完成住宅見学会でサッシの水抜きを知るのもありかも?ね。

今週末の完成住宅見学会は、

岩手県滝沢市に完成した平屋。


完成住宅:岩手県滝沢市の画像
立ち寄った時の陽射しの入り加減が心地よさそうだったので一枚。

そろそろね、陽射しで保たれる温度感を体験してもらえるかもしれませんね。
お時間があってもなくても、ほんの少しの時間でも私としては体感してみてほしいかな。

これまで話すこともなかった小さなサッシの部位のこと、今日はぺっこお伝えしようかと。

ほんと小さ過ぎて話題にし辛いサッシの水抜き穴のことを。

サッシ水抜き穴の画像
はあ!!??

て言われそうですが、そこを敢えて(笑

写真の〇で囲んでいる部分が水抜き穴のある所、その穴にキャップが付いている状態です。
この穴はどこに繋がっていると思いますか?

開閉できるサッシ、特に外開きとか内開きのサッシなら建具を開け、サッシの下枠を上から覗き込んで見てください。すると穴が見える筈でその穴と繋がっているわけです。

これは万が一にも外側から漏水した場合の水を排出する仕組み。

Xでつぶやきましたのでここに。

その穴から外の冷気がサッシ枠と建具枠の間に入り込める仕組みでもあるわけです。ということは、窓を閉めている状態でもサッシ下枠を冷やしてしまうリスクはあるということです。サッシ下枠が特に結露するのはコールドドラフトに因るサッシ下部の冷えだけでなくこの仕組みも要因の一つなのかもしれません。

サッシを閉めた際、サッシ枠と建具枠が接する部分にゴムが回っているのが見えると思います。内外共に。
これがガスケットと言われるものでサッシの気密性を担う重要な部材で、しかも外側は一次防水も担っているのです。

これが内外の2つのガスケットしかないと、サッシ枠と建具間にあるスペースは一空間なわけですからサッシ内側枠をダイレクトに冷やしてしまうことに。これがヨーロッパでは一般的な中間にもう一つガスケットがあると、外側半分のスペースは冷えるけど内側半分のスペースが内側に伝える冷えを抑制してくれることにもなります。

私は以前3ガスケットだから枠と建具の取り合いの断熱性能が高い。
恥ずかしながらこの一点のみの視点でしか観ていませんでした。

こうして視点を変えて観ると、

ガスケット一つ、奥の深さに思い知らされますね(笑

以前、知り合いの社長さんに、某国で木製サッシを試作して貰ってるので一緒に見に行ってくれないかと言われ勉強のためもあり同行したことがあります。

当時木製サッシを輸入していたので当社の扱いのものとその試作品とを比較して断面形状をチェックします。

サッシ枠と建具のかみ合わせの形状がシンプル過ぎる上、水抜き機構がない。ことを指摘。

指摘事項を改良して再度サンプルを作るというので2度目の訪問を。

すると、外側に抜けるように穴は付いている。
しかし・・・・

外に排出される前に、これじゃあ室内側に水は流れるよね、

逆になぜそこまで必要がある?
ガスケットの部分で防水してるから大丈夫!

との返しに、これは無理だわ!と判断。

その社長さんには作り手側の意識が整わない限り難しいと思うことをお伝えし、その後のことは丁寧にお断りしたのを思い出します。

それだけサッシの一つひとつの形状には意味があるってことかと。

サッシの防水を担う外側ガスケットは紫外線にも晒されますから経年劣化でゴムの反発力もいつかはなくなっていくでしょう。

たまに水抜き穴をチェックし、もし水抜き穴から水が垂れたような跡を見つけたら、
ガスケットの劣化を疑ってください。
気密性にも関わることなのでガスケットの交換は必須になるかとは思いますが。

ガスケットはそんな高いモノではないですしね。

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