ヨーロッパの家から学ぶ窓際の小さな誂えかたなど

週末にお会いしたお客様から、

漆喰仕上げの角を丸っぽくできないものですか?

との質問を頂き、

できますよ。

と返答したのですが、その後先日挙げたドイツ視察のフォルダに同じようなものがあったことを思い出したので、遅ればせながらここで紹介したいと思います。

ドイツの住宅
15年前、見学させて頂いたこちらの住宅はエコハウスで、
実際に暮らしているお住まいにお邪魔した時のものです。

ドイツの住宅ダイニング。

ドイツの住宅
キッチン周りに、

ドイツの住宅
簡単に、雰囲気だけ感じて頂けたらいいかなと。

そして本題の角を丸くするへ。

ドイツの住宅の窓辺1
ピンボケしてますが・・

壁から窓の凹みへの返し部分が丸めに納めているのが分かりますでしょうか。

そして、窓上部左側の窓ガラス外に見える
レンガタイル仕上げの外壁の折り返し部分を見て頂くと、
この住宅の外壁の厚さとか断熱の厚みが想像できると思います。

35㎝以上はありそうです。

ドイツの住宅の窓辺2
窓の上部分なら丸めてあるのがこの写真ならはっきりわかります。
このようにこのくらいの丸みなら角だけを丸めることはできます。
大きな丸みとなると構造から変えないと難しいのですが、この位なら何とかです。

アメリカの住宅でもよく見かけたもので、
20年ほど前は実際に何軒かやったこともありますので。
但し、仕上げだけの細工ではできませんので、着工前のご相談が肝要です。

仕上げの雰囲気もチェックして見て下さい。
塗り壁の粗野な感じの仕上げはヨーロッパでは普通ですが、
日本なら新建材を見慣れているので好まない方もいらっしゃるかもしれませんので、
担当の方にお好みを伝えられるといいと思います。

その他、室内から窓を通して見える視界を。

ドイツの住宅の窓辺3
ヨーロッパの住宅の場合、基礎は地上にほとんど現すことはありません。
だから屋外の地盤面と屋内の床との高低差は日本の住宅ほどはないので、
足元から延びる視界が自然に繋がっているように見えませんか。

ドイツの住宅の窓辺4
もちろん、窓ガラスはトリプルガラス。
暑さ寒さを感じることなく、窓越しにどんな視界が得られるか、
結構、私は気にするタイプ。

もし、窓の向こうに隣家の壁があるなら、視線を逸らせられるように考えたい。
斜めに視線が延びるようにするとか、空を見上げるようにしたっていい。
それも叶わないようならこの家のように、窓際をディスプレイしてしまってもいい。

それもだめならね、しょうがないレースかブラインドを下げるか、
と、私は考えてしまいます。

視界もそうだけど、
今の時期なら朝の陽射しはカーテン越しではなく、
ダイレクトに差し込んでくれた方が心地がいいんです。
それだけで朝の戯れの時間になります。

窓は、デザイン、視界、陽射し、温熱、通風、音をコントロールする要。

窓との付き合い方が、もっともっと自由になれたらいい。

その自由をつくるのが私らの仕事なんだけど・・・

奥は深い。

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