湿気・湿度を味方に付けて、高断熱住宅で快適な暮らしを!

岩手県滝沢市で乾燥しない高断熱住宅の画像

冬は暖かい高断熱住宅、暖房費も省エネ住宅、というように、温度ばかりが強調されがちですが、今日は高断熱住宅だからこそ知っておくべき湿度の大切さについてぺっこお伝えします。

岩手の高断熱住宅11月7日の画像

岩手の高断熱住宅における冬の湿気・湿度管理

1. 冬の湿気と湿度の重要性

冬の高断熱住宅は暖かさを保ちやすい一方で、湿度が低下しやすい傾向があります。暖房を使い室温が上昇すればするほど空気が乾燥し、湿度が下がるため、乾燥による肌荒れや喉の痛みなど健康面でのリスクが高まります。一方で、窓際など外気との接触部分では結露が発生しやすく、カビやダニの原因となることもあるわけです。

湿度を適切に管理することで、快適性や健康を保ちながら、冬場でも安心して暮らせる住環境を整えることができます。


2. 冬に湿度が高すぎる・低すぎるとどうなる?

高気密・高断熱住宅では、室内に洗濯物を干していたり、観葉植物などを窓際に多く配置していたりすると湿度は高くなります。逆に、低気密低断熱住宅で暖房すれば室内空気が乾燥し湿度は低くなります。そしてそれはどのような影響があるのかについてを。

湿度が高すぎる場合:
窓の結露
外気の影響で窓が冷やされ、結露が発生。これが原因でカビが増殖するリスクあり。 窓枠や壁紙が湿気を吸い込みやすく、劣化が進むことになりかねない。

湿度が低すぎる場合:
健康への影響
喉や鼻が乾燥し、風邪やインフルエンザにかかりやすくなる。

静電気の発生
冬特有の静電気は不快感を生みやすい。


3. 冬の湿気対策として使える素材と設備の選び方

冬の湿度を補う素材
岩手県滝沢市で乾燥しない高断熱住宅の画像

 室内壁を漆喰仕上げ、床を無垢フローリングした岩手県滝沢市の今から24時間前からの湿度推移
 ※加湿無しで50%以上の湿度を保っています。

漆喰や珪藻土の壁で調湿
高断熱住宅なら室内の湿度を吸放出する調湿効果を持つため、加湿器に頼らない湿度管理が可能。

無垢材のフローリング
冬でも足元の冷えを和らげ、自然な調湿効果を発揮。

※無垢材であってもウレタン等湿気の調湿効果を損なう仕上げ済みの素材は避ける

冬に活用したい設備

加湿器?
適切な湿度を保つために、加湿器は冬場の必要になる場合もただし湿度が高くなりすぎないよう注意が必要。
個人的には、加湿器無しで40~50%台を保てる状況が理想。最近はそれが実現できていれば普段は不要と思います。ですが、ご家族が誰か風邪を引いたりしたときに、家庭内感染を防ぐなら湿度60%に上げたい。そのための加湿器は1台用意して置くのも良いのではと。

全熱交換型換気システム
暖房で乾燥しがちな空気を適度に入れ替え、湿度バランスを保つ。

※熱交換システムは顕熱交換と全熱交換の2タイプがあり湿度保持のためなら全熱交換がベスト。

4. 冬の湿度管理のメリット

健康維持
喉や鼻の乾燥を防ぎ、ウイルス対策にも効果的。

快適性の向上
適切な湿度を保つことで、体感温度が上昇し、暖房費の節約にもつながる。

結露の防止
窓の結露を抑えることで、カビやダニの発生を予防。

5. 冬の湿度管理の実践アイデア

室内干しを活用
湿度が低い場合、洗濯物を室内で干すと加湿効果を得られる。
※最近ガスでの乾燥機が人気ですが、洗濯物の湿気は排気してしまうので、湿度保持のために冬は乾燥機の使用を控えるのも一つの手なのかなと。

