先日某研究機関でのこと。
シックハウスの分析結果について打ち合わせ。
担当研究員のSさんと木材からの有機物質についての話に及んだ。
私が木材からの放散物質について、
一般の人たちの”木材なら大丈夫!” という偏った認識の危険性を話すと
Sさんの見解について教えてくれた。
そりゃそうだよ。
ある大学の先生がこういう話をしていたよ。
「普通、みんな木の香りをいい香りだっていうけれど、
あれは木が痛みを訴えている証拠なんだ。
木が発するピネンとかリモネンなどの香りをつくっているテルペン類は
木が傷つけられた時に空気中に放散される。
木は傷つけれたことで、自分を守ろうと抵抗し敵を攻撃しようとする。
木が攻撃するためにもっている武器がテルペン類ということ。
腐食菌を叩き、害虫を寄せ付けないための防衛本能だ。
人間に好まれる森林浴の中のフィトンチッドもまた
種の保存のためなのだそうだよ。
大気中で微小生物を攻撃できる能力でも、人間にはいい香りとなってしまう。
香りがいいから大丈夫!なんてことにはつながらない。
香水だってシックハウスの原因だから。
微小生物に対して攻撃能力があるということは、害虫駆除の農薬と同じ?
単に農薬に比べ人体への影響能力が弱いということだけ。
弱くても多量になれば話は別。
じりじりと自覚症状のないまま何か影響を受けているかもしれない。
私はこの話を聞きながら
木が加工されているときの悲鳴をあげる姿を想像してしまった。
痛いんだろうな・・・そりゃ痛いさな・・・
木だって生き物。
健康住宅って、実はこんな犠牲の上に成り立っていたのだ。
木の気持ちを思い、大切に扱ってあげなきゃな。
料理人が食材に感謝しながら包丁を入れるように。
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