我が家にはバルコニーがある。
でもそれも、3年程で使わなくなり、
現在は開かずのバルコニーと化し、
室内から窓越しに見ると、風が運んで来ただろう枯れ葉やごみがいっぱい見える。
当社事務所にもバルコニーはある。
建築当時、デザイン的なポイントとして設けたため、
そのバルコニーをスタッフは誰も使うことはない。
が、全く使っていないということもないかな。
エアコンの室外機置場に使っている。
手すりが壁のため、見せたくないものに目隠しをするという点で便利かもしれない。
そして、当社の住宅手展示場にはバルコニーがない。
アメリカの住宅を見まわしても極まれにバルコニーのある家を見かける程度だったし、
アメリカの家をずっと見て来て、
バルコニーがない方が家のフォルムはきれいなんだと感じるようになった。
そのため展示場にはバルコニーを設けず、
その代わりに20畳ほどの大きなデッキを1階に設けたのだった。
周囲を見渡してみても、戸建て住宅以外のアパートだってマンションにだって、
バルコニーは附属するのが当たり前の感覚。
周囲の普通がそうだからそういうものなんだと思っていた。
私は昔、バルコニーって家を建てるならセットだろうくらいに考えていた。
洗濯ものが干せる、お天気の良い日は布団を干せる、
バルコニーに踏み出し、周囲を眺め大きく深呼吸することもできる、
あわよくば、夏はバルコニーでマイビヤガーデンだって可能だ。
多目的に利用価値はあると考えていた。
それが我が家の使わなくなったバルコニーがきっかけで、
家にバルコニーは必要か?
と疑問を持つようになった。
バルコニーの必要性に疑問を持つようになってもやもやしたまま年月だけが過ぎ、
アメリカの住宅展示場で見かけたのが大開放できるテラスの大きな折り戸。
こりゃあ、すげえ!
これだったら、室内に居ながらにして外にいるのと同じだべ。
これなら外に屋根付きのテラスなんて必要なくなるべな。
窓が折れるって・・・
こんなに家の楽しみ方の可能性が拡がるのかあ。
この窓との遭遇から憧れ続け、遂に当社でも提供できるようになったのが、

一番右側がドレーキップ窓で写真は内倒しにしています。

右側ドレーキップ窓を内開きした状態。
左側3枚の折れ戸まですべて開いた状態でこんな感じ。
今や一番人気のフォールディングドア。
アメリカの家で見たものはペアガラスで一枚当たりのガラス面も大きい、
ただ希望するトリプルガラスとなるとアメリカのようなサイズではまずいかも・・・
その不安を解決すべく建具の重さに耐え得るサイズで考えた結果、
写真のような各ガラスサイズとなった。
と、ここまでは何とか実現できた。
実はもう一つ、私が折り戸スタイルの窓で憧れ続けたものがある。
高窓だって、折り戸にできたら便利なのに・・・
ってこと。
この機能があったら・・・
フォールディングドアと同じように、INでありOUTにもなれるのであれば、
バルコニーは不要になるのではないか。
バルコニーを超える窓が欲しい!
そう考え始めた頃、ヨーロッパでヒントを得ることになる。
それはカフェの窓。
住宅用ではない。
正直、これまで住宅用としてみたことはないけど、
それでもあったら便利だよなあ・・
と憧れ探し続けたが見つからない。
製品として世界にないなら、探すことを諦め、
自分たちの発想で何とか作れないものだろうかと始まったのが2年前、
フォールディングドアの技術を利用し、
ついに、試作に漕ぎつけた。
それが、
この窓。
下は固定窓で上が全開放するタイプの窓。
全開放するとこんな感じ。
こちらの窓は3枚タイプだけど、4枚でも5枚でもそれ以上だって可能で、
もちろん、トリプルガラス。
これだったらお布団も干せる、窓際でビールだって飲める、
冬も洗濯物はすぐ乾く、と良いこと尽くめ。
本来ならバルコニースペースだったものが、一年中活きる、
使い倒せるわけ。
振り返れば、
ここまでたどり着くのに憧れ続けてから11年もかかってしまったなんて、、
実現するのに、ほんと時間かかり過ぎ(笑
でもまあ、こういう一つの事例で、
これまでの暮らし方を変えられるかもしれない、
そう思って貰えたら嬉しいかな^^
連休中、完成したばかりの家に寄ってみて、
フォールディングドアを開け、床に座ってみると・・・
フォールディングドアって、
家の中から空を見上げてもいいんだあ!
水平とか庭を見るだけじゃもったいないべ。
と、新たな視界を発見。
窓が変われば視界が変わる、
視界が変われば今まで見えなかったものが見え、
新たな可能性に出会えるかもしれません。
これからの完成したお家の見学会で、ぜひ見つけて見てください^^
コメントを残す