当社で現在屋根の標準素材としているのは、素材名はアスファルトシングルという屋根材になります。
昔なら、手頃な価格のカラー鉄板かカラーベスト、たまに瓦系でした。
その後30年程前から瓦形状の金属板の表面に鉱物粒で仕上げられ耐久性が50年以上との話だったので高価だけれど屋根の耐久性を求める施主さんに採用されるようになりました。現事務所隣にある住宅展示場と同じ素材です。
先日、メンテナンスの相談を頂いた築30年程の家も住宅展示場と同じ素材を使っていましたので紹介して置きますね。
30年程前までアメリカで人気だったウッドシングル葺き(杉板の屋根材)の形状に加工されたデザインタイプです。30年も経つと屋根材は雨等汚れの影響でこのくらい黒ずむってことがわかります。耐久性はあるのだからこの古びた感が好きな方もいるかもしれませんが、全体的なら良いのですが部分的に濃くなっているのは少し気になるところです。
この高価な屋根材ですが、デザイン的に良いし耐久性も高いということで採用したのですが、採用して住まわれている施主さんからの話で、
勧められた屋根材にしてほんと良かったですよ。この前の大雪の時、隣り近所の家は屋根から落ちた雪で駐車スペースの1台分が山盛りになってて車の置き場所もなく困ってて・・・
でもうちの屋根は雪が全く落ちない。だから我が家だけ地面に降った雪だけ除ければそれで良かったんですよ。
と。
そんな便利な屋根材だってこと、施主さんから教えてもらって初めて知ったのですから恥ずかしい話ですけどね(笑
それで耐久性に、+雪が落ちない屋根材 という付加価値が加わったのです。
それ後、鉱物粒の表面を持つ安価なアスファルトシングル材でも同じような効果があるのではないかと、採用するようになったというのが採用に至った経緯になります。

アスファルトシングルって、19世紀後半にアメリカ合衆国で開発され1880年代に商業生産が始まったとのこと。ただ初期のアスファルトシングルは、紙基材にアスファルトを塗布し、上部に鉱物粒を施したものだったのがその後、技術の進歩により基材としてガラス繊維が使われるようになってから耐久性と防火性能が向上したのだそうです。
日本では、1960年代にアスファルトシングルが導入されたようです。初期の頃は、主に輸入に頼っていたのが1970年代に国内でも生産。よく廃屋になっている古い建物でアスファルトシングルを見かけますがあれは髪基材のものなのかもしれません。
アスファルトシングルは他の屋根材に比べて比較的安価で、施工費用も抑えられるため、コストパが高いです。
軽量で建物の構造にかかる負担が少なく、耐震性が求められる日本の住宅にも適していること。- アスファルトと鉱物粒が耐候性があり紫外線や雨風に対して耐久性が高い。
色や形状のバリエーションもあり、何より個人的にはテカリのないマット感が好きかも。
それでいて、施工が比較的簡単で、簡単な小屋の屋根程度なら一度経験すればうちの若い現場監督でも施工できるのですから(笑
それで何より、落雪がない!とは言い切れませんが、ほとんどないと言って良いのではないかと思います。
あとは屋根の勾配等にも因るとは思いますが。
最後に、
今日のアスファルトシングル葺き施工風景を紹介して終わりにします。
アスファルトシングル屋根材の施工風景
積雪地では雪止め無くても雪が落ちにくい素材なのがいい。
それにしても、この重ね合わせの仕組みを考えた人って…凄いわ! pic.twitter.com/wJO7ihu5Ew— oyakata (@ooyakata11) June 5, 2024
我が家の急な屋根は雪落ちますかね?
落ちない!とは言い切れません。展示場タイプだと落ちたケースを知らないですけどね。