今週末の見学会も無事終了したので、今日は当社最高の断熱性能を誇る「無暖房の家」シリーズだけに施される小さな部材を紹介しようかと。
白い部分が樹脂窓枠で木材の部分が柱とか構造の開口枠になります。
サッシを取付しやすいようにサッシと柱の間にあそび(隙間)を設けるわけですが、
ここの寸法をどうするか、
そしてこの隙間を埋めるのか、
埋めるとしたら何で埋めるのか。
これはサッシメーカーのマニュアルをそのまま採用するケースや独自の考え方に基づいた施工法というものがあったりするのだと思います。
昔はこのクリアランスを殆ど取っていなかったですからね。というのは隙間を埋めることは前提にないのだからできるだけ狭いに越したことはなかったわけです。その後そこからのすきま風を防ぐためにグラスウールを押し込むようになったように記憶していますが、発泡ウレタンを充填するようになったのは気密化が言われるようになってからではなかったかと。
発泡ウレタンを入れ込むのに狭いと注入できないので口を入りやすくするために隙間を確保するようになったかと。
この発泡ウレタンを隙間全体にしっかりと充填するつもりでやるのだけど、手前で発泡したりしてしまうと奥まで充填されないケースもあるはずでそこが発泡ウレタンの気がかりな部分なのです。そんな思いの中、冒頭窓周りの隙間を埋めるテープを初めてみることになったのは20年近く前に視察したスウェーデンの工事現場でした。工事現場で窓周囲を埋めていた黒いものでした。
訊けば、むき出しだったので後にコーキングとかで覆うのかと思えばそうではないというのです。このまま露出したままで紫外線劣化もない防水も耐久性も十分なものだと教えられたのです。
北欧はやっぱすげえわ!
とこの時はここで終わってしまったのだけど・・・
その後数年して、再び出会う機会を得ることになったのです。
それはドイツでも一番推奨されているものだった。
サッシのデザインの可能性や構成部材、断熱シュミレーションアプリの使い方などを学ぶためにサッシの輸入先だったドイツのサッシ工場を訪れたときです。
話がドイツにおけるサッシの取り付け方法に及んだ際、
サッシと構造躯体の間にはこれを使う。
と言って分厚い板状(6~7mm)のものを見せられたのだけど・・・それはその後数十分でスポンジのように予想外の厚さにまで膨らんだのです。
写真が膨らんだ状態。
膨らんだ時の厚さに違いがあるのがわかりますか?
この部材が屋外に露出し雨が沁みたとしても、密度の違いで室内側に水分を入れない、もしくは屋外側に水分を移動排出するという機能を持ちさらに紫外線にも強い耐久性を持っているって。となれば、
スウェーデンの工事現場で見たものはこれだったのか!
そこで質問してみたのです。
日本ではサッシと躯体の隙間には発泡ウレタンを使用するのが一般的だがドイツではどうなのか?
発泡ウレタンでも大丈夫だ。でもこれの方がもっといい。
(どうやらドイツでは窓交換時や解体時のリサイクルまで考えるため、発泡ウレタンが異素材と接着しているのはリサイクルや廃棄の障害になるらしい)
もっといい?のかあ・・
そりゃ、使いたくなってくるべ。。
この話の前段階として窓の断熱シュミレーションする上でのガラスエッジスペーサーの話をしていたばかりだったので。
アルミスペーサーも良いけど、樹脂スペーサーの方がもっといい。
樹脂スペーサーも良いけど、TGIスペーサーの方がもっといい。
TGIスペーサーよりスーパースペーサーの方がもっといい。
スーパースペーサーよりスイススペーサーの方がもっといい。
注:どうもここの工場では樹脂スペーサーの扱いはない様子。
もっといい!を選びたくなるよね(笑
そんなことから、無暖房の家シリーズで採用するに至ったわけなのです。
ちなみに厚さは・・・
膨張し切ったときの室内側は、55mm。
薄い屋外側の方は、35mm。
完成後の見学会では決して見ることはできませんが、
この窓周囲には・・・
防水と気密、断熱向上を兼ね備えたあの高機能素材が埋められているんだよなあ。
なんて見ていただける方がもし一人でも居たとしたら私としてはかなり嬉しいんですけどね(笑
最後に、膨張具合を動画で確認したいかたは以下で.
最高の断熱スペックの場合にのみ採用されている窓周囲を守る高機能素材を紹介。サッシに巻き込んでから壁に装着。すると膨張しその膨張圧で防水気密断熱を確保します。
完成したら隠れて見えなくなる部分だけどここは大事に扱いたい。#窓周囲の防水気密断熱#膨張テープ pic.twitter.com/Cd5VFg9MGB— oyakata (@ooyakata11) September 25, 2023
親方から紹介されたことはあるのですが、密度も工夫されていたのは驚きですね。
デリケートな箇所の異種部材間の接合取合い部ですから、最先端の品質性能なのでしょう。
PXシリーズでも標準仕様で採用してもいいのでは?と思います。
説明足らずですみません。
やはり動画などでわかりやすくしないといけませんね。
アドバイスありがとうございます。
みみたこさんの言う通りPXシリーズでも検討したいと思います。
お久しぶりです。
車を選ぶときは、当然ながらメーカーだけでなく車種やグレードを選びます。
ところが、一般的に家を選ぶときは「メーカー=グレード(性能)」のように考えているのではないでしょうか。
その点、グレードを選べる大共さんは他とは一線を画しているような感じがします。
グレードの価格の高さは、このような部材一つ一つにこだわっているから、と分かれば納得のいくでしょう。(買う側としてはいくらでも安いに越したことはないのでこのような、安くなる努力をしてくださっているところはありがたいと思います。)
HIさん、こちらこそご無沙汰しております。
そしてわかりやすい説明をありがとうございます。
機能やその重要性を伝えることの能力がまだまだ乏しいと感じています。
HIさんから観てこうしたら伝わりやすいのでは?などアイデアがありましたら教えていただけたらうれしいです。