サッシ施工後の窓の断熱性能ランキングがあっても・・

数日前、スタッフの一人が、

 あれって・・・ 結露酷くて下がびちゃびちゃでそれにカビも出てきてるし、
 あのままにして置いたらまずいんじゃないかと?どうにかなりませんか?

  ??
  それってもしかしてサッシの断熱実験ボックスのこと?

 あ、はい。

  それなら、夏の方が結露が分かりやすいかと思い、そのままにして置いてるのだけど。
  結露が酷いなら下にタオルでも置いておこっか。

そのようなことがあって、サッシの結露水吸い取り用に置いてあるタオルの加減を今日確認してみると、一日くらいでは絞るまでのことはなさそうです。

というわけで、今日はその結露の状況報告をしたいと思います^^

サッシの取り付け位置、取り付け方法で窓の断熱性能は大きく変わる

その前に、なぜこんなことをしているのか?などの経緯は以下をご確認ください。

岩手の高断熱住宅に欠かせない、窓のヒートブリッジ対策

 

◆高断熱トリプルガラス樹脂サッシ施工の違いによる結露比較◆

環境:室温24℃ 相対湿度61%  ☆露点温度16℃
冷凍ボックス内温度 -16℃
内外温度差 40℃ (過剰ぎみですがわかりやすくするために)
表面温度:放射温度計による温度計測
以上が共通条件になります。

①国産の高断熱トリプルガラス樹脂サッシ:一般施工

結露するトリプルガラス樹脂サッシ
トリプルガラスは全面結露

そして、

サッシ樹脂枠全体的に結露。サッシ枠表面温度 10℃

②当社オリジナル高断熱トリプルガラス樹脂サッシ(ドイツ製):窓周囲のヒートブリッジ対策施工

結露するトリプルガラス
トリプルガラス周囲が結露、ガラス中央部は結露無し。

サッシ樹脂枠は結露無し。

比較結果として、

■国産の高断熱トリプルガラス樹脂サッシが、サッシ枠とガラス全面が結露する理由は、

 ・樹脂枠の断熱性能が低いこと。
 ・窓周囲のヒートブリッジからの冷えの影響を受け、
  窓周囲のヒートブリッジ ⇒ サッシ枠 ⇒ ガラス というように冷えが伝わっていると考えてよいかと。
  ※ガラスの断熱性能、ガラススペーサーの断熱性能は同等。

■当社オリジナル高断熱トリプルガラス樹脂サッシがガラス周辺部のみ結露する理由は、

 ・樹脂枠の断熱性能が国産樹脂枠より30%程性能が高い。
 ・窓周囲のヒートブリッジから冷えの影響がない(若しくは小さい)
 ・トリプルガラス端のガラススペーサー部の断熱性能がサッシ枠とガラス面より低いためガラス周辺部だけ結露。

※窓にある三つのヒートブリッジについてはこちらを。

住宅の壁厚さのどの位置に、サッシをどのように、どのような施工で。工務店・住宅メーカーが調理(施工)するのか。この違いで同じ断熱性能の高断熱サッシを採用しても、取り付け後の結果性能は違ってしまうわけです。

住宅の気密性能C値より重要な窓周囲のヒートブリッジ対策

上記内の画像を見てください。

こうなると、

高断熱サッシのみの断熱性能ランキングなんて意味はない?

高断熱サッシの断熱性能の比較とかランキングとかありそれも基本的には重要ですが、最終的には住宅にサッシを取り付けた後の窓の断熱性能ランキングなんてのがあったほうが、高断熱住宅の新築を計画している方には役に立つのではないかと思うのは私だけでしょうか。

ドイツでは10年以上前からサッシ取付後の窓の断熱性能を数値化し重要視されるようになっています。

日本でドイツと同じようには難しいとは思うのですが、
これをもし、日本で公に重要視されるようになるとしても・・・

これから10年、

いや、20年から30年くらいはかかるかもしれません。

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