝であろうと10㎝であっても変わらない。なので、窓周囲からの熱損失量は減らないことになるわけです。
高断熱住宅に対する意識の高い一部の工務店では、サッシ取り付けフィンをカットするなど、それぞれ独自の工夫で内付けにしていた筈です。それがサッシメーカー側からこういう内付けのための標準部材として窓下水切り材を提供できるようになったことは日本の窓性能の底上げになる。メーカー側から内付け法が提示されたってことが日本の窓にとってどれだけ重要で凄いことか、てことを知って欲しい。
高断熱サッシは半外付けより内付けの方が断熱性能は高い
これまで海外情報、特に北欧やドイツのサッシが、なぜ内付けなのか。その情報に触れている施工業者であれば、
サッシは内付けの方が窓の断熱性能は高くなることを知っていると思います。でも、知っているけど、実践するかどうかはこれまた次のステップになるので障害は高くなり工務店の意思しだいになりますから。なかなか実践となれば広がらなかったですからね。
高断熱サッシは内付けの方が良いことをサッシメーカーが示したことの意義
左右に表示された等温分布表示されたものに、室内側のサッシ樹脂枠表面温度も表示されています。これだけで内付けした場合のサッシ枠に与える断熱効果がわかります。サッシメーカー自身が、「従来の半外杖サッシより、サッシは内付けした場合の方が断熱性能は高いですよ。」と公に認めてくれたことになります。これって、下の記事のように、私のような岩手の一工務店が100回言うよりずっと意義があるわけですよ(笑
高断熱サッシの内付け3方枠の納まり
では窓下は良いとして、上枠・両縦枠の納まりはどうなっているのかは気になりますよね。そこは抜かりなくチェックしております。
サッシ半外部分が覆われ直接外気に触れないようになっています。現状一般に使われている外壁材を外張り断熱10㎝に通気層を確保しての施工となればこうなるのは想定した通りかと。
高断熱サッシ内付け専用水切り材の登場。これを皮切りに岩手に限らず内付け施工が日本でもスタンダードになってくれるのではないでしょうか。そしてもっと高い性能が得られる納まりに徐々に改善が重ねられれば、いつの日か日本の窓もヨーロッパの断熱性能や耐久性に追い付けるかもしれません。
日本の高断熱サッシ内付け施工への始まり
ここらで簡単に高断熱サッシ内付けについて補足的な部分をまとめます。
内付けサッシへの始まりだからしょうがないと思うのですが、もう少し踏み込んで欲しかったことを以下に。
・サッシ樹脂枠の室内表面温度にしか触れていない
サッシだけでなく、室内側窓枠壁も冷やされてしまうことを伝えていない。
・窓周囲にある線状熱損失について触れていない
窓周囲にある日本では議論にもならないψinnstallの存在をわかっている筈なのに触れていません。
これら上記2点のうちどちらかにでも触れてもらえたらもっと嬉しかったですね。業界への配慮等があったのではないかと思いますので切り替わり時期としてしてはしょうがないのかとも感じますが。
いずれ、日本の窓の夜明けです。(大げさですかね)
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