「親方さん、また窓の熱貫流率の話してますよ。それで何がどう違うの?」
スタッフからよく言われるこの言葉。確かに私は窓の性能について語り出すと止まらない。UA値が0.46から0.23になること、更に0.15になることの凄さ、国産樹脂サッシと ドイツ樹脂サッシの熱伝導率の違い、トリプルガラスのガス層の厚みによる断熱性能の変化…。サーモカメラで撮影した画像を見せながら、9.3℃と17.9℃の温度差がいかに重要かを熱く語る…。
でも、ふと気づいたんです。お客様の表情が…微妙なことに。
「数値は分かったけど、それで私の生活がどう変わるの?」
この素朴な疑問に、私たちは意外と答えられていないのかもしれません。
見えない住宅性能を4コマ漫画で
AIでできることをいろいろ試して4コマ漫画を作って遊んでみると、この方が入口としてわかりよいのではないかと。白衣を着た博士キャラクターが、一般の方の素朴な疑問に答えていく形式。これで伝わるかどうか本当はどうなのかはわかりません。少なくとも、語彙力のない私がウンチク垂れるよりずっと良いような気がしたのです。
漫画の方が、伝わる気がするのはなぜなんでしょう?
イメージしやすい
主人公の女性が朝起きて「部屋が寒い…」と震えている姿。これは誰もが経験したことのある日常の一コマで、数値では表現できない「体感」を、表情や仕草で伝えられるもの。これが漫画の強みですよね。
ビフォーアフターが直感的
「シーン…」という擬音と共に静かな部屋でくつろぐ姿と、「ガガガガ!」という音に悩まされる姿。この対比は、遮音性能の違いを数値を30dBと45dBとかで説明するより、ずっと分かりやすい。
専門用語を日常語に
例えば、左が私がつい使ってしまう単語です。
「熱貫流率が低い」→「冬でも窓際が寒くない」
「気密性が高い」→「隙間風が入らない」
「Low-Eガラス」→「夏の日差しをカットする魔法のガラス」
AIはこのような言葉を博士のセリフとして自然に入れ込めるのです。
実際の4コマで伝えたいもの
第1話 窓の何が快適さの違いを生むのか

新しい家があたたかい家になったらいいなあ。そこに博士が登場し、ドイツサッシを見せる。「重要なのはサッシ単体ではなく、壁にインストール(施工)された状態での性能!Uwinstalledなのデス!」と説明した方が私が言うより理解しやすいはず(笑
最後のコマで「ポカポカ・・・すごい・・・」となれば体感したくなるのではないでしょうか。
これ、私がサーモ画像紹介しながら
「ほら、この部分が9.3℃で…」って説明するより、ずっと心に響きませんか?
第2話 ドイツサッシ「施工の壁を越える!」
日本の窓とドイツの窓の施工方法の違いを、大工さんキャラクターの驚きで表現。「えぇ!?サッシと躯体の間にこんなの入れるの?」「世界の常識は日本の非常識…」というのは、これまで私たちが何度も体験してきたことだけど、このシンプルでいい!
結果良ければ、それで良いのですから。
第3話 安心という名の”壁”
防犯性能の話。でも「CPマーク取得」とか「こじ破り5分以上」なんて言わない。泥棒が窓を見て「こりゃ無理だ」と諦める姿を描いてくれています。そして安心して眠る家族。最後に博士が「良い窓は家族を守る壁なんです」とつぶやく。私には絶対できないフレーズです(笑
第4話 投資して得られる暮らしの安心
スタッフの反応と効果
前回投稿で紹介した黒板でのサッシの断熱性を上げるステップの説明の方が私がこれまで話してきたものよりわかりやすい!いうのです。特に新入社員に窓の重要性を教える時、以前は技術資料やデータを渡していましたけど、伝わった感なかったですからね(笑
先ずは、「なるほど、だから高性能な窓が必要なんですね」という理解が早いような気がします。その理解の上で、技術的な詳細を学ぶと、吸収しやすいのではないかと。
こうして作ってみてると、あれ?
こういうの積み重なったら、それ全部まとめて
まんがでわかる窓選びのポイント!
まんがでわかる家づくりの○○ヒント!シリーズ
みたいに小冊子にしてしまったら面白いかも・・なんて。
伝え方の革命になるかも
高性能住宅の価値を伝える上で、私たちが陥りがちな罠。それは「正確に伝えようとするあまり、伝わらなくなる」ということ。
熱貫流率2.33W/㎡・Kと0.73W/㎡・Kの違い。
確かに重要なんですけどね。でも、それより大切なのは「その違いがもたらす幸せな生活」を伝えること。もしかしたら4コマ漫画は、その橋渡しをしてくれる素晴らしいツールになるかもしれません。
こんなに便利になったAI。しかし・・
以前なら、4コマ漫画を要望に沿ったように、広告代理店に依頼したらどれだけの手間と日数、費用がかかったことか・・と考える反面、これまでこの仕事を生業としていた人の仕事が削られることになる。。。
そんなことを想像してしまうと、あらゆる面にまで及ぶことに気付きます。
私たちの業界で考えると...
資金計画も間取りもデザインも、チャットだけでできてしまうかもしれません。
インテリアコーディネートから家具購入までAIにお任せになるかもしれません。
詳細図も構造計算も、構造図・パネル割までしてくれるようになるかもしれません。
だって、有名な企業ではAI社長まで登場しているのですから、不思議ではありません。
そのうち、人型親方なんて登場するかも。
そして、人手不足と言われる世の中で、今一番注目しているのは、自動運転とヒューマノイド型ボット。携帯電話が普及し始めて10数年、AIが話題になるようになってたった数年で今ここなのですから、変化のサイクルは相乗的に短縮されている...そんな気がします。
どんなに便利な時代になったとしても、私たちにしかできない領域を常に創造し続けるべき。そんな時代にもうなっているのかもしれませんね。









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