高断熱で失うもの

夏と冬の間、つまり中間期である春と秋、私は毎朝窓を開ける。
中間期でも寒めな時期は開放度は小さく、
暑めの時期なら当然開放度は大きくなる。

窓の機能には断熱、遮熱、採熱、採光、日射遮蔽、通気、
そして外の眺望などがある。
私が朝、窓を開けるのは春秋の朝の爽やかな空気を
室内にほど良く取り込むと実に気持ちが良いからだ。

ところがある時、室外からの爽やかな新鮮空気と併せて
それとは別なものを味わっている(利用している?)自分に気付いた。

それは、「音」。

朝方、半眠状態で目を閉じたまま、じっと外の気配に焦点を合わせる。
新聞配達のバイクの音やスタンドを下げる音。
そして鳥の鳴き声。多い時なら5種類程が同時にさえずる。
通勤車両の音が増えていき、通学の子ども達の声へと変わる。
これら外の気配の動きは横着な私には意外と正確な「音時計」。
だから目をつむっていても時間はそれほど気にならない。

高気密高断熱住宅は性能が高くなればなるほど、
熱に限らず、内外の音までも遮断するようになる。
室内からの怒鳴り声や音楽などの音が漏れない、
外から雨音などの騒音が気にならない、という利点は確かにある。

しかし、それとは逆にあさり売りが来ようが納豆売りが来ようが、
焼いも屋が来ようがその声や笛の音も聞こえなくなる。
残念ながら最近ではお目にかかれなくなったが、
家の中に声が届かない、だから買う人が減った、そして商売が消えた?
この推論、かなり無理あるけど1%位は当たってたりして。。

以前、わが家の近所で深夜、事件が起こったことがある。
私はそのことを知らずに寝ていたが、
いつも窓を開けたまま寝る次男は、「ガシャンッ」という音に目覚め、
何事かと外を見回したそうな。すると空地に駐車している車の
運転席窓から身を乗り入れている人の動きを発見。
それから二人組の犯人が逃走するまでの時間は僅か3分ほどだったとか。

ニュースでは住宅街で事件が起こっても
気付けないでしまっているケースがよく報じられる。
従来の隙間だらけの一般住宅なら、
窓を閉めていても外の音を聞くことができた。
外の気配やお隣りの気配もそこそこ感じられ
街との一体感さえ感じていられたのは記憶違いだろうか。

だからと言って中気密がいいという話になるのもおかしい。
今や高断熱住宅は不可欠。
高気密・高断熱住宅を実現しながらも、そこで失われる音や気配。
このことに配慮した家づくりを一歩進めて考えるなら
それは窓しかない、(電気的な設備を除き)のではないかと思う。

そういう意味で高気密・高断熱住宅における窓は
内と外を繋ぐ最後の”糸電話”なのかもしれない。

5 件のコメント

  • こんばんは。
    初めてコメントします。
    先ほどは子どもたちがお世話になりました。
    ありがとうございました。
    さっそく、今夜の読み聞かせは「ちいさいおうち」を
    せがまれました。
    何度か読んだことのあった絵本ですが、
    自分が家を建てることになって、
    改めて読むといろいろ考えさせられました。
    それと同時に親方の「家づくり」に対する熱い思いを感じました。
    親方にお会いするたびに、大共ホームさんに出会えてよかったなぁ・・・と感じています。
    土地が決まってから、バタバタと事が進み、
    いっぱいいっぱいの私たちですが、
    「ちいさいおうち」みたいにずっとずっとまごのまごのまご…まで住めるような素敵なおうちが完成する日を夢見て、
    毎日、ああでもないこうでもないと時間を忘れて話しています。
    これからもよろしくお願いします。
    ブログも楽しみにしています!
    いつも、遅い時間に打ち合わせでスイマセン…

  • そらとひまわりのママさん、こんにちは。
    ご夫婦共に仕事後の打ち合わせは、疲れもあって
    大変だったと思います。ほんとお疲れさまでした。
    打合せにもそれぞれ緩急ありますが、
    イメージできないところは無理に決める必要はありません。
    その後にしたってかまわないです。
    ひとつひとつ決めながらカタチにしていくって
    相当なエネルギーが要ります。
    でもその分楽しみも倍増するはず。
    家づくりの楽しみを一緒に感じられたらうれしいです。
    こちらこそ、今後ともよろしくお願いします!

  • たけさん、トラバありがとうございます。
    もう三年になるんですね。
    マンションのバルコニーには植物系って
    確かにいいアイデアだと思います。
    これからも報告を楽しみにしています^^

  • 納豆売り、そういえば30年以上聞いていない。
    最近来るのは、さお竹や、粗大ゴミの回収者ぐらいでしょうか。数年前の那須の洪水のときに我が家の周辺でも床下浸水した家屋が多かった。朝五時ぐらいから外に出て土嚢積みの手伝いをしていたが8時過ぎにも起きてこない家が。2階に寝ていて家に浸水してもまったく気がつかないようでした。

  • 修さん、はじめまして。
    やはり床下浸水になっている状態でも2階に居て
    周囲の喧騒に気付かないでしまうもんなんですね。
    場所によっては何か警報してくれる
    しかけみたいなものが必要になるんでしょうか。
    ちょっと考えなきゃいけないかも・・・^^;

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