朝、窓の外側がびっしょり濡れてるんですけど…これって不具合ですか?
というご質問を最近よくいただきます。
実はこれ、高性能なトリプルガラスが役目を果たしている結果です。
今朝、まさに私が確認したその結露現象がわかりやすいなので先ずは紹介しますね。
トリプルガラスの外側に結露
AM 5:30 当社住宅展示場の窓ガラスです。

住宅展示場1階リビングのフォールディングドアの結露。
青空駐車している車のフロントガラスもびっしり露で濡れていましたが、こういう時は窓も、特にトリプルガラスの窓で放射冷却の影響を受けやすい位置にある窓はガラス外側に結露します。
昨夜の9時には放射冷却により結露し始めていましたのでそのせいか、いつもより結露量は多く、水滴が垂れているのでガラスに映る景色はヴェネチアンガラス越しのようです。
2階寝室の窓ガラスをチェックしてみると、

ガラスに雨が打ち付けた後の感じです。
ちなみに、ここで5月8日朝にチェックした時のカラス結露は、
曇りガラスのようで水滴も垂れず景色がまったく見えてません。今回はそれだけ結論量は多く水滴が流れ落ちていることが分かると思います。
その他のチェックしてみた窓も。

こちら2階子ども部屋北側窓になります。この窓は滅多に結露することはありませんが結露していました。
初結露の窓を発見!

同じ子ども部屋の東側窓はこれまで結露を確認したことのない窓なのに、この窓にまで結露が確認できます。結露している面積と曇り具合から隣家の影響で他の窓に比べ放射冷却の影響が少ないことがわかります。
まさかね?と1階の窓カーテンを開けてチェック。
窓上部に屋根のあるこのテラスドア(PSK)には結露はありませんでした(笑
このように、水平方向から上方にかけ天空に開かれた面の割合の多い窓のガラスが放射冷却の影響を受けトリプルガラスの外側が結露します。
この窓ガラスの外側結露は住宅展示場の断熱改修の際、樹脂ペアガラスからドイツ樹脂トリプルガラスに交換してから気付いたことで、断熱性の高いトリプルガラスこその現象なのでよくネタにしています。
今日はペアガラスではほとんど見ることのない「外側結露」の仕組みと、見落とされがちな“夏の結露リスク”について、私が注目していることについて少し詳しくお話しします。
放射冷却ってなに?夜になると窓が冷える理由
夜、空気がひんやりしていて、空がスッキリ晴れているとき。 実は家や車の表面は、目には見えない熱を空に向かって放出しています。 この現象を放射冷却です。朝方、露を確認した時は、昨夜は放射冷却だったんだと思って間違いないかと思います。
特に雲が少ない晴れた夜は、地面や建物の表面が宇宙に向かって熱をどんどん逃がすため、周囲の空気温よりも冷たくなります。これが放射冷却の仕組みです。
トリプルガラスなのに…なぜ外側が濡れるの?
トリプルガラスは、外気の冷たさを室内に伝えにくくする高性能な断熱窓です。たとえるなら、熱の出入りをしっかりブロックしてくれます。そのため、室内の暖かさはしっかり保たれますが、逆に外側のガラスは内部からの熱が届かず、夜間に冷えやすくなってしまいます。
その断熱性能の高さゆえに、室内からの熱が外側のガラスまで届かず、外側ガラスは放射冷却によりどんどん冷えていきます。ガラス面が冷えきることで、空気中の水蒸気がその冷えたガラスに触れて、水滴となって付着します。これがトリプルガラス外側に現れる結露です。
これは断熱性能が高い証拠で、室内側が冷えるのを抑え室内側結露を防げているという意味でも嬉しい結露と考えることもできるのではないかと。
夏にも注意?放射冷却+湿気で起こる“見えない結露”
結露は冬のもの、と思われがちですが、実は夏の夜にも結露が発生することがあります。
特に湿度が高く、風がなく、雲の少ない夜には、外壁の表面が放射冷却により冷やされ、外気温よりも低くなることがあります。
このとき、空気中の水蒸気が外壁や窓まわりなど、熱橋(ヒートブリッジ)と呼ばれる断熱の弱い部分に付着すると結露がすることが予想されます。
特に窓の取り付け部周囲熱橋(ψinstall:窓台枠と外壁の取り合い部分)は、断熱ラインが複雑になりやすく、外気温より熱橋部へ、特にサッシの取り付け部、半外付けならサッシ取り付けフィン部への影響はどうなのだろう?と。
床暖房と窓の“放射”、何が違うの?
温水床暖房は、床全面からじんわりと熱を放射(輻射)することで、部屋全体と人を温める温めるしくみです。面で暖めるため、局所的に暑くなりすぎず、体にも優しい暖かさを実現できます。
一方、放射冷却は、物体が空に向かって熱を“奪われる”ような現象です。 つまり、温水床暖房の放射は”内向きで人にやさしい熱”、放射冷却は”外向きで熱が逃げる冷え”です。
放射という言葉は同じでも、まったく逆の方向性を持っています。ですが、放射と輻射は逆の現象なれど全方位割合による影響は同義ではないかと思うようになり、そこにヒントを探れるのではないか・・と注視しているのです。
住宅の“見えない弱点”をどう守る?
高性能住宅では、窓まわりの熱橋(ヒートブリッジ)対策がとても重要です。 大共ホームでは、ψinstall(サイインストール)と呼ばれる部位に対して、特許技術を含む独自の断熱施工を行い、窓まわりからの熱の出入りを抑えています。
こうしたディテール部分の工夫や配慮することで、夏でも冬でも結露しにくく、長く快適に過ごせる家を実現しています。
トリプルガラス外側結露は“性能が高い証拠”
トリプルガラスの外側結露は、断熱性能が高いからこそ起こる現象です。ただし、結露が起きたまま放置してしまうと、外壁やサッシまわりの劣化につながることもあります。性能が高いだけでなく、それを活かす正しい設計と対策があってこそ、本当に安心できる住まいとなるはずです。 とはいえ、夏の見えない結露や熱橋まわりの劣化リスクを見逃したくはありませんしね。
見えてないから無いことにはならないし、知らないから存在しないことにはなりませんから。
ヒントって、そこにある自然が見せる瞬間にだけ、ひっそり隠れているだけかもしれませんので。
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