火曜から水曜日まで、東京の展示会へ。
東京も思ってた以上に寒かったです。
展示会報告は後日にということにして、今日は珍しい家の思い出を紹介したい。

写真左に写っている解体車両がわかりますか?
そうです、
寂しいけど、岩手でも由緒ある家屋が今日から解体作業に入ったのです。
この家は築100年かそれに近いはず。
この家はもう20年近く前に建てて頂いた施主さんのおじいちゃんの家。
あの頃はいつも元気に、薪割りとか畑仕事していたおじいちゃん。
そのおじいちゃんも数年前に他界。
その際もみんなの手を煩わせるようなこともなかったとか。
それから数年、跡地利用について相談をいただき、
今回やっと今後の計画がまとまり解体作業となった。
当時、建築中だった孫の家を一緒に眺めながら、
おじいちゃんの大好きなこの家の自慢を聴かせてもらったことか。
昭和では地元の名家だったところの別邸を解体するとの話を聞いて、
おじいちゃんがそれを譲り受けておいて、
ここにそのまま移築したのは昭和40年だったとか。
写真の家を見てください。
家の壁二面に端の戸袋用の壁以外、二面にまったく壁がなくガラス戸で
覆っているのが、何か狙っていただろう当時の建築美学を感じtしまう。

外の視界を限りなく拓くための納め方や工夫がある。

廊下を歩いても視界は遮らせないようにガラス戸を連続させる。
外部からの美観のためガラス戸を柱間には置かず、
構造部外側をガラス戸ラインとし、面として見せきっているのには感心してしまう。
今的に言えば、テナントビルなどでいう木造版カーテンウォール工法?

ここで好きな雰囲気が一つ。
ビルなどの壁一面ガラスの展望台と違い、
ほんの少しずつだけど、ガラス越しの景色がやんわりとゆがむ。
手すきのガラスか、もしくは機械化の初期のガラスか。

おじいちゃんの目に映った四季はどんなだったろうか。
この日本家屋を建てた職人もすごいが、
これまで形として残してくれたおじいちゃんはもっとすごい。
この家が形として残るのはあと何日か、
その後は・・・ 家の記憶をここに重ね映すだけになる。
岩手のハウスメーカーなら。
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