熱いフレーミング

私が毎朝通る道がある。
その通勤路脇の住宅地で基礎工事が始まっていた。
正直、どこの工務店だろう・・くらいは思ったが、
毎朝の工事の進捗を観ても気に掛かるようなこともなく、
基礎工事は終わったようだった。

そして、躯体工事に入るらしい搬入された木材があった朝。
一見して、、あぁ、ここはツーバイフォーなんだあ、と分かる。
へえ、そうかあ、これから毎日ちょっとは楽しめるかな?
なんてその朝は思った。

ところが・・・
その後二日くらいして、ここが現場フレーミングと分かった。
完全な現場フレーミングだ。
どこだろう?今どきめずらしいなあ。
ツーバイフォーを手慣れてない会社かもなあ、と思った。

そして、1階の壁フレーミングの工程で雨。
やっぱり・・・そうなっちゃったかあ。
その後2階壁の工程でも雨。
屋根組み工程でも雨。
その他2回くらいはにわか雨にも見舞われただろうか。
水浸しの家を見てここの施主さんが悲しい思いをしてなければいいけど・・・
他人事ながら心配をしてしまった。

そしてある朝。
現場には立派な看板シートが張られていたいて、
それは誰もが知っている会社。
どうしてこの会社が!?・・
10年以上前、業界メディアに向けて
近いうちに全棟一日で上棟を目指す。
と、ぶち上げたのはいったい何だったのか。

一日フレーミングは肉体的に過酷である。
経験的な言い方をすれば精神的な強さが求められる。
過酷さゆえ、人が育たない、続かない、みんな辞めてしまう。
と、業界の人間に以前聞いたことがあった。
もしかしたら、会社の想いに現場が付いて来なかったということか・・・

もしそうだとしたら、今の私は恵まれているんだよなあ。
と、当社のスタッフに感謝したことを思い出しながら、
フレーミング作業を進める今日の彼らを見守った。

フレーミングM

今日も暑く体力を消耗する天候。

フレ‐ミング①フレーミング②

朝7時に現場入りするスタッフたち。
まず上にかけていたブルーシートを剥がし、その下の床の粘着性のある
養生シート上に残る前日に降った雨をかき出す。
ブルーシートだけでは雨は防げないのは現場の人間なら誰でも知っていること。
だからシート掛けは2枚にしている。

猛暑に入った7月から、
無理はするな。ちょっとでもめまいがするようなら、すぐに休め!
現場監督にも、とにかく彼らの体調をよく観るように、
ちょっとでも様子がおかしいと思ったら絶対に休ませろ、とは言ってある。
しかし彼らは通常以外の休憩はとらず、作業は進む。

住宅のフレーミング④ 住宅フレーミング⑤住宅フレーミング⑥ 住宅フレーミング⑦ 住宅フレーミング⑧住宅フレーミング⑩ フレーミング1フレーミング2 フレーミング3 フレーミングM2

フレーミング4フレーミング5

一年足らずの新人二人がいる。
先日の飲み会で、
暑い日のフレーミングの日だけはこの仕事を辞めたくなる。
と言っていた。それでもこうして頑張ってくれている。

フレーミング6

午後6時半。大方カタチがつく。
しかし、ここから内外の掃除・片づけ、屋根と外壁周囲をシート囲いして
全作業終了した7時半。

見守ってくれた施主さんにも参加いただいての終礼。
施主からのありがとう!の一言をいただき、
最後、お疲れさまでした~!のあいさつで締める。

この後彼らは一旦工場に戻るから、家路につくのは8時15分頃過ぎだろうか。

お疲れさん!

しかし・・・、私が言うのも何だけど、
なぜ彼らはあそこまでやれるのだろう?

彼ら自身、自分たちの役割の大切や仕事の意義はわかっている。
でもそれだけで、これだけの作業をこなし、
その上、終礼で笑顔を見せられる彼らの余裕って何なんだ?

いろんな考え方はあるけれど、一言だけのことなのだと思う。

すぐそこで見守ってくれる施主がエネルギー、
最後にいただく「ありがとう!」の一言はご褒美。
たったそれだけで普段以上の別な力が湧き起こっている。
としか考えられない。
至って単純なことだと思う。

そんな単純な彼らといっしょに仕事できることに感謝したい。
そして、彼らの仕事はいつでも私の誇りである。

社員大工が建てる岩手のハウスメーカーなら。

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一日フレーミングって何?と言う方はこちらを。

    ・困った!からの一日フレーミング
    ・一日上棟は一日して成らず!? 
    ・一日上棟は一日にして成らずⅡ

2 件のコメント

  • 親方さま、ご無沙汰しています。東京のたけです。
    いつ読んでも1日フレーミングの話は面白いし、職人さんたちの姿は美しくすらあります。若い方でさえ、キツさに辞めたくなるとは…特に今年の夏は厳しいでしょうね。

  • たけさん、お久しぶりです!
    ほんとうに、今年の夏の暑さは尋常じゃないですよね。
    もう涼やかな風が漂ってもいい時期なのに。
    新人たちはまだ、
    暑い中での作業に体験が乏しいからかもしれません。
    何回かの厳しい夏や冬を乗り越え、
    その体験が次への自信になってくれるといいんですけど^^;

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