先日開催した「家づくり教室」で紹介したヨーロッパの壁暖房の画像をまずは。
これを見た時は、
体感温度を上げるべく、輻射面積をより広くしつつ温水はより低温にしようとここまでやるか。
と思ったものです。
そして、
配管を埋めるのにこの半端ない厚さの蓄熱層ってどんなものになるんだべ?とも。
これまで、
ドイツのように、間仕切り壁内にコンクリートブロックを積んで蓄熱壁にしたこともある。
間仕切り壁に国内の潜熱蓄熱材を入れて試したこともある。
アメリカから大豆由来の潜熱蓄熱材をエア便で取り寄せ実験棟でテストもした。
20年以上前なら床暖房の蓄熱層に潜熱蓄熱材も使ったこともあるなあ。
これら住宅の蓄熱への試みは、住宅内壁仕上げを漆喰にしたことで自分の中では一区切り突いたつもりでいました。
なぜかと言うと、部分的に手間暇かけ材料費工事費をかけた蓄熱層より、壁の漆喰仕上げの方がずっとパフォーマンスは高いから、という結論です。それと、ケミカルに製造された潜熱蓄熱材ってどれだけ耐久性と性能を維持できるのかについて疑問を持っていたからです。
元々、住宅の内装仕上げを漆喰にした当初の動機はシックハウス対策です。
住宅の内装仕上げ面積の多くを占める内壁仕上げだった当時のビニールクロス仕上げにある接着剤とビニールに含まれる可塑剤のリスクをできるだけ最小限にしたかったからです。
漆喰による住宅室内の調湿効果
シックハウス対策で始まった漆喰ですが、実際に暮らし始めた方の声から、冬の過乾燥対策にそれなりの効果があることもわかってきます。実験棟で検証してみても同じ結果でした。調湿が繰り返される中で室内空気の水分子が細分化されるらしいことも。
湿度対策については以下も参考になれば。
住宅でできるウィルス対策って・・・
漆喰による消臭効果
漆喰にはコロナウィルスの不活化効果
昨年のことですが、漆喰仕上げがコロナウィルス対策に有効だということを試験期間に依頼して確認できました。
漆喰でできるコロナウィルス対策なら以下も。
抗ウィルス効果を検証
このように漆喰には様々な効果があるわけですが、
話を最初の蓄熱に戻します(笑
当社の住宅展示場の地下室にて、漆喰でつくるレンガ模様の壁を眺めながら思ったのです。
これは通常の内装仕上げの漆喰ではなく、このレンガ模様や石模様に仕上げるために厚塗り用の漆喰を輸入したもので、これをレンガ模様をつくるためだけに使っているのは勿体ないのではないか、厚い蓄熱層形成に使えるのではないかと。
しっかりとした蓄熱層を住宅内部に漆喰でつくる
通常の住宅内装用に漆喰は仕上げ厚は4ミリほどで、概ね1センチ位の暑さまで可能だとのことですが、ひび割れのリスクを考えるそこまでの厚さでいいのかはぺっこ不安があります。
このレンガ模様の厚塗りタイプは5センチ厚まで可能とのことで、実際に石模様をつくるため3~4センチ位の厚さで使ったことがありますがその時も割れなかったので行けると思います。
もし、4センチの厚みで仕上げたら、通常の漆喰仕上げと比較したら単純に蓄熱容量は10倍です。
住宅全体には巾木やドア枠厚との関係で無理だとしても、リビングなどの一部に使っただけでも2倍くらいにはなりそうです。
レンガ模様専用タイプの上には、さらに10センチ厚まで濡れるタイプもあります。これはごっつい石形状をつくるために輸入したのですが、試験塗りで敢え無く失敗してから何年と触っていません。。
石模様はできなくても蓄熱目的となれば、俄然再チャレンジの気力は湧いてくるものです(笑
もし効果が確認できたら、蓄熱した漆喰仕上げからの放射熱で体感温度が上がり、室温が1℃2℃下がろうとも、体感温度は変わらず体は暖かいまま。なんてことが可能になるかもしれません。
岩手の住宅を高断熱住宅でありながら、さらに高蓄熱住宅に。
さあ、どうやって検証してみましょうか^^:
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