今更にしてドイツサッシの奥深さを知る

ドイツサッシ下駄材カシメサンプルの画像

当社のドイツサッシが、来年県外に初納品される見込みとなりました。

ドイツサッシに限らず内付けサッシの施工法は最重要な課題

これまで「サッシだけ売っていただくことは可能でしょうか?」との問い合わせが何度もあったけれど・・・
その都度、

 施工面までフォローし切れないので。

とお断りするのが常でした。

会話の状況に応じて、時に、

 もしかしたら、
 家を施工する工務店さんがドイツサッシを扱ったことのある会社さんなら、
 お売りできる可能性はあるかもしれませんが。

すると、

施工できるお知り合いの工務店さんを紹介していただくことはできませんか?
〇〇県なんですけど・・・

 申し訳ありませんが、存じ上げません。

そうですか、、わかりました。すみません、ありがとうございました。
岩手県の方が羨ましいです。

 いえ、こちらこそせっかく興味を持っていただいたにも関わらず、お役に立てず申し訳ありませんでした。

と応じて電話を切る時のあのやるせなさっていうか、何とも情けない気持ちになってしまいます。

ドイツサッシなりサッシ内付け施工経験の工務店

サッシを売るのは簡単だけど、窓って構造的にも耐久性でも、家の中では最重要ではないかとさえ考えるようになった今では、ご要望には応えたいのは山々だけれど、「責任は持てない状況では売れない」となってしまうわけです。

ドイツのドレーキップ窓用スクリーンならば

そんな申し訳なさもあり、ドレーキップ窓用スクリーンのご要望があったら、スクリーンだけでもお役に立てるなら出来る限りお手伝いしようよ。てことで製作してお届けするようになったのです。

それが今回の他県への納品のお話は施主さんからの要望で、且つ施工会社さんの担当者さんがドイツサッシを扱ったことがあるというので、話が進むことになったのです。

ドイツサッシの購入ルートとリスク

一般に、ドイツサッシを採用される場合、商社経由で採用されてるのが殆ど。当社でもアメリカでもヨーロッパからでもそうだったのですが、最初は単窓サイズを絞り込んでサンプル輸入します。それは無知な自分たちの輸入リスクを最小限にしたいからですが、商社さんも今の当社のようなコンビネーションサッシは避けたいのでしょう。商社さんが扱うサッシも単窓サッシが主ななのではないかと。

ドイツサッシに感じた魅力の経緯

商社さんで扱うサッシと当社のドイツサッシとの大きな違いはラフ開口の捉え方ではないかと。そこでその違いを施工会社さんに伝える上で判りやすい簡単なサンプルがあったのでそれを持ち出してきて私の机にずっと置きっ放し。時折眺めては遊んでいるのですから、完全に変態おじさんですよね。

ドイツサッシの断面からイメージできるもの

ドイツサッシ下駄材カシメサンプルの画像

これがそのサンプルです。これだけドアップで観ることはないでしょうね、私も滅多にありませんけど(笑

サッシ断面から窺い観る高い断熱性能

ヨーロッパからのサッシ輸入は木製サッシから始まり樹脂に移行する際、サッシ枠で重視したのは断面の断熱性能を支えるポイントでした。

断熱性見分けるサッシ枠の違いの画像

多層構造で断熱性能の高いドイツサッシ

写真の赤の数字で記しているチャンバー。断熱材がそうですが、空気を細かく固定すればするほど性能は高くなるのと同じで、この数が多ければ多い程サッシ枠の性能は高くなります。もちろん、サッシ枠の厚さも大事で、当社は82mm以上を採用していますが、商社系で扱われるのは76mmが主のようです。

断熱性能に影響するサッシ枠の建具枠の取り合いにあるガスケットの数

水色〇で囲った部分、ドイツサッシのガスケットは内外と真ん中にもあり3ガスケットになっています。ドイツの樹脂サッシを検討している10年前なら国産サッシではまだ内外の2ガスケットしかなかったのではないかと思います。今なら一部サッシにはあるようですが。

国産サッシの事例を。

国産メーカー樹脂サッシの画像

観ての通り、ガスケットは二つ。チャンバーもサッシ枠で3層、建具枠で5層です。

多様なドイツサッシの連結部材

実際に輸入するようになり驚かされたことがあります。
輸入してみると、

ドイツサッシの凄さはここにあるの画像
 
サッシ枠にイボイボが付いているのです。木製サッシを輸入していた頃にはないものです。先ほどの国産サッシと見比べても異常なほどの数に、(下の部材はその滝は無かったこととして見てください)

これは、なんだ!このウニみたいに付いてるのは。
今ならコロナのイボイボを想像したかもしれません(笑

何の知識もない私は、

これはきっとフレーム強度を高めるためのものだと推測し、

それにしても、チャンバー3に入る鉄心と言い、このフレームのイボイボと言い、サッシ枠の強度に対する考え方はここまで違うのかと。間違った解釈しながら一人勝手に感動してましたね。

ところが、どっこい未知な私の仮説はハズレ。写真のようにサッシ枠とその他の部材をカシメるしくみだったのだと後から知ることになります。木製サッシにも連結部材はありましたが、ここまで精工ではありません。この樹脂サッシの連結システムにはどれだけあるのか分からない程存在することを知ることとなり、同時に窓下にカシメる部材を手に入れることができたのです。

痒い所に手が届くドイツサッシの連結部材

サッシ下に装着する下駄部材の画像

それが、赤〇で囲ったサッシ枠の下に取り付ける部材で、社内では下駄材と呼んでいるものになります。これがあることで、この部材右側に取り付けられる窓下水切り材のスペースを確保できるのです。

これを知らなかった頃は、この部材の代わりに木材でサッシを上げていたのですから、

何も知らずに何をやってたんだ?俺たちは・・

て気持ちにもなります。今だから笑えます。

ドイツサッシの輸入リスク

商社さん系では、知ってか知らずかはわかりませんが、この下駄材は扱ってないように思います。
知らないってほんと小さな損の積み重ねをしているのですから悲しいでものです。知らなければその小さな損にも気付けないわけですけど、

これを良く観察していただけるとわかりますが、この下にも同じような部材を2段目3段目とカシメられるのです。これは窓外の奥行が深くなった場合に勾配を確保できるようにですけど、どんな場面にも対応できるように用意されていることに驚かされます。

今更にして発見したドイツサッシ細かすぎるスペック

そしてここからが今回の発見と言うか・・というより気付きですね。

本題のつもりだったのですが・・・
画像より動画の方が伝えやすいよなあ、
今日は会社休みなので、一人で動画撮ろうとしてみたもののうまく撮れない。
てことで、申し訳ありません、スタッフに協力してもらって明日ここにアップします。

12月12日18:00

連結部の気密性を確かなものにするために、先端の湾曲した部分だけがゴムで弾性を持てるようにしています。
上からトリプルガラス等サッシ全体の荷重がかかりより密閉させるしくみがこんな所に隠れていたのです。普段使っている部材なのにね、見ているようで観てなかったということ。

我ながら情けない話だけれど、気付けたことは嬉しいかな(笑

 

2件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です