アメリカ到着の翌日から視察開始。
一つの目の視察は世界でも超有名な平屋住宅です。
平屋住宅という俗的な括りにしてしまっては失礼なのかもしれませんが、
建築関係の人間にとっては有名な建築でも、
家づくりをお考えの一般の方にとっては平屋は平屋だべ、てな、
私の安易な判断です。

受付である管理棟前にあった施設名プレート。
下に書いてあるのが建物の名称です。

待ち時間に周囲を探索すると、4人乗りカートが!?
ガイドさんやスタッフの方たちはこれに乗って移動しているんでしょうね。
個人的にもこういうのに乗って遊びたい気分になります^^

管理棟の離れ的に建っていた円形の建物が気になります。
曲面の外壁を仕上げるには写真のように木製サイディングの縦貼りか、
塗り壁仕上げしかないよなあ、
やはり縦貼りの方が容易だべなあって眺めておりました。
写真左奥に続く小道の先には川が見えます。
揺らぎの好きな水フェチ火フェチな私は傍まで行って見たくなります。

結構大きな川で、昨晩の雨で増水している様子。
道にはウッドチップが敷き詰めてあり、泥が靴に付くのを防いでくれたので、
降雨時歩道などのぬかるみ対策には便利なのかもしれません。
日本でぬかるみ対策だと砂利を敷いてしまうところですが、
やはりウッドチップの方が自然に馴染みますよね。
受付を終え、施設のガイドさんの案内で林の中へ歩き出します。
どうやら見学目的の住宅はしばらく歩いた先にあるらしい。

川の脇を歩きながら向こう岸を見ると雑木が水面に埋まっているので、
増水さがよくわかります。
そしてほどなくして・・・


小さな支流の小川が増水。
先ほどのカートの道は水没していて、歩くだけの細い道を歩いて迂回します。
ここで魚が立てる波紋が見えたんですよ。
増水に乗ってこんな際まで魚って寄ってくるものなんですね。
というか、ここならいつでも魚釣りを楽しめるってことかもしれない、
そう考えたら羨ましい場所に思えてきます。

そしてどこかの森林公園のような芝生の広場が見えてきて、
ガイドさんの説明を聞きながら歩くこと10分ほど。

木々の中にひっそりと佇む白い建物が見えてきました。
田んぼの中に身を潜めている白サギのような印象です。

目的地に到着。
この時小雨模様でガイドさんは傘をさしていました。
私は、、、傘忘れた。。
でも、住宅はかっこいい。
床下はシースルーで宙に浮いているように見えます。
床と天井(屋根)の二本のラインを際立たせ、四方がすべてガラス張り、
真ん中に見えるコア部分にバスルームやトイレ、キッチン、機械・配管スペースを集約し、
他に仕切り壁はなく完全にワンルームで構成された住宅です。
元々週末に過ごすための別荘として計画されたのだとか。
この平屋住宅の床面積は約44坪、
敷地面積は約4700坪、
4700坪って・・・うちの工場の敷地面積くらいか・・;
と私は想像できる対象があってイメージしやすいけど
、一般の方には想像できないですよね。
見ているだけなら個人的には好きな雰囲気ではあります、
でも贅沢って言えば贅沢な環境、
ガラス越しに伸びる視界すべてが自己所有地だからできるスタイルかもしれません。
こういう環境がある場合なら多いに参考にしたいものです。
ただ、70年前に建築されているからでしょうね、
スペック的には窓ガラスは一枚、
冬は窓からの冷輻射で結構寒かったのではないでしょうか。
別荘ですしね、もしかしたら真冬は使っていなかったかもしれません。
この平屋の建築は1950年、冬の最低気温は-10℃を超えることもあるのに
ガラスはシングル。
昨年フィンランドで見たパイミオのサナトリウムは1933年に建てられたのに、
窓ガラスはトリプルだった。
同じく著名なモダニズム建築であっても何を目的にするか、
国や建築家によっての意識の違いでこれだけ違うものなんだなあと、
改めて考えさせられるものがありましたね。
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