加湿器と湿度計をセットで使用
当社ではお引渡し時に温湿度計を差し上げていますが、湿度を常に40~60%に保つように管理するのをお勧めします。

窓の結露対策
どうしても朝方窓ガラスに結露する場合なら、窓に断熱フィルムを貼ったり、結露テープを使うことで、結露や水滴の垂れを防ぐ効果はあります。

岩手の高断熱住宅における夏の湿気・湿度管理

1. 夏の湿気と湿度の重要性

夏場の高断熱住宅では、外気の湿度が室内に入り込むと、蒸し暑さや不快感が増します。特に梅雨時期には湿気が溜まりやすく、カビやダニの繁殖を引き起こしやすくなります。一方で、冷房を使いすぎると湿度が下がりすぎ、肌や喉が乾燥することもあるため、バランスの取れた湿度管理が必要です。

2. 夏に湿度が高すぎる・低すぎるとどうなる?

湿度が高すぎる場合

カビやダニの発生
室内の壁や家具にカビが発生し、健康リスクが高まる。

蒸し暑さの増加
湿度が高いと、気温以上に不快感が増し、冷房の効率も低下。

壁の中、窓周囲や床、熱橋がある部位での結露リスク
高断熱住宅では冷房がよく効くようになるので室内がしっかり冷えるようになります。そうすると、熱橋部外側で屋外の湿度が冷やされ結露リスクが高まります。

湿度が低すぎる場合

乾燥した冷気による影響
冷房を長時間使用すると、肌や喉が乾燥しやすくなる。

3. 夏の湿気対策として使える素材と設備の選び方

夏に効果的な素材

漆喰や珪藻土の壁
湿気を吸収し、室内の蒸し暑さを和らげる効果がある。
無垢床フローリング
無垢床の繊維層には空気を保持するので、裸足でもべたべた感を感じない快適さが得られる。

夏の湿気対策におすすめの設備

エアコンの除湿機能
冷房だけでなく、除湿運転で快適な湿度を維持。概ね除湿器は不要ではないかと。

4. 夏の湿度管理のメリット

快適な室内環境
蒸し暑さを抑えることで、夏場でも快適に過ごせる。
健康維持
湿度の高い環境を防ぐことで、カビやダニによる健康被害を軽減。
建材や家具の保護
湿気による木材の腐食や劣化を防ぎ、長持ちさせる。

まとめ

冬と夏、それぞれの季節ごとに湿気や湿度の課題は異なりますが、漆喰や無垢フローリングなど冬でも夏でも効果を発揮する素材選びは優先度が高い。暮らしの中で適切に管理することで高断熱住宅の性能を最大限に引き出し、健康で快適な暮らしを実現できるはずです。家づくりで気を付けたいこと、暮らしてから気を付けたいこと、それぞれを知って、一年中快適な暮らしを目指しましょう!

2件のコメント

冬季、室内がどうしても乾燥傾向になります。我が家の1種換気「澄家」(全熱交換)がどれくらい顕熱・潜熱を交換しているかモニタリングを計画してます。
①熱交換器直後のサプライ側に1箇所→通過風量を変え交換率等を観察
メーカー公表値交換率90%の6~7割、50~60%程度は交換されていることに期待したい。
②基礎空間の温湿度の計測→太陽が当たらない北側に設置し年間の変化を観察 基礎断熱の有用性、コンクリートの保温力を確認する

我が家は外気、2階天井裏、2階、1階、基礎内、床下換気設備 と計測器だらけになっており定量癖が治りません。

いつもながらさすがですね。
熱交換率はサーモカメラでチェックしておりましたが、潜熱はデモ機依頼実場面ではチェックしていないことにこのコメントで気付かされました。
ありがとうございます。
➀➁共に結果を教えていただけたら嬉しいです。楽しみにしております。
はまってきてますね、知れば知るほど計測器はなぜだか増えていきますので。

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