雨から家を守るための「一日上棟」大共ホームが床・屋根をあえて現場施工にする理由

sites/2/2025/11/0a6f7c2fbcea582a7b62e0e1fe20cc36.jpgの画像

「どうして床や屋根の合板まで、あらかじめ工場で貼って現場に運ばないのですか?」

先日、そんなご質問をインスタのDMでいただきました。
今までDMに返信したことのない私ですが、このメッセージに初めて返事しました。


確かに、壁は工場で面材や窓を取り付けた状態で運び、現場ではクレーンで吊り上げて組み立てる。壁にはサッシまで据え付けられている。

それなら床や屋根も同じように“完成パネル”にしてしまえば、さらに作業が早くなりそうです。

しかし、私たち 大共ホームが目指すのは「効率化」そのものではありません。

目的はただ一つ──家を雨から守ること。

はじまりは30年前。「濡らさない家づくり」から

パネル化による一日上棟を始めたのは、今から約30年前。

当時、私たちが直面していたのは“上棟時に雨に降られる”という問題でした。

木造住宅にとって、構造材が雨に濡れることは大敵です。

当時濡れるのは当たり前なことで数日で乾くと教えられたものです。とはいえ、木材内部の含水率や断熱性能に影響を与えかねません。何より精神的のよくありません。

業界の当たり前を変えませんか?とのスタッフの一言から、大共ホームは「雨に濡らさないための家づくり」として、上棟を1日で終えるためのパネル化を進めました。

効率化ではなく、“品質を守るためのスピード化”だったのです。

25年前の決断──北米モジュールへの転換

当初は日本の尺モジュール(910×1820)を採用していました。

しかし、より構造的に合理的で施工精度の高い北米モジュール(1220×2440)へ切り替えたのが約25年前。

sites/2/2025/11/d6312eac4266f99c47693c29b2df81cc.jpgの画像
このモジュールは理にかなっており、面強度・耐震性・剛性の面で優れています。

現場でのパネル精度を高め、構造体としての「一体化」を確実にするための選択でした。

なぜ床や屋根に合板を張らないのか?

実は、工場で床や屋根の合板を張ることは技術的にはまったく問題なく可能です。

しかし、「できる」ことと「やるべき」ことは違うのです。

私たちが現場で合板を張るのには、明確な理由があります。

① 千鳥張りによる面剛性の均一化

構造用合板は、縦横のジョイントが重ならないように「千鳥張り」で施工するのが基本です。

これにより、床面や屋根面の強度が均一になり、荷重の分散、地震時のねじれや割れを防ぐことができます。

もし、工場で合板を貼ったパネルをそのまま運ぼうとすると、どうしても「芋張り(継ぎ目が一直線)」になってしまう。千鳥張りを再現しようとすれば、小さいパネルが大量に発生し、

結果として強度のバラつきや施工精度の低下を招く恐れがあります。

つまり、「早くても弱くなる」のでは意味がありません。

② 北米モジュールの合理性を損なわないため

大共ホームは北米モジュール(4×8合板サイズ)を採用しています。

このモジュールの意味は、構造と寸法の一体性にあります。

工場で合板を貼ってしまうと、北米型を採用した意味を崩しかねません。

また、現場での微妙な誤差調整ができず、後の耐力壁や屋根の接合部にズレが生じてしまうこともあり得ます。

現場の効率化は「目的」ではなく「手段」

私たちが進めている作業の合理化やパネル化は、

決して「早く建てたい」「人件費を削りたい」という発想からではありません。

目的は「濡らさない」こと、そして「現場でのスタッフの負担を減らす」こと。

大共ホームのフレーミングチームは、1日で上棟を完了させるために、数十枚のパネルをクレーンで正確に吊り上げ、現場で一瞬の無駄もなく組み立てていきます。作業はまるで「木の家を組み立てるオーケストラ」のようなチームワークです。全員のリズムと呼吸が合ってこそ、1日上棟は成立します。

その中で、合板を現場で張るという工程は、

単なる手間ではなく「品質を守るための一手間」なのです。

もし納得できる方法が見つかれば──いつでも変える柔軟さ

もちろん、私たちも「もし強度・精度などのすべてを両立できる新しい方法が見つかれば、すぐにでも取り入れたい」と考えています。

大共ホームの30年の歴史は、“守りながら進化する”歴史です。

彼らスタッフの知恵と技と、合理的な北米建築技術を組み合わせ、

「強くて、暖かくて、濡れない家」をつくり続けてきました。

雨を恐れない現場へ──それが本当の効率化

効率とは、ただ早く終わらせることではありません。

「同じ時間で、より安全で確実な品質を届けること」のはずです。

私たちは、可能な限り雨を避け、安心して建てられる仕組みを作り、社員スタッフが無理なく誇りを持って働ける現場をつくる。

それが、大共ホームの“効率化です。


床・屋根パネルへの合板施工を現場で行う理由まとめ

  • 一日フレーミング(一日上棟)の目的は「雨に濡らさないため」。

  • 合板を工場で貼らないのは「面強度」「精度」「モジュール」を守るため。

  • 効率化は「目的」ではなく「品質を守るための手段」。


家づくりのスピードには、理由がある。


私たちは“早さ”よりも、濡らさない安心を選び続けています。

それが、大共ホームが30年以上貫いてきた家づくりに対するものさしです。

最後にPRを。

岩手県盛岡市で完成住宅見学会

この時期だから、家の性能・窓の性能を体感できる見学会を開催。

sites/2/2025/11/0a6f7c2fbcea582a7b62e0e1fe20cc36.jpgの画像

高断熱住宅見学会の詳しい内容はこちらで。