ペアガラスにあるのにトリプルガラスに格子デザインはなぜないの?

岩手県矢巾町新しい分譲地内に完成した高気密高断熱の注文住宅で建てて頂いた家が完成!

岩手県矢巾町した完成した家の画像
道路面2階に三つ並んだ格子付きのトリプルガラス窓が印象的な外観。

まだ確認していないですが、トリプルガラスの格子デザインは分譲地内では当社くらいではないかと。

トリプルガラスの窓に格子デザインはなぜ珍しい?

アルミサッシ枠でも樹脂サッシ枠でもペアガラスだった10年以上前は、新築住宅ではよく見かけたものです。ですが、震災後国産サッシメーカーが軒並み高断熱化されたサッシの新製品を発表し、その中で、トリプルガラス化、樹脂枠の複層化、樹脂スペーサー化が大きく前進することになります。

ペアガラスでは容易だった窓格子

ぺガラスが主流だった震災前、各サッシメーカーが格子デザインを持っていたのかについて、私なりの経験も踏まえて整理してみます。

ペアガラス内の乾燥空気中に入っている格子デザイン
初期のペアガラスは今のようにアルゴンガスもなくガラススペーサー部に乾燥材を入れることでペアガラス内を乾燥空気としたタイプの高断熱ペアガラスでした。そのようなレベルですから当然Low-Eガラスはまだありません。そのペアガラス内の乾燥空気中に格子を入れるようになったとしても今から考えてもそれほど不思議ではありません。

ペアガラス内のアルゴンガス中に入っている格子デザイン
省エネ基準が改正される1999年までは乾燥空気のままで進んだと思います。省エネ基準改正を契機に国産サッシメーカーがLow-Eガラス、アルゴンガス入りのペアガラスを相次いで投入してきたのではなかったかと。インターネットも普及していない当時なら国産サッシの情報しか持たない国内住宅建築業者はそれが一番新しい窓の断熱技術だと思っていたはずです。

Low-Eガラス、アルゴンガス入り高断熱ペアガラスに格子は惰性?
Low-E、アルゴンに切り替わる前から採用されていた格子デザイン、同じペアガラスなのだから格子デザインはあって当たり前とこの段階までは私も含め誰しも当然のことと思っていました。アメリカでもドイツでもぺガラス内に格子が入っていましたから。

トリプルガラス内に格子の入った窓を観た記憶がない

振り返ってみると、私がトリプルガラスの窓を輸入して採用したのは30年程前。この時はもう既にアメリカではペアガラスでもトリプルガラスでもLow-Eガラス、アルゴンガスは当たり前でそのスペックで輸入していました。日本のサッシにはそれがなぜ無いのか不思議に思ったものです。

トリプルガラスの格子は30年前でも外付けだった

30年前にトリプルガラスを輸入する時、格子も注文したのですが、トリプルガラスの室内側に木製格子を取り付ける方式でした。デザインのバリエーションはかなり豊富だったように記憶しています。なので、取り外しも容易だし、ガラス内臓タイプが容易されていないならしょうがない、その当時の私は無知だったのでそのことを不思議とも思わず、そういうものなのだと理由も知らずに受けい入れていただけでした。

トリプルガラス内になぜ格子を入れないのか

ペアガラス内には格子を入れられるのに、なぜトリプルガラス内には入れないのか。それはトリプルガラスを採用すること自体が断熱性能向上が目的だからです。複層ガラス内に格子が入るとガラスの断熱性能が下がることを知っている人はどれだけいるでしょうか。ペアガラスの場合でアルゴンガス効果を帳消しにするほどの影響があるということを、恥ずかしながら私が知ったのは10年程前です。

ヨーロッパではトリプルガラスに格子を外付けにしている

欧米のホームセンターでは普通にサッシが売られています。フランスのホームセンターで展示しているサッシを観ていて、ペアガラスもトリプルガラスも外付け格子で内外から挟みこんでいるサッシを初めて見かけたのが10年以上前。その時は格子デザインを強調するために外付けにしているものとばかり思ったです。ですが違いました。先ほどの複層ガラス内の格子は断熱性能を損なうことを知った時、脳裏に浮かんだのがフランスで観たサッシの外付け格子でした。

ドイツからサッシを輸入するなら外付け格子に

トリプルガラスの外付け格子には意味がある。点と点が繋がったわけでそこからドイツのサッシメーカーに外付け格子を問い合わせてみると、「あった!」さすがだよね、それも見付け幅の違う3種類も。ということで注文し、家を建てていただける皆さんにデザインポイントとして採用して貰えるようになったのです。

ヨーロッパのサッシに外付け格子があるのに日本のサッシにはなぜないのか

日本でトリプルガラスが商品化され10年以上経っています。そろそろ日本のサッシメーカーも格子デザインを商品化しても良いのではと思うもその気配は今もありません。日本のサッシにだって外付け格子があったらいいのに、なぜないのか。それは最近気づいたことだけど、現状のサッシフレームの構造上外付けの格子は難しいのではないかと。

格子を付けられる程のサッシに厚さがない

日本のサッシの場合、室内側は問題ないのですが、外側はガラス面とサッシ枠面に殆ど段差がない。もし格子を付けようものなら格子がサッシ枠面より外側へはみ出してしまう。格子を付けたとしても見た目もよくないはずだから結果トリプルガラスに格子は無いのだと。

トリプルガラスに格子の有無の違いまとめ

トリプルガラスの断熱性能を損なわない格子で内外から挟みこむためには、サッシとガラス面に内外それぞれに格子を納められるだけの懐が必要だということです。当社で人気のドレーキップ窓用カーテンもガラス面とサッシ面の厚さの中に納まっているからスッキリ見えます。なのでトリプルガラスに格子を付けた場合は残念だけどドレーキップ窓用スクリーンは取付けできないことになります。得るものあれば失うものもある、そんな大事なポイントを知らずに安易な選択はしたくないものですね。

2 件のコメント

  • 昨日2日のNHK番組で日本の住宅の断熱はかなり遅れているとの事
    やってましたね~! なんか親方が昔から言ってる事を見てるような気がしました!

